重い話

2014年12月28日 (日)

Bleumer的選挙総括 ~2014衆院選

 第47回衆議院議員総選挙についての私的総括の記事を書こうと思っていたのですが……今回は選挙期間中からシラケムードだった上に、投開票日から2週間も経ち年末になってしまったこともあって「選挙なんてあったっけ?」ってな感じさえあったりするし、各新聞の分析がだいたい的確で実際私なんぞが特段書くようなこともそれほどなかったりするので、当ブログの記事は手短かに済ますことにします。

自由民主党  295→291
公明党      31→35
民主党      62→73
維新の党         42→41
次世代の党   20→ 2
生活の党           5→ 2
共産党              8→21
社民党              2→ 2

 2年ぶりの衆院選だったわけですが、結果的には公示前と公示後で各党の議席配分は大きく変動しませんでした。選挙期間中、今回も「圧勝」「圧勝」とメディアに言われ続けた自民党は、単独300議席に届くどころか4議席減ってしまいました。が、その4議席分は、連立を組む公明党が増やしたので、与党勢力としては「変化なし」ですな。前回惨敗した民主党は、大方の予想通り少し議席数を増やして、9議席増。かなりの議席減が予想されていた維新は1議席減で済んだ一方で、旧維新から分裂した次世代の党は2議席のみで壊滅的。生活も議席を減らし、代わりに共産党が今回も躍進して倍以上の21議席を獲得。社民党も、しぶとく2議席を獲得して議席数を維持しました。ま、今回も「与党圧勝/野党完敗」の選挙と言えますかね。また、投票率は衆院選としては過去最低で、小選挙区52.66%/比例代表52.65%と59.32%/59.31%の前回さえも大きく下回ってしまい、52.61%だった昨年夏の参院選同様「なんとか“50%割れ”だけは防げた」といった感じでしたな。
 今回の選挙も、報道各社が「自民党圧勝」と予想し、与党自民党が勝つシナリオしか存在しない選挙でして、結果もほぼその通りの結果となりました。というか、野党が負けるに決まっている選挙だったと言うべきか……どこの新聞でも指摘するほどに、とにかく野党が情けなかったですな。「選択肢たりえない」ってやつです。「さあ、選べ!」と言われましてもね、普通に考えて野党なんて選べるはずもないんですよ。今秋の臨時国会でも、政府与党の言うことにただただ文句言ってるだけ大臣の揚げ足取って喜んでるだけの民主党、相変わらず党首サマの個人パフォーマンスで話題作りだけ一生懸命で政治そっちのけなくせに離合集散したりしてわけのわからない維新、2度の空中分解で存在すら消えてしまったみんなの党、存在感すら皆無の生活、ひたすら「反対のための反対」を繰り返すだけの共産党に社民党……それぞれが持つ“固定票”以外、得票が増えるはずもないでしょうよ。
 民主党は、文句や揚げ足取りではなく、ひたすら政策提言をすべき、いや、提言し続ける政党にならないとダメです。今回の選挙だって、民主党は「消費税は今増税すべきだ。増税しない自民党はおかしい」と主張すべきだったと思いますよ。実際、臨時国会ではそう言ってたんだし、そう主張すれば「アベノミクスが実際はうまくいっていないから、自民党は増税を先送りせざるを得ないのだ」とも言えたし説得力も付いたでしょうしね。なのに、主張しないで、争点化からも逃げた。そんなことやってるから、現党首退場(※代表の海江田万里が今回復活当選すらできず、落選した)の憂き目を見るんですよ。もう、野党だから政府のやることなすことに文句だけ言っていればいい、なんて時代は終わったのです。支持者とかが揚げ足取りしか望んでない以上仕方ないとか言われそうですけど、そんなこと言ってたら永遠に自民党に負け続けて二度と浮上できなくなりますよ?いいかげん、「政党」になりなさいよ、情けない、みっともない、無様極まりない日本の野党第一党さんよ。
 また、次世代の党はねぇ……「ない」ですよ。言ってることは「(それほど)間違ってない」とは思いましたけどね、結局、党首の平沼赳夫に代表される“老害”とその他“雑魚”の集合体では、次世代どころか国政を担う器ですらないってのは有権者にバレバレですわ。また、「新保守」を名乗って“右”を向くのは結構ですけどね、言ってることは政策提言でなく現状へのケチでしかなく、口先だけで行動も伴わず結局は「ただの文句タレ」で、こちらも本当の意味での「政党」ではないのです。その文句の言い方も、弱っちいのが強がりで吠える旧来の“右翼”的なもので……今の若い人たちは知らないかもしれませんが、かつて日本社会に巣くっていたリアル“右翼”ってのは恫喝するだけのただの“たかり”な最底辺の集団であったと知っている一定年齢以上の世代はね、こういう口ぶりの輩には間違っても投票せんのです(社会人やってると直接被害を被ることも少なくなかったので、“右翼”に対する嫌悪感、というよりむしろ明確な憎悪とでもいうべきものがコンセンサスとしてありましてね。それは、“左翼”に対する嫌悪感の比ではなかったりします)。さらに、ネット上での各党の支持層ってのがどんなもんなのかもチェックはしていたのですが、今回の選挙で私が見た中だと一番酷かったのは次世代支持層でしたわ。“安倍信者”“小沢信者”みたいのが今回あまり目立たなかった中で、次世代支持層ってのは選挙期間中「次世代に票を投じないヤツは非国民」的にやたら煽ってくる印象があった上に、大敗したとわかると「世の中の方がおかしいんだ!」「不正選挙だ!」とかギャーギャー罵り始める奴も出て……「こいつら、“サヨク”と何も変わらないな」、と。負けを認められず、自分の思い通りにならないと「世の中が悪い!」、サヨクサヨクと散々バカにしてるくせに自分はそんな連中から何も学んでいないのだと平気で世に晒すなんてね。“サヨク”以上に次世代支持層(の一部)ってのは「バカ」ってことですわ。いわゆる“サヨク”も、自称“保守”ってのも、言ってることは違えど結局は同類なのでしょう。ガッカリですよ。党のメンバーも、その主張も、その支持層も、この惨状では……今回の結果も「当然の結果」としか言えませんな。個人的には、日本にも“右”寄りの党が1つくらいあっていいと思っているんですけどね(※念のため言っときますけど、維新は“右”ではないですから)。きちんと「政策」を主張できる「政党」ができればいいのですが……これはこれでムリなのでしょうかね。
 あと、今回の選挙で唯一「躍進した」と言えそうな共産党ですけど……昨年夏の参院選の比例代表で、共産党は5,154,055票集めてます。今回の比例では6,062,962票でした。2年前の総選挙では3,689,159票だったのでたしかに倍近い増え方とも言えますが、昨年夏と比べると驚異的に支持者が増えているというわけでもなさそうに思えます。それに2年前は日本未来の党ってのがありまして、左派の票はそちらにもだいぶ流れてましたしね(342万票だったかな?)。日本の左派の全体としての数は、おそらく増えていないと思います。メディアも「共産党躍進」とはあまり書き立てなかったですし(ま、共産党が本当に躍進してこの国の政権を担うようになってしまったら、「報道の自由」なんてものは軽く消し飛んでしまって自分たちのクビも軽く引きちぎられることくらい新聞記者なら誰でもわかってますからね。どんだけ自民党が嫌いだろうと、へらへら喜んだりはできませんわな。実際w)、共産党自身もそのへんの票読みはできているのかバカみたいにはしゃいだりしなかったのは偉かったですな。ただ、以前の共産党は「働く者の味方」を標榜していたように記憶しているのですが、近年の共産党は「弱者の味方」に拘りすぎで「生活保護受給者最優先」になってしまっている所に嫌なものを感じます。根本が「反対のための反対」であることに変わりはないので私が票を投ずることはありえないし、どうでもよいといえばどうでもよいことですけど……共産主義だの社会主義だのって、労働者が第一ではないのですかねぇ?そもそもの大前提をないがしろにしていると、知りませんぜ?

 とにかく野党、ですな。今の日本の政治におけるガンは、野党議員1人1人のプロ意識の欠如、そこにあると思います。プロの政治家その集まりたる政党として無党派層に支持されたい選挙で勝ちたいというのであれば、実効性のある具体的な政策を国会で提案することです。採用されるかどうかではなく、実際に提案しているか提案し続けているかどうかが大事なのです。今のままでは、いつまでたっても「負け犬」ですよ。「負け犬」のままでいいと言うのなら、それでも構わないけど……だったら議員歳費とかは全額返上の上で、何も言わず黙ってていただきたい。「負け犬」の分際で、議員サマ面して偉そうにほざくなっての。
 あとは主権者たる私たち、ですね……国政選挙として最も重要視される衆議院議員総選挙なのですが、その投票率が50%を割ってしまう可能性が残念ながら非常に高くなりました。有権者の半数が参政権を放棄してしまうってことは、まさに「民主主義の危機」と言うべき深刻な事態なんですけど、大連立を組むわけでもなく与党と野党に分かれていながら国会でも選挙でも政策論争などまるですることもなく、現実問題に対処するのは結局は官僚のみで、メディアはメディアで的外れな誹謗中傷してるだけ、ネットはネットで反日ブログやらまとめサイトの恣意的記事やらに踊らされた一部が連日ギャーギャー騒いでいるだけ。こんな状態で「政治に関心持って、投票に行けよ」と言われても「ムリな相談」なのかもしれませんけど……しかし、そんなことで本当に良いのでしょうか。ほんの一握りの人間が大多数を支配し貪っていた社会を打破してようやく手に入れた民主主義というシステムに甘えきり、主権者としての責任も果たさず文句だけは言っている、そんな無責任さで私たちは本当に良いのでしょうか。この国の野党議員にプロ意識が欠落しているのは、私たち国民が甘やかしすぎた結果であるとも言えるのです。政治家不在のツケは、私たち国民の日常生活にいずれそのままはね返ってきます。投票を棄権している場合ではないと私は思いますけどね。

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2014年12月15日 (月)

Bleumer的投票行動 ~2014衆院選

 第47回衆議院議員総選挙が、昨日投開票日でした。この選挙について私Bleumerがどういう投票をしたのか、ここに書いておきたいと思います。

 2年前に発足した自公連立の第2次安倍内閣を信任するか否かの国政選挙となった今回の衆院選でしたが……今回も大きな“争点”がなく、野党の存在感もより希薄となり、メディアは選挙前も選挙中も「与党圧勝」を予想する「本当に総選挙なのか」と極めて盛り上がらない選挙戦となりました。
 私の公示前時点での政治観は先に記事を書いたとおりですが<こちら>、第2次安倍内閣についてはそれなりに評価している一方、野党を全く支持できず「選択肢がない」選挙となってしまい、あまり悩むことなくさっさと期日前投票しました。

○小選挙区
 うちの選挙区は、自民党と民主党と共産党の公認候補3人が立候補していました。
 今回は、民主党の候補者に投票しました。民主党の今回の選挙における党としての主張は全く支持できないものでしたが……自民党“1強”というか強すぎな上に、維新だのなんだのには一切期待できず、民主党はあまりにも情けなくてみっともなくてブザマすぎる今のこんな状況で、「まともな野党議員」といえる人がいるならばその議席は死守しないと「まずい」と考えました。自民党に全面委任しても良いのであれば選挙区でも自民党の候補に入れたのですが、自民党が暴走し始めることだって十二分にあり得るわけで、仮にそんな時が来てしまった場合、まずは国会で止める人がいないと困るのは結局普通の国民たる私たちです。うちの選挙区の民主党の候補はその役に足り、また党のダークな部分に染まりきってなさそうな人だと思えたので票を投じました。
 自民党の候補は、悪いところはなかったのですが、今回は上記の理由により票は投じませんでした。自民党があまりに勝ちすぎると暴走のリスクが高まりかねないために「仕方なく」です。まぁ、「比例で復活当選してくれればいいか」って目論見もあったりしたのですけどね。
 共産党の候補は、以前から書いている通り、“社会主義幻想”に取り憑かれた彼らの候補を国政に送り出すわけにはいきませんから、選択肢から消去しました。
○比例代表
 こちらは、自由民主党に投票しました。集団的自衛権とか消費税率引き上げ延期/軽減税率導入とか児童ポルノ禁止法改正やリベンジポルノ規制法のような表現規制に対する姿勢など、気に入らない点もいくつかあったのですが……全体的にはその政権運営に合格点をつけられると判断していました。何より、他党があまりにも酷すぎて選択肢たり得ない以上、他に書きようもなかったですしね。
 小選挙区では民主党の候補にしましたが、こちらでは選びませんでした。上にも書きましたが、今回の民主党の党としての主張は、全くもって支持できないものだったからです。マニフェスト見ましたけど、いきなり現政権へのクレーム(ケチ)を並べ立ててくるのは野党なので仕方ないにしても、その後に安倍政権とは異なる有効な政策が書いてあるのかと思いきや、「(どこそこにちょろっと口を出して)対策します」と書いてあればまだマシな方で、多くは「成長戦略」「支援」「再生」など聞こえがいいだけな言葉を羅列した抽象論。実効性のある政策を何もできなかった政権担当時の失敗につき、彼らは何の反省もしていないようで、エネルギー問題についても自分たちで大飯原発の再稼働を決めたというのにまだ「再生可能エネルギー」とか自ら法案を廃案にしてしまった「発送電分離」も「進める」などと恥も外聞もなく書いてくるし。こんな口先だけの見せかけ論を、どう信じろと?他方、隅っこに細かく並べ立てた各論には、「人権委員会設置法を早期に制定」だの「ヘイトスピーチ対策法を制定」だのと、特定層に対する優遇措置だけはやたら具体的かつ明確に書いてあったりするわけです。「ざけんなよ。普通の日本国民をバカにするのも大概にしろ!」と言いたくもなりますよ。で、選挙戦も、「勝とう」という気がまるで見られず、必死さどころか危機感すらもまるで見えず、自民党の候補の方がよほど必死だったりするのが見えてしまうとね……そんな政党に、票を入れられるはずもないですわ。
 維新の党やら次世代の党やら、他の政党も民主党とさして変わらなかったですね。あれやこれや民主党とは違うことを言ったり書いたりしてはいるけど、「口先だけの見せかけ論」であることにどれも変わりはないのです。現実を把握すらせずに空虚な言葉を並べてみたところで「策」たりえず、「策」たりえない以上「実行」など不可能。結局、「彼らに政治を任せるわけにはいかない」と判断せざるを得ません。
 公明党や幸福実現党のような宗教政党は、その信者の最大利益を追求する政党です(※普段はそうでなかったとしても、宗教組織が基盤である以上、最終的にはそうせざるを得ない)。私がそこの信者でない以上は、投票するわけにはいきません。よって、除外。
 共産党や社民党も、似たようなものです。彼らは世界的な社会主義体制崩壊以降、「反対のための反対」教の宗教政党になったと言っても過言ではありません。“リベラル”を語りながら「人種差別禁止法」だの「人権侵害救済法」だのと一般国民に対する人権制約を公然と主張したり、“革新”を語りながら「憲法改正絶対阻止」などと“保守”以上に頑なな保守論を主張していたり……もはや彼らの主張は支離滅裂意味不明です。地方自治レベルであればそんな頑なな主張が有効だったりすることもあったりしますが、国政に関しては有害でしかない。よって、除外。
○最高裁判所裁判官国民審査
 最高裁判所裁判官国民審査は、「X」はつけませんでした。今回は特に「不適格」とすべき判事がいなかったので。
 裁判員裁判による一審判決とそれを支持した二審判決を量刑が重すぎるとして破棄、減刑を自判した今年7月24日の判決に関わった判事がいたら「X」をつけようと思っていたのですが(※この判決は裁判員裁判制度の趣旨に明らかに反すると思えるので、個人的に許しがたい)、今回の審査対象に判決を出した第一小法廷の判事はいませんでした。
 ネットの一部では、今月9日に上告を棄却することで「“ヘイトスピーチ”認定をした」として、棄却決定を下した第三小法廷の判事に「Xをつけろ!」と騒いでいる連中もいたようです。が、他人を名誉を毀損するような過激な表現行為をすれば民事上の不法行為責任(損害賠償責任)を問われるのは当然のこと。この責任は、現行法上日本国内で不法行為をすれば国籍関係なく誰もが問われる責任であります。一方、民主党その他が主張する「ヘイトスピーチ対策法」というのは、内容は確定していませんが、おそらくは特定者に対する特定の表現行為に対して刑事罰を科そうとするものです。現行法上にはない罰則であり、規制を求めている側の倫理観からすれば「特定外国人に対する批判行為を行った日本国民は、全員刑事罰に処すべし」という内容になりかねない危険を多分に孕んでおり、無能力者などの例外を除けばあらゆる人に等しく適用される民法とは全く違う法制度なのです。私はそのような日本国民を虐げ特定者のみを特別に優遇する法制度は憲法上も倫理道徳上も許されないと考えていますが、そのことと上記の最高裁決定とは何の矛盾もありません。というか、この決定を「許さない」と言うことは現行法制度を否定する行為であり、むしろ「ヘイトスピーチ対策法」制定を推進する行為に他ならないと思いますよ。何を意図して騒いでいたのかは知りませんけど、全く賛同できませんね。

 今回の衆院選での私の投票行動も、小選挙区:野党民主党候補/比例代表:与党自民党への投票となり、統一性を欠くものとなりました。「比例代表では民主党をボロカスに批判しておきながら、選挙区では民主党の候補に票を投ずるとはなにごとか!」と言われそうですけど……「自民党&安倍政権を支持はするけど、全面支持ではないよ」という意思表示をするには、これくらいしか方法がなかったということです。第2次安倍内閣は「よくやっている」とは思いますが、私の中では昨夏の参院選時よりは評価が少し落ちています。自民党が児童ポルノ禁止法改正/リベンジポルノ規制法などどっかの団体が欲しがっている(であろう)法案を成立させた、というのがね……特に気がかりなんですよ。実際、上で書いている「ヘイトスピーチ」対策についてのプロジェクトチームは自民党内にもあり、すでに活動しています。ネット上ではやたらと「民主党ガー」と騒ぐ書き込みを目にしますが、どっかの特定団体サマの言い分を聞き入れているのは(というか、「言いなり」なのは)民主党だけではないのです。どこの政党も大なり小なり圧力団体のヒステリックな声を聞いており、自民党も例外ではありません。私たち一般国民の自由などよりもそんな身勝手極まりない声の方を優先するのが政党というものであり、“1強”ともなれば残念ながらそんな声を優先しがちになったりするものなのです。というわけで、仕方なく、少しでもまともそうな人を選んでみた、ってところです。あと、本当に民主党を含む野党全部がどうしようもなく情けなさすぎるので……少しでもまともそうな人が民主党内で地位を築き、偉くなって、内部から組織を変えてもらいたいという願いもあったりします。今は大丈夫かもしれませんが、自民党がまた内部崩壊してダメになるリスクなんていくらでもあります。その時、自民党を代替できる政治勢力がないというのは本当に危険です。こんな「自民党が落ちたら終わり」な綱渡り状態の国政運営は、すぐにでも脱却しておかないと本当にヤバイ状態なわけで……「頼むから野党を何とかして」と言いたかったというのもあるのです。ホント、何とかならないですかね。

 こんなところかな。で、今回の衆院選の選挙総括については、後日改めて書くことにします。

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2014年12月 1日 (月)

Bleumer的政治観 ~2014年12月1日版

 11月21日に衆議院が解散され(7条解散)、2年ぶりの総選挙がまたも12月に実施されることとなりました。明日12月2日に公示される予定になっています。
 というわけで、今回も私Bleumerの政治に関する個人的見解を予め選挙公示日前に書いておこうと思……ったのですが、「書こう」という気がまるで起こらないほどに「争点」というものが見えてきません。「大義がない!」とか言われていますけど、たしかに今回ばかりは私たち国民には何も問われていない選挙という感が拭えないですな。書かずにおくかどうするか迷ったのですが、まぁ、一応、2014年末時点での「政治観」的なものを書き残しておくことにします。
(※あくまで選挙公示前時点での無党派野郎の個人的見解ですので、あしからず)

 基本的な政治情勢に関しては、昨年夏の参院選時点とあまり変わっていませんので、その折に書いた記事も参考にして下さい。今回の総選挙も、一応、第一義は「第2次安倍内閣を信任するか否か」ということになるでしょう。
 で、発足してからの第2次安倍内閣(および、与党たる自民党)はというと、昨年の参院選後も基本的には“安全運転”のまま実務処理に徹していたように思えます。今年度から消費税率の8%への引き上げを実施しましたが、これは民主党政権下での「3党(民主党・自民党・公明党)合意」を忠実に実行したにすぎませんし、10%への再引き上げについては延期することを発表しました。TPPも交渉を安易に妥協することなく(=アメリカの言いなりになることなく)越年となりましたし、原発再稼働も川内原子力発電所の再稼働に向けての手続が進んでいますけれども、どう見てもどう考えても遅すぎる手続進行を早めるつもりはないようで、こちらも越年のようです。いずれも、反対派の意見も留意しつつの判断をしているみたいですな。また、表現内容規制については単純所持禁止を盛り込んだ児童ポルノ禁止法改正案が可決成立してしまいましたが、こちらも「児童ポルノ」の定義を厳格化する野党案をのむなど柔軟な対応を取りましたし、いわゆるリベンジポルノの規制法案なども成立させましたけど、こちらも規制厳罰弾圧ありきの無茶な法律にはしませんでした。「青少年健全育成基本法」とかいうアヤシゲな法律制定もまだですし、この点でも“安全運転”と言えるかな。したがって、このあたりの政治課題については政権与党を批判しづらく、争点たり得ない感があります。
 「強行突破した」と言えそうなのは、昨年末に特定秘密保護法を制定したことと、今年7月に集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしたことでしょうか。この点、共産党や社民党は当然のごとく非難し、民主党も「民意を無視」したと非難していたりしますが……どうですかね。特定のイデオロギーに偏った人たちはともかく、普通の国民がさほど問題視しているとは私には思えません。もちろん、国民がこの2点につき両手を挙げて賛成しているとも思えませんし、批判はかなりあるだろうと思っています。かくいう私自身、特定秘密保護法の運用には懸念をもっていますし、集団的自衛権は解釈改憲でなく憲法改正をもってきちんと行使できるようにすべきであって、安全保障という極めて重大な問題について曖昧な決着をなすことには反対だったりします。しかし、だからといって政府に対する文句だけで安全保障面で何の対処もしようとしない(どころか、実態はひたすら中国韓国に媚びるだけな)野党を支持しようなんて全く思えません。これらの点につき安倍政権のやり方を批判したい気持ちがあったとしても、他の選択肢は「もっと酷い」どころか「酷すぎて話にすらならない」のでは……ただの一有権者にはどうしようもないです。
 また、安倍政権の失点は、今年9月の内閣改造で新閣僚に相次いで問題が生じたことですかね。改造前は本当に「失点なし」な感じだったのですが、「女性の積極登用」を打ち出して内閣改造した途端、その“目玉”なはずの女性閣僚2名が辞任してしまった(させざるを得なかった)というのは……痛かったですな。組閣は内閣総理大臣の専権である以上、大臣の不祥事については首相に任命責任があるわけですけど……この件も、大臣としての資質の問題というよりは公職選挙法違反で国会議員としてどうなのかという色合いの方が強いことだったし、臨時国会での野党側(特に民主党)の追及っぷりも“揚げ足取り”の域を出ず……世間の空気も、責任問題に盛り上がるというより呆れてたと言った方が正確なように私には思えます。その上、よくわからない衆院解散→年末の総選挙、で普通の人は更にしらけてしまったのではないですかね?「無風選挙」とかメディアが言い始めてますが、私は今回の総選挙の投票率、ものすごく下がるだろうと思います。私だって「投票行きたい」と全く思いませんし、各党のマニフェスト読んだらさらに行きたくなくなりました。「なんでこんなくだらない紙切れ作るしか能のない連中のために、投票所にわざわざ足を運ばなければならないのか」と思うとね、ホントやってられませんよ。バカバカしくて。
 あと、最後になりましたが、争点がないと言われる今回の選挙でも関心がそれなりに高くなりそうな、安倍政権の経済政策(いわゆる“アベノミクス”)と消費税率引き上げ延期についての評価、ですかね。まず、“アベノミクス”については、個人的にはまだ成功でも失敗でもないと考えます。「景気が良くなったなぁ」なんて実感はまるでないので、成功だなんてとても言えません。が、行き過ぎとも言えるほどに円安(※今日、1ドル119円台まで一時的に進んだ)になっていて企業業績は(大企業だけとはいえ)やたら好調なのも事実であり、この点に鑑みれば失敗とも言えません。野党は「期待はずれ」とか「生活破壊」とか言って攻撃していますけど、「だったら、“アベノミクス”やめて、どうするの?」という疑問に対する具体策を彼らは提示しません(まぁ、民主党は、仮に具体的かつ有効な政策を提示したとしても誰にも信じてもらえないでしょうけど。ただ、策を主権者たる国民に向けて提示することこそが政党として非常に重要。なのに、彼らはそれをしない。他の野党も同じ)。ここでも、安倍政権に批判があっても私たちには批判する方法手段がありません。次に、消費税率引き上げについては、個人的には予定通り10%に上げてしまうべきだったと考えています。もちろん反発は強いでしょうし、景気が本当に“腰折れ”してしまう可能性もあるわけですけど……だったら、そもそも消費税率を上げるべきではないのであって、中途半端に8%にしといて「10%にするのだけ18ヶ月延期」は姑息な先送りでしかありません。しかも、延期後はその時点の経済情勢に関係なく必ず上げるのでしょう?消費税率を上げるのには反対なのに、そんな「ほぼ確実な消費税率10%へ引き上げ」に今回の選挙で“お墨付き”を与えてしまって良いのですかね?「10%現時点では反対派」の言ってることはスジが通らず、正直私にはよくわかりませんわ(増税絶対反対派は、増税もせず財源もないのに「とにかく福祉を今より厚くします!」と必ず主張している時点でウソつき。論外)。それと、現状の8%という中途半端な税率が私は気に入らないのです。税込価格で表示されないと実際の支払額が直感的にわからず、それ故に、税込表示だと元々いくらで売られているのかがわかりにくい/税別表示だと実際の支払額に面食らう、で、どっちだろうと購入物の価値判断が困難になりました。この点「なんか、店に値段をごまかされている」感が強くて……10%だったら、計算はしやすくなるので判断はしやすくなります(もちろん、総支払額は今より上がるので痛いけど)。消費税はどんな人でも一律に負担する点で公平だし(生活保護受給者からとかでも問答無用で徴収できたりする)、社会保障財源としてきちんと使ってくれるのであれば、私は予定通り来年実施すべきだったと思っていますよ、今でもね。しかし、こんな私の思いは、野党だけでなく与党側からも否定されつつありまして……国益よりも創価学会信者救済策優先な公明党だけでなく、自民党までもが「軽減税率」を今回の公約に掲げていたりするんですよね。軽減税率が実際に導入されたら、「一律負担」が崩れます。そもそも軽減税率を適用する品目適用しない品目の区別がきっちりできるのか疑問なのと、昨今の「クレーマーの方が偉い」的な風潮からすると「消費税払わないで済ます輩が出てきたりしない?」という疑念もあったりします。現状でも貧困層向けに臨時福祉給付金なるものが支給されてたりしますけど、増税するなら増税するできちんと国家の収入にしてもらいたいのになぜかそうはなってなかったりします。このへんについては、私自身政権与党を厳しく批判したかったりするのですが……ごまかすだけな与党に対して、野党はまともに指摘することなく事実上ダンマリです。彼らにとっては、私らのようなマジメに税金を払う層などどうでもよくて、税金を払わなくて済む層とかクレーマーのような反社会的な人たちの方が大事なんですかね?ここでも、選択肢はありませんわ。

 突然の解散総選挙ということもあってか、支持基盤の弱い生活の党は一部の議員が離脱、みんなの党に至っては解党してしまい完全に空中分解しました。そして“選挙互助会”民主党に鞍替えという、「選挙のためなら魂をも売る」恥も外聞もない行動に出る前職議員も出ています。2年前の総選挙で猛威を振るった日本維新の会は、大阪維新の会と元みんなの党の一部がくっついた維新の党/旧太陽の党メンバー中心の次世代の党の2党に分裂してたりしますし、他にも前はどっかの党にいたはずなのに前回落選したからって今回は対立していた別の野党から出馬する候補なんてのもごろごろいて、野党側は何が何だかわけわからんことになってます。もはや「野合」すら過去の話となりました。政策どころか基本理念とか倫理とかそんなものさえも捨てたような人間が“候補者サマ”として私たち有権者に「選べ」と主張するのが国政選挙、そんな感覚すら覚えます。本当にいいのですかね、こんなことで?
 安倍政権を信任するか否かを判断する選挙ですが、判断材料が非常に乏しく、それなりにやってはいるものの「現政権現与党に任せておけば大丈夫」とも言い切れません。が、政権与党を批判する投票行動をしたくても今回は信じられそうな投票先が本当にありません。白票や棄権など責任放棄でしかありませんし、政治圧力団体を利するだけ。選択肢がない中で私たち有権者は一体どうすればいいのでしょうな?しっかりとした国家観や政治観や問題意識をもち、偏った思想に陥ることなくきちんと政治を語ることができる人間が候補者になってくれてさえいれば、私たち有権者は安心して1票を投ずることができるのですが……選挙の度に候補者の質が劣化し、その劣化具合もどんどん加速していってる気がしますけど、どうにもならないのでしょうか。少しでも、ほんのちょっとでもマシそうな候補者を見つけて、その候補者に託す……それしかないのですかね。

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2014年2月11日 (火)

東京都知事選2014

 猪瀬直樹前知事が資金疑惑で昨年末に突然辞職したことに伴う東京都知事選が一昨日行われ、結果、舛添要一氏が当選しました。

舛添要一      2112979
宇都宮健児    982594 (※判別不能の表記による小数票があるが、ここでは切り捨て)
細川護熙       956063
田母神俊雄    610865
※候補者は全部で16名いたが、主要4候補の結果のみ記載

 前日に東京は記録的な大雪に見舞われたことも影響したか投票率が伸びず、最終的には46.14%と低い数字に留まってしまいましたが、舛添候補は210万票以上を集めての圧勝だったわけで(開票速報開始と同時に当確が出る“瞬殺”っぷり)。他陣営の支持者の中にはまだ「負けてない」だの言ってるのがいるようですけど、ダブルスコアの大差をつけられているようでは話になりません。衆院選と同時投票だった前回都知事選で433万票も集めた猪瀬候補は別格として、投票率57.80%だった前々回の都知事選で勝利した石原慎太郎元都知事でも261万票でしたし、今回だけヘンに少ない票で当選したってことでもありません。また、「“脱原発候補”を一本化していれば勝てた」などと負け惜しみを言い続けているのもいるようですが、その“脱原発候補”である宇都宮候補と細川候補の票を足したところでなお舛添候補の票数には実際及んでいませんし、本当に一本化したらしたで離反する票が相当数あったはず(仮に細川一本化が実現していたら、共産支持層は離反したでしょう)。勝負事で「たられば」を言い出したらキリがない以上、負けた陣営は「都民に受け入れられなかった」という事実を素直に受け止めてもらいたいものです。

 とまぁ、客観的視点から今回の選挙戦を俯瞰すると、上記のような総括になるかと思いますが……今回の選挙に関しては言っておきたいことがあるので、ここからは私Bleumerの主観で書かせていただきますよ。
 私は東京都民ではないので当事者ではなくあくまで“外野”の意見にしかなりませんけど……今回の選挙、大雪が降っても降らなくても低投票率に留まったのではないかと私は思います。理由は、内容が酷すぎたから。こんな欺瞞ばかりまかり通るくだらない選挙やってたらね、普通の人は呆れて投票所にわざわざ出向こうと思いませんって。だいたい、主要4候補がですな、与党自民党と創価学会と連合(労働組合)の“組織票”代表/共産・社民の“左翼”代表/元首相という名の“恥知らず”/元自衛官の“右翼”代表、というメンツってだけでも不愉快なのに、マスコミはそんなメンツの中でも知名度からか“恥知らず”をやたら大きく取り上げる一方で「“組織票”代表が勝ちそうです」と報じたわけで……「(主張的に)中間どころが勝つ予想なら、自分が投票しなくても結果は同じだな。他に票をわざわざ入れたいと思う人もいないし」となりますよ。というか、“右翼”代表なはずの田母神候補が自身の“右翼”的主張を封印し、現実路線に徹して政策本位の選挙戦をした(※選挙中だけ体裁を整えただけかもしれないけど)ことでネット世代の若年層の票を掘り起こしていなかったら、もっと悲惨な投票率になっていたと私は思いますね。とにかく、今回の選挙戦は端から見ていると酷かった。
 何がそこまで酷かったのか?
 細かいところを指摘すれば他にもたくさんありますけど、何より細川護煕という候補者そのものが酷すぎたのですよ。この無責任の極みとも言うべき老人の態度が、私には許せませんでしたね。私が今まで見てきた参加してきた選挙で、ここまで酷い候補者は見たことがありません(※どこのどんな選挙にも湧いて出る泡沫候補者は除く。いちいちチェックしきれないので)。2009年衆院選の鳩山由紀夫とか2012年衆院選の菅直人とか、今考えてみても最低最悪な候補者がいましたけれども、今回の細川護煕こそ「真の過去最低な候補者」に認定しますわ。ええ、2013年参院選の、あの山本太郎さえも上回る酷さだと思いましたよ。
 以下、長文になりますが、具体的な理由を洗いざらい書いておきます。
×そもそも今回の都知事選に出馬する資格なし
 今回の都知事選は、猪瀬直樹前知事が医療法人「徳洲会」グループから5千万円を受け取っていたという事実が判明し、「借り入れた」と答弁し5千万円全額を返済もしたものの「そのカネを何に使ったのか」という疑惑に答えきれなくなって辞職に至ったために行われた“出直し”選挙です。
 にもかかわらず、ちょうど20年前、佐川急便から受け取った1億円を「借り入れた」と答弁し「返済した」と釈明したものの返済の事実を証明できず、疑惑に答えきれなくなって日本国内閣総理大臣の重責を放り出し逃げ出した男が、細川護煕。今なお1億円の返済の事実を証明できずにいるというのに、小泉純一郎に担がれたから「都知事選に出馬する」と軽々しくも言ってのけ、疑惑の説明はやはりしない(嫁さんが説明したとかなんとか言ってたみたいだけど、本人は結局しなかった)。これって「猪瀬前知事と同じことをやった上に、貰った額は倍で返済もしない分、細川の方がずっとカネに汚い」ってことではありませんか?私なら恥ずかしくて選挙どころか表にも出られませんがね。こんな人間は、「恥知らず」以外の何者でもないでしょうよ。
×都政とは関係のない「原発ゼロ!」の実現を都知事選で主張する
 今回はあくまで東京都の知事を決める選挙です。国政選挙ではありません。また、「原子力発電事業をこれからどうするのか」というエネルギー政策については日本国政府が決める、「国の専権」事項です。この選挙によって選ばれる東京都知事には国のエネルギー政策決定に関わる権限はありません。「国の専権」だからです。また、東京都内に原子力発電所があるとすればその発電所の原子炉を稼働するか否かの手続に知事として関わることになるため「関与はできる」ことになるのでしょうが、東京都内に原子力発電所はありません。つまり、原子力に関して都知事は完全に“部外者”です。
 にもかかわらず、「エネルギー(を含む)中長期計画をしっかりと定め、エネルギッシュな都市をめざします」と公約しました。中長期計画なるものを勝手に作ることはできるとしても、それが国のエネルギー政策に関して何の意味を持ちますか?何の拘束力を持ちますか?「東京都がこんなこと言ってますけど」「(国)知らんがな」、これで終わりです。「選挙で示された“民意”なのにそれはおかしい!」ですか?民意だろうが何だろうが、国法上何の権限もない地方自治体の勝手な言い分が国政に拘束力を持つ方が余程おかしいことですよ。少なくとも、法治国家である日本においてそのような法制度はない以上あり得ないことです(北朝鮮みたいな人治国家とか“お殿様”がいたかつての幕藩体制下ではどうなのかよく知りませんが、おそらくそれらの体制の方が地方から国に意見することなど不可能なはず。つまり、どこであろうが「おかしい」と言う方が通用しない)。仮に法制度を超えて拘束力を持たせるとしたなら、憲法の統治機構の考え方にも反しますから、それはすなわち「現行憲法の破壊」です。「原発ゼロ」とか言ってる人は“左”の人が多く普段は「憲法を死守!」とか言っているはずですが、都合が悪ければ破壊するのですか?そんな勝手は許されませんよ。
 現在の統治機構下では実現不可能な公約を、さも実現可能なように言ってのける。2009年衆院選の鳩山由紀夫と同じですけど、彼が主張したのは国政選挙においてでしたから「完全に実現不可能」なことは言っていなかったのです。選挙後に内閣総理大臣となった鳩山由紀夫には首相として必須の知識も政治手腕もなかったから結果実現できなかっただけだ、とも言えます。しかし、今回の細川護煕は東京都では完全に実現不可能なことを「やる」と公約しました。しかも、事実上それだけを主張し、“ワンイシュー”で選挙戦を戦いました。自らは、かつて首相として原子力政策を推進したというのに、です。どの口でこんなことを言えるのでしょうね?こういうのを「ペテン師」というのですよ。
×「原発ゼロ!」の実現方法はと言えば、いつもの「再生可能エネルギー」詐欺
 都知事にエネルギー政策に関与する権限はなく都知事選の争点にはならないとしても、「原子力発電事業をこれからどうするのか」という問題は日本の緊喫の政治課題の1つであることは事実です。表現の自由とそれに伴う政治活動の自由が憲法上保障されている(21条)以上は、選挙戦で何を主張しようと自由ではあります。というわけで、主張すること自体は許すにしても、細川陣営のエネルギー政策につきその中身を見てみると、「原発ゼロ」で不足する電力への対策は「再生可能エネルギー」だそうで……「世界の先進各国のエネルギー政策は、原子力から再生可能エネルギー・分散型エネルギーへと転換しています。」だそうですわ。またこれですか?本当に“バカの一つ覚え”で、どっかの詐欺師が影で言ってるウソを真に受け、自分では何も考えず吹き込まれたことをコピーしてしゃべってますな。細川自身が「ヨーロッパでは再生可能エネルギーが!」と言ってるのをTVで見ましたけど、ヘドが出ますわ。先進国といわれる国で再生可能エネルギーへの転換を図っているのはせいぜいドイツだけで、そのドイツは今も原子力発電所を稼働させつつ長い時間をかけて脱原発の準備をしていることも隠し(※最近では脱原発の実現が危ぶまれている)、そのドイツを含めたヨーロッパの電力を担保しているのはフランスの原子力であることも隠し、スペインが再生可能エネルギー詐欺に引っかかって電気料金が跳ね上がったことで工場が逃げてしまい税収が激減して国家財政が破綻寸前(※地方財政は既に破綻)なのも隠し、ヨーロッパのような風力発電に適した風が日本にはないことも隠し、太陽光発電も太陽熱発電も風力発電も地熱発電もそれぞれ発電方法として決定的な欠点がある(※日本が今頼っている火力も水力にも欠点はある)ことを隠して「原子力発電だけが悪」と決めつけ騒ぎ立てる。もう、何度目ですかね、これ?大飯再稼働騒動の時の大阪維新の会・橋下徹とか2012年衆院選の日本未来の党・嘉田由紀子とか、デカい声でヒステリックにがなりたてておきながらどいつもこいつも矛盾点を指摘されると捏造したり黙り込んだりで、信頼を失って選挙にも敗れたというのに、まだ負けを認められませんか?で、今回の選挙戦では細川護煕の“盟友”として共同戦線を張った小泉純一郎元首相は「原子力の代替エネルギーはどうするのですか?」と訊かれた際に「代替案など不要」と返したそうですな。ついに逆ギレですよ。これでは、自分のウソを説明できなくなった詐欺師そのものではありませんか。こんな人らが日本の元首相とはね……情けない限りです。
 私は、日本のエネルギー政策に関しては「事故対応型の新しい原子炉を作り原子力のエネルギー比率を現状維持すべき」と考えていますが、代替となり得る高出力で安定した新エネルギー(たとえば核融合など)があるのならば何が何でも今の原子力にしがみつく必要はないとも考えています。世論調査で「脱原発派が国民の多数」とか言われたりしていますけど、その「多数派の脱原発」というのは「代替があるのならば原発をやめてほしい」という現実的な条件付き賛成という考え方の人たちだと私は思います。「十分な代替エネルギーが間違いなく確保できる」という確証があるならば、この人たちが賛成に回り、脱原発を支持する人が一気に膨れあがるのは間違いないですから、マスコミも「代替案があるのか?」を問うのです。しかし、今まで脱原発論を主張してきた者たちは感情論に訴えかけるだけのウソを無責任に繰り返してきました。その結果、「現状では原子力に代わる安定したエネルギー源は存在していないのだろうな」と、多くの人たちが気づいてしまっています。そのことに対して過激な反原発を叫ぶ一部の連中(※反核団体)が焦り、原発事故当初に民衆を扇動すべく流したデマの上からさらにウソを何度も塗り重ね、重ねすぎて、彼らが叫ぶ「原発は許さない!」という主張自体もはや理不尽極まりなく常識では理解不能な領域に入ってしまっているということも気づき始めています。
 もうバレているんですよ、「世に言う反原発は、ウソつきの集団でしかない」とね。だから、一時期盛り上がった官邸前デモなども、愛想を尽かされてしまいましたし。そして、結果として脱原発の主張さえも「あれって、ウソだよな」となってしまいつつあるのです。
 原子力発電の危険性は、福島の事故で日本国民の誰もが痛感したことでしょう。だから、脱原発という考え方自体は原子力発電を使う国家の政策上の選択肢として原発推進/原発維持とともに常にあるべきものと私は考えています。ただし、そこでいう脱原発とは空虚な絵空事ではなく、現実的な選択肢でなければならなかったのです。なのに、反核団体のウソとデマにより脱原発の理念は歪められ続け、ついには脱原発という選択肢自体が普通の人から否定されかねないところまできてしまっています。今回の細川護煕のウソだらけで無責任な選挙戦は、そんな空気を助長促進してしまったのではないかと私は思いますね。脱原発の実現について真剣に考えている人たちこそ、今回の細川護煕のいいかげんな態度に怒るべきではないでしょうか。脱原発を、薄っぺらな知識と発言で「やっぱり絵空事か」と貶めてしまった、ふざけた態度をね。細川の罪は重いと思いますよ。
 あと、細川の公約には「東京エネルギー戦略会議(仮称)の創設」というのがあったりしたのですが……大阪にね、「大阪府市エネルギー戦略会議」というそっくりな名前の組織が昨年秋まであったことを知っていますか?税金で動いていたその会議が何をしていたのか、結果として何をしたのか、ご存じですか?普通知らないですよ、政治上何の意味もない提言(紙切れ)をまとめただけで国政にも大阪にさえも何の影響もなく消えましたから。なのに、細川陣営はなぜかその会議を東京で復活させようとしていたのです。創設されれば税金も投入されるものの、会議のメンバーが税金でヌクヌクする以外は何の効果も得られずムダとしか思えないのですが、なぜ創設しようとしたのですかね?それに、株主として東京電力に口を出すというのも公約にしていますが、これも大阪で関西電力相手にやってるんですよね(関西電力の経営陣にさんざん怒鳴り散らしたりしたけど、効果はなかった)。このへんに、細川の裏で暗躍していたであろう連中の影が見え隠れしているように私には思えましたわ。
×「省エネルギー都市をめざす」のに、自身が「返上する」と言ったオリンピック開催は諦めない
 細川の公約には「世界からの遅れを取り戻し、世界一の省エネルギー都市をめざします」とあるのですが……いつから世界は省エネルギー化に走り、東京は出遅れたのでしょう?それどころか、東京は現時点ですでに世界有数の省エネを実現している都市だと思うのですが(※省エネルギー技術の分野ならば日本は世界最高です)、何を取り戻すというのでしょう?やたら「世界が」「世界が」と言って日本人の劣等感を煽るやり口は昔からありますけど、これも結局ウソの煽り文ですね。
 とはいえ、省エネルギー化それ自体はこれからの世界において大切なことなのは間違いありません。東京の省エネルギー化を図るという政策を公約として提言すること自体は良いと思えます。しかし、であるならば、電力を大量に必要とする2020年開催のオリンピックのための準備を進めるというのは矛盾しているのではないですか?ただでさえ東京は日本最大の電力消費地として毎日毎日莫大な電力を使っているのです。その上に、わざわざオリンピック開催準備のために電力を大量消費するのは許すのですか?おかしいじゃないですか。まともな代替案もなく原子力発電はゼロにしておきながら、そのくせ電力は2020年までの間今よりも大量に使わせてもらう、なのに「省エネルギー都市をめざす」?
 そこで考えられる現実的な省エネ策となると……オリンピック開催を返上する、もしくは、開催準備に使う分+αを都民が日々使っている分から強制的に徴収する(停電させる)ってところですかね。東京には去年の参院選で反原発の山本太郎に投票した人が66万人もおられたことだし、さらに細川護煕を都知事にしたのならば停電だろうがなんだろうが喜んで協力してくれるはずなので電力の強制徴収をぜひやるべきだとも思うのですが(当然、電力安定供給が損なわれるリスクは承知の上でしょうし、省エネ実現のためなら票を投じた人は停電くらい黙って受け入れますよね?ね?)、実際にやったらそれこそ暴動にもなりかねないし(細川や宇都宮候補に票を投じた人だけではないだろうから……というのは表向き。実際は細川や宇都宮候補に票を投じた人間が「うちの電気が使えないなんておかしい!」と騒ぎ出すはず)、より現実的な選択肢はオリンピック開催権返上ですかね。つまり、細川は、選挙前は自身の無責任な脱原発論から導き出される正しい結論を言っていたのです。ならば、その結論を曲げることなく、その通りに選挙でも主張すれば良かったのです。「私が都知事になったら、東京オリンピック開催権は返上する」、とね。
 にもかかわらず、細川は自分の考えだったはずの開催返上論は「なかったこと」にし(当然、方針転換した理由について説明も釈明もなし)、「東京と東北各都市とが、文化、環境施策やイベントに共同で取組み、」などというキレイゴトな公約にしてごまかしました。オリンピックは会場を絞り込んで低予算化を図るのがトレンドであり絞りに絞った計画がIOCに承認されたから東京開催が決まったと思うのですが、今から計画変更して東北各都市と共同で何かできるのでしょうか?何より「開催準備する以上、電気は使えるだけ使うよ」と言ったも同然なのですがね。これらの矛盾点に対する指摘は、ついぞ聞かれませんでしたな。もちろん「開催準備で使う分の代わりに都民には停電を覚悟してもらいます」だなんて一言も言わなかったし、何の対策もなくキレイな政策を言ってみただけという……
 つまり、「省エネルギー都市をめざす」というのも、実現不可能なウソということです。
△取って付けたような都市計画と福祉政策
 公約には「自然の力を生かした防災都市づくり」「インフラ・公共施設の整備を維持更新中心に考えます」「若者、女性、高齢者、障がい者、子どもたちが生き生きと暮らすまちづくり」などとキレイな抽象論も並んでおり、その具体策はと言えば「?」だったりしますが……このへんは、他の主要候補の公約も五十歩百歩だったりするので批判はしません。
 ただし、TVで見ていた限りでは、細川本人がこれらの政策につききちんと問題点を把握し、実現のための具体策を考えていたとはとても思えませんでしたが。
×細川本人に気概が全く感じられず、すべて「他人事」
 細川陣営は都知事選出馬を突然決めたのか何なのかよくわかりませんが、準備不足だったのは事実でしょう。しかし、他陣営は短い時間しかなかった中でもそれなりの準備をしていました。そもそも準備不足などと言うこと自体「政治家としての資質に問題があるのでは?」との疑問を抱かざるを得ませんし、それを理由に公示前の討論会から逃げ回ったというのは有権者に判断材料を提示せずある意味バカにする行為であって、選挙に出ておきながら自分をアピールしない無自覚無責任な態度だと私は思いましたが……私は有権者たる都民ではないので、この点については強くは批判しません。
 しかし、“ワンイシュー”で「原発ゼロ!」と主張し「エネルギー問題は都知事選の争点である!」と自ら強く主張しておきながら、日本のエネルギー政策についてきちんとした知識を持ち自分の考えがあったようには到底思えなかった点はね、私は許せませんよ。同じ脱原発・反原発側でも宇都宮候補は原発推進論を展開していた田母神候補とTV討論の場でも論戦をしたというのに、細川はそこでも一言も発することなく明らかに論戦を避けていました。正確には、「一言も発しなかった」のではなく「ボロが出るのを恐れて何も言うことができなかった」というのが正解ではないですかね?原子炉自体が爆発したチェルノブイリ原発事故と原子炉建屋が水素爆発で吹き飛んだだけの福島原発事故を同一視した上に福島県民が「(放射能で)これから死ぬんですよ」と言い切った宇都宮候補の無知と傲慢さにはほとほと呆れましたが、それでも反原発の立場から自分の主張をして見せただけマシでしたよ。原発原発とさんざん騒いでおきながら、いざ討論の場では何も言わない(言えない)細川は卑怯です。今回の細川は、この点で、反社会組織の支援を受け恥も外聞もなく反原発を叫びまくったけど、ウソだろうが何だろうが自分の主張を貫き通して選挙を戦い当選証書を受け取った2013参院選の山本太郎にも劣るのです。
 その一方で、デモクラTVというネット放送サイトのインタビュー動画においては、細川は「ロシアの国防軍が出した極秘資料」なるものを持ち出し、ありもしない放射能汚染を持論の論拠としてへらへら語っているんですよね。その話、聞けば「ありえないデマ」と即わかる内容(※そのデマによると、昨年12/31に福島第一原子力発電所地下で核爆発が起こったそうです。そもそも日本の一般人がロシアの軍の極秘資料を入手できること自体ありえない上に、そんなことが本当にあれば「ふくいちライブカメラ」に映っているはずだし、現場で復旧作業にあたっている作業員が大量死しているはずだし、全世界の放射線量の数値が一気に跳ね上がるのでプーチンとオバマがどうしようが隠し通せるわけがない。それにその爆発の結果、北極海のシロクマくんが大量死するのならば、その前に少なくとも東日本の小動物は全滅に近い状態になっているはずだし、シロクマが死ぬのなら同じような大きさの人間にだって甚大な影響が出ますよ?)で、実際はロシアどころかイランのネタサイトが流したウソ記事という話でしたが……細川は周囲の誰かさんから吹き込まれたこのホラ話を真に受け、また簡単に頼まれもしないのに自分から公に向けてしゃべってしまう迂闊な人間だとバレてしまったんですよね。それもよりによって選挙期間中に、です。ネット発なので当然ネットでは話題になりましたが、あまりにも低次元な行為だったからかメディアはこの話題を総スルーしました(選挙妨害になりかねないから?)。こんな簡単なウソネタすら見抜けないほど、放射線や放射能の知識もなく、また自分では何も考えることなく周囲の人間の言葉を鵜呑みにしている、そんな細川護煕の実態がこの一件で明らかになってしまいました。つまり、あの老人にとっては「他人事」なんですよ、“ワンイシュー”の原発の話ですら。2010年参院選とか2012年衆院選の菅直人もとにかく酷かったですけど、さすがにここまで無自覚無責任な言動はしていませんでしたがね。
 で、いざ有権者の審判が下されて選挙戦敗北が明らかになったら、自分が敗れたのは「原発問題を争点とさせない力が働いた」からだそうで……「民意」たる投票結果でさえも、ありもしない電力業界あたりの陰謀論をでっち上げて自らの責任を認めようとしない態度をこれまた自分から世間に示してしまいました。これも問題を自分のこととして受け止めない、「他人事」という人格態度の現われですわ。
 こんな「他人事」人間が実際に都知事になって、何か解決が難しい問題に直面したらどうなりますか?「僕の責任じゃないもん。世の中が悪いんだもん」と言って逃げ出すでしょうよ。首相の重責を自ら投げ出した20年前と同じようにね。

 まぁ、ね。こうも酷い過去最悪の候補者であるということは新聞雑誌などでも結構報じられTV画面を通しても明らかになっていたにもかかわらず、こんな細川護煕という候補者に956063票も与えてしまう一部の東京都民の存在こそがここまで酷い選挙戦になる「諸悪の根源」ではあるのですが、それは誰に票を投じようと自由な以上は言っても詮無きことです。詮無きこととわかってはいますけれども……東京都民の方々、憲法上法制上の妥当性判断とかはできずとも、候補者の主張の具体性とか人格の善し悪しとかをもう少し理性的に判断できませんかね?一体あの老人の何を「良い」と思い、どこを「都知事にふさわしい」と判断して、投票に至ったのですか?原発がとにかく嫌で「原発ゼロ!」と言いさえすれば誰でも良かったのでしょうか。「元首相なら大丈夫だろう」と肩書きに流されたのでしょうか。「小泉純一郎が推すというならそれに従う」とか「菅直人や小沢一郎が支持しているから」とかの他力本願的な理由でしょうか。それとも、76歳になった男が表舞台へ再び昇ろうとすることに社会からリタイアした人たちが「共感した」とかでしょうか……私には、自分の生活に直接影響を及ぼすかもしれない知事を選ぶ理由としては、どれも到底信じられませんよ。仮に私が都民で左翼系の主義者だったとしたも、投票するのは原発問題にしろ何にしろ自分の言葉で自分の政策を語ることができる宇都宮候補にしておくと思いますけど(※私は左翼系の主義者ではないので、「宇都宮候補の言い分が正しい」と言っているわけでは決してないので、あしからず)……上記の理由とは異なる、何か細川への特別な投票理由があるのですか?よくわかりませんが、何かしら特別な理由があるというならまだ納得がいくけど、何もないのにわざわざ細川護煕を選ぶというのは、1人の有権者として、いや、1人の大人として人間として、私にはどうしても信じられないですから。
 あと、細川がとにかく酷すぎてメディアの関心もそちらへ流れてしまったおかげで、他の3候補の選挙戦も争点がぼけてしまい、具体的な政策議論にはほとんどならなかったというのも東京都民には不幸でしたな。当選した舛添候補の公約は結構具体策がたくさん並んでいまして、候補本人の資質も含めてツッコミどころは多かったと思うのですよ。なのに、争点がぼけたおかげで舛添候補自身の口から語るのは大まかな抽象論でも十分となってしまい、舛添候補をとても楽に勝たせてしまったように思えました。ネットでは散々指摘されていた「外国人参政権を認めるのか否か」という問題についても結局スルーされてしまいましたよね。もっとも、どの候補の公約を見ても「外国人参政権を認める」なんて表記はされていませんし、たとえ首長に外国人参政権容認派が選ばれたとしても簡単に外国人が選挙で投票できることになったりはしない(首長が外国人参政権を認める人なら投票権が即認められてしまうのであれば、大阪は在日韓国人に選挙権が付与されて大変なことになっていますよ。なってないのには理由がある)でしょうけどね。せいぜい条例で住民投票の投票権が付与されるぐらいでしょうが、それだって都議会が簡単に承認するとは思えませんし、選挙後1年経てば都民は直接知事をリコールできます。人事権を使って外国人を権力を振るう要職に登用してくる可能性には注意しておく必要がありますが、騒がれていた選挙権については私は「問題は起こらない」と思いますけどね(※私は外国人参政権否定派ですので、あしからず)……この点は、右翼系が騒ぎすぎだったようにも感じましたわ。“左”のウソがとにかく酷すぎる今、“右”はウソやデマを流してはダメだと私は考えますよ。ウソにウソで対抗したならば、それは「同類」ということ。サヨクサヨクとバカにしておきながら、そんな連中と「同類」になりたいですか?“左”が感情論でひたすら暴走している今、“右”は理性的に対抗してもらいたいものです。

 指摘しておきたい点につき丁寧に書きとめているうちにやたら長文になってしまいましたが、最後に一言言わせてもらえれば「政治の劣化も、ついにここまで来てしまったのか」ってところですかね。
 近年、日本の政治が劣化しているのだとしたら、政治家が劣化したからということもたしかにあるでしょうけれども、そんな政治家を選んでしまう私たちが劣化していることの方がずっと大きいと私は思っています。後先のことを何も考えずに感情論に流され、声の大きい方や口先だけのキレイゴトに流され、有名人であれば盲目的に信用してしまったりする、そんなことで安易に選んだ人間が私たちの上に立ってしっかりした政治などできるはずがないという基本的なことを、私たちは今一度確認しなければならないのではないでしょうか?口先だけの言葉を信じて選んでみたらバリバリの素人運営で国益を大きく損なった民主党政権下での悲劇、それと同じことをいつまで繰り返すつもりです?もういいかげん、ウソに騙されないだけでなく、何がウソなのかをきちんと見抜いてウソつきは二度と相手にしない、私たちはそうなるべきではありませんか。ウソやデマで煽ってくる人間を安直に支持し、「そうだ!そうだ!」とギャーギャー騒ぐだけの“パブロフの犬”的な人間を構い続けていたら、いつまで経っても日本の政治が良くなることはありませんよ。
 民主主義体制の下で、政治がしっかりするために必要なのは有権者1人1人がしっかり政治を託す相手を見極め自分の頭で判断していくこと、それしかないのではないのでしょうかね。

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2013年7月28日 (日)

Bleumer的選挙総括 ~2013参院選

自由民主党   34→65
公明党      10→11
民主党      44→17
日本維新の会    2→ 8
みんなの党        3→ 8
生活の党           6→ 0
共産党              3→ 8
社民党              2→ 1
みどりの風         4→ 0

 第23回参議院議員通常選挙は、自民党が大幅に議席を増やして単独過半数とまではいかなかったものの、連立政権を組んでいる公明党と合わせて議席の過半数を超えたことから、いわゆる“ねじれ国会”が解消されることとなりました。他方、野党は第一党である民主党が改選前議席の半分も取れない惨敗を喫した上に、他党も少し議席を伸ばした党があるものの全体的には極めて低調で、「与党圧勝/野党完敗」の選挙でした。また、投票率も前回衆院選以上に低調で、52.61%に留まり「なんとか“50%割れ”だけは防げた」といった感じでしたな。

 今回の選挙は、報道各社が選挙前「自民党圧勝か?」/選挙中「自民党圧勝の予想」/選挙後「自民党圧勝」と見事に統一されていたくらいに、与党となった自民党が勝つシナリオしか存在しない選挙でその通りの結果となりました。さすがにここまで一方的な展開になってしまうと、自民党を支持する人の中にも「今回は自分が投票しなくても自民党勝つもんな」と思って棄権した人も出たでしょうし、アンチ自民な人の中にも「どうせ自民党が勝つんだろ。つまらん」と思って棄権した人も出たことでしょうね。また、「民主党はやはり許せない」と思って投票した人も多かったから民主党惨敗の結果なのでしょうけれども、労働組合などの“組織票”で第二勢力となる17議席を確保できたというのもまた事実でしょう。
 第2次安倍内閣は、今回の選挙に勝つべく第1次安倍内閣や鳩山政権&菅政権のような失態を繰り返さない堅実な政権運営に徹し、実際に遂行して見せましたから、今回の選挙は第2次安倍内閣信任が第一義だったことからすればこの結果も当然と言えば当然だったと私は考えます。「第2次安倍内閣に不満を持っている人は、こんなに少ないわけではない!」と言う人もいるでしょうが、野党は票を集められずに議席を減らしてしまったというのが現実で、また国政選挙であるにも関わらず投票しないような人の意見など聞く必要もなく無視されますからどうしようもありません。問題は、民主党を含めて今回の選挙は野党があまりにも酷くて安倍政権批判の票の受け皿たりえず、有権者の投票行動として示したくてもできなかった場合もあったのではということですかね。
 この点、そんな野党の中でも日本維新の会(以下、維新とする)/みんなの党/共産党の3党は今回議席を増やすことができました。とはいえ、前回2010年参院選や昨年末の衆院選と比べて比例代表で票数(※参院選での候補者名投票も含む)を伸ばしたのは共産党だけです。2010年参院選の投票率は57.92%/昨年末の衆院選の投票率は59.31%/今回の投票率は52.61%なので単純比較はできませんけど、参考までに数字を書いておくと(※2010/2012/今回の順で()内は得票率)、共産党が3,563.556票(6.1%)/3,689,159票(6.1%)/5,154,055票(9.6%)、みんなの党が7,943,649票(13.5%)/5,245,586票(8.7%)/4,755,160票(8.9%)、維新は2010年参院選時は存在していなかったので数字はありませんが2012衆院選で12,262,228票(20.3%)を獲得したのに今回6,355,299票(11.9%)とほぼ半減です。共産党は今回地方区でも東京/大阪/京都で議席を獲得するほどだったので勢いがそのまま比例にも出ている感じですが「国政を揺るがす」と言えるほどに多くの議席を取ったわけではないし、私も比例で票を投じたみんなの党は伸び悩んでいるし、維新に至っては票数半減ですからね。さらに、社民党は2010年参院選では224万票あったのに今回125万票まで減ってしまって2議席を守り切れず、生活の党/みどりの風は議席獲得すらできなかった。今回「惨敗」したのは民主党だけではなく、野党全部だと思いますわ。
 理由は簡単です。「野党は言っていることがどの党も同じようでいて実がなく、どこも信任されなかった」ということに尽きるのではないでしょうか。はっきり言って今回の選挙、「政策論争」なんて高尚なものはまったくありませんでした。自民党も正面から向き合わずに逃げていましたが、それ以上に野党はひたすら具体策から逃げ回っているようにしか見えませんでした。エネルギー政策にその傾向が一番出てたかな。自民党以外全て「原発ゼロ」でしたからね。その実現性とか実効性を説明すらしないできないのに、異口同音に「原発はゼロにする」と言ってみるだけ(当然、代替エネルギーも抽象論)。「日本の原発はゼロにしたい」、本気でそう思っている有権者がいたとしても、実現するためにはどこに票を投じたらいいのかこんなことで判断できるわけがない。他の政策提言に関しても、似たようなものでしたな。どの党に投票したところで、到底実現しそうにない。そのため、具体的な政策なんてそっちのけで、自民党が嫌いか否か?自民党のやっていることに少しは賛成するか何でも反対か?結局、野党に投票した人はこの二択だっただけではないでしょうか。自民が嫌いでやっていること何でも反対の人は今回「反対のための反対」の中ではマシに見える共産党に流れて他は壊滅した/自民が嫌いだけどやっていることに少しは賛成できる人は、政権運営に失敗した民主党が許せるか、舌禍まみれの維新を許容できるか、どちらも許せないなら仕方なくみんなの党、みたいな……これでは、棄権したくもなるってものでしょうよ。私も今回比例の投票先で悩みましたが<記事>、公約とか候補者個人の政治観とか政党&個々人のサイトを見てまわっても「野党は、全てダメだな」としか思えませんでしたからね。与党・自民党とて完璧ではないのだからつけいる隙ぐらいいくらでもあったのに、野党の言い分はとにかく空虚で何もない。こんな有り様で、国民に票を投じてもらえると思う方が間違ってますよ。議員歳費やら政党交付金やら、税金からたんまり貰ってるくせに……まったく、「恥を知れ」と声を大にして言いたいですね。

 それと、公職選挙法改正により、今回の選挙からネット選挙運動が解禁されました。「ネット選挙解禁で、若者の政治への関心を高めて投票率を上げよう」とか言っていたような記憶があるのですけど……若者の関心が高まったかどうかはよくわからないけど、残念ながら投票率は下がってしまいましたね。あと、怪文書やらデマやらがネット上でもっと飛び交うのかと思ってましたけど、案外少なかった印象ですね。ま、こんな産経の記事も出ましたけど、今回は初めてのことだったし争点も乏しく接戦でもなかったからネガティブキャンペーンする必要がなかっただけかもしれませんし、解禁前から2ちゃんねるやTwitterでは中傷合戦バシバシやってて今回も普通にやってましたしねw。そんな中、政党や候補者がネット上で表立って中傷合戦する理由もなかったのかもしれません。
 ただ、NHKクローズアップ現代の特集番組を見て思ったのは、ネット選挙は人員予算をかけられる与党に極めて有利であることと、いわゆる“ノリ”で投票してしまう有権者を増やしただけかもしれない、ということですわ。
 今回、与党・自民党は相当の人員を割いてネット対策を施していたようですね。対策本部を立ち上げて、毎日ネットの動向を監視しながら対策を立て、候補者全員に情報端末を配布して情報を共有し、演説など実際の選挙運動に活かしていると……まぁ、たまたま“ネット対応世代”の安倍晋三総裁/石破茂幹事長という体制だったことが功を奏しただけなのかもしれませんが、「“古い”と言われる自民党にしては抜かりないなぁ」と感心しましたよ。でも、アメリカ大統領選のように「アクティブにネットを活かした」という感じではなく、むしろ「争点の反対意見を収集し、対策して、政策論争を上手に逃れた」って感じも受けましたが……それでも「勝てる選挙」とわかっていながら、対策を講じやり通したというのは立派です。他党がどんな対策をしていたかは番組ではわかりませんでしたが、どうせ大したことはしていなかったでしょう(実際何も話題にならなかったし。それに野党候補者サイトの政策表明テキストが誤字の嵐だったのには本当に閉口した。誰だよ、ほんの数年前「漢字も読めない総理大臣」とか言ってさんざん罵ってたのは!?)。ネット上でも選挙戦は自民党の圧勝だった、ということですかね。
 そして、番組で取り上げていたのが緑の党の比例代表候補者で全落選者中トップの176,970票を集めた三宅洋平候補だったのですが(ちなみに、票数だけで言えば、当選者中だと26位に相当し、社民党唯一の当選者・又市征治候補や自民党の丸山和也候補より多く、あの渡邉美樹候補より7万票以上多かったりする)……たしかに著名人候補の弊害が叫ばれる中、無名候補がネット上での運動でこれだけの票を集めたのはたしかに凄いことで傾聴に値することだとは思いましたが、緑の党のサイトで政策を見るとまたまた「脱原発・再稼働反対」で他の自民党の政策にもことごとく反対しているだけ、他は抽象論もいいところで心地の良い言葉が並ぶだけで具体策皆無。かの社民党よりはるかに酷く、幸福実現党レベルで、いかにも政治経験のない人が書きそうな作文です。私からすると「選挙通ったら、議員になってどうするつもりなの?何をするの?というか、国会議員って何をする仕事なのか本当に知ってます?」と訊きたいくらい信じられないほどに低レベルな政党だったのですが……「フェスで共感した」とか何とかいう理由で票を投じてしまう人がいるのか、と思うとゾッとしました。“衆愚政治”とかって次元より、さらに低い。「17万票を集めたのに、落選するなんておかしい!」って人まで世の中にはいるようですが、人気投票の性格も強い非拘束名簿式比例代表制選挙なので「おかしい」と思わせる面もあるといえばあるかもしれませんけど、比例代表制はそもそも政党本位の制度である以上当然の結果です(緑の党は党としては24万票しか集めておらず、4倍近い94万票を集めた生活の党の議席もゼロです。得票数が絶対的に足りないのに例外を認め特定候補を当選させること、それを整合的に説明して皆を納得させられますか?制度に関して批判する際に、その趣旨も考えず短絡的に叫べばそれで済むと思うなよ)。だいたい、国会議員は被選挙権さえあれば誰でもなれるというのが建前ではあるものの、こんな高校生以下の認識の候補が議員になって国権の最高機関たる国会に6年も座って権力を振るわれたら結果的に私たち国民が困るのです。あなたは、高校生以下の知識しかない医者と称する人間に自分の身体の手術を任せられますか?複雑化している現代社会の法制度下にあっては同じことですよ。
 また、東京選挙区(定員5)では、あの山本太郎候補が4位・666,684票で通って参議院議員サマになってしまいましたよね。この件については選挙期間中に「中核派が選挙を支援している」というネガティブ情報が知れ渡り(※中核派が自ら公表したため)、むしろ“ネット選挙”が不利に働きそうなところを通ってしまったので「ネット選挙解禁ゆえに」の事例としては適切ではないのかもしれませんが……どうなのかな。先に書いた通り既成政党の“原発ゼロ”はまったく説得力がない中では彼の反原発論の方が「筋が通っている」ように見えてしまったとか、維新やみんなの党の候補者名を書く気が起こらず(悪い方で知っていたとしても)知名度で投じた、とかリアル選挙ゆえの事情も多分にありそうではあるけど……私には、「山本太郎当選」もネットの影響が大きかったような気がしますよ。秘密投票なので3位当選した共産党候補同様に無党派層が彼に票を投じた、程度しか実像はわからないのですがね。2ちゃんねるでは否定派が圧倒的多数ですけど、Twitterでは山本太郎支持派(それも“カルト信者”級)がかなりの数いますから。佐賀県庁に反原発グループと殴り込むような真似をして事情聴取されるなど彼の反社会的かつ秩序破壊的な行動も、支持派は「行動力が素晴らしい!」とか絶賛しているくらいだし、極左テロリストの中核派が何のかんのとバレたところで「それがどうした?」ってなるのでしょうな。そんな支持派のTwitterでの連帯っぷりを端から見ていると、大都会東京であれば66万票集めることもありうるのかなとは思いましたわ。自由が尊重される日本社会とはいえ、民主主義破壊を目的とする中核派が公然と応援する候補を国民自ら国会に送り出すなど許されないことですけどね。支持派は「これぞ民主主義だ!」とかまた偉そうに言うんですけど……「それを破壊しようとする者に手を貸すことが民主主義か?」と問いたいのですが。戦後すぐはともかく今は丸くなった共産党や一応国政も担った社民党などの候補が通るのとテロリストを容認することとは全然意味が違うのに、そこは敢えて黙して「ざまあみろ」って態度で山本太郎当選を喜んでいる連中(特に社会的には“識者”とされている人間)は無責任極まりなく見ていて実に腹立たしいです。日本も自由ゆえにワイマール憲法を破壊されたことに懲りたドイツに倣って「戦う民主主義」を導入することを考える時期にきてしまったのでしょうかね。そこまでこの国は堕落していないと信じたいのですが。
 ネット選挙運動を解禁して新しい有権者層を掘り起こそうとしたまでは良かったけど、解禁して出てきたのは政治の基礎知識もなく深く考えることもせず“ノリ”で投票するような軽い有権者層だけだった……そんな印象も残りました。「そんなのは一部の若者だけ」なのかもしれませんけど、私は実は老若男女問わない問題なのではないかと考えています。難しい時代なので投票先一つ決めるのも実際極めて困難な作業ですし、ある程度は仕方ないことなのかもしれませんが、おかしな国会議員を選んでしまったら困るのは私たち国民です。おかしな国会議員の政治活動によって引き起こされる損害は、余すところなく私たち国民1人1人にはね返ってくるからです。今までも衆参問わずおかしな議員を選んでしまったが故に、案の定その任期中に困ったことをやってくれて、後になって皆でその議員を非難(=袋叩き)することを私たちは繰り返してきました。いい加減、こんなことは繰り返さずに済むようになってこそ「民主主義」だと私は思うのですが……民主党政権を選挙で叩き出すことには成功しましたが、あんなに「酷い」「酷すぎる」と言っていた責任者の1人・菅直人を先の衆院選で再選してしまったり、民主党を「素人」と罵っておきながら「ド素人」な維新に大量に票が入ったり、ついには民主主義破壊を公然と語る勢力の人間を国会議員にしてしまったり、そんな投票行動を「これぞ正義!」と語る声が一部でどんどん大きくなっている現実を見ると以前より悪くなってしまっているとも評しえます。私たち日本国民には、自律する「民主主義」というものがきちんと根付くことはないのですかね。
 結局、日本国の主権者が私たち国民である以上、私たち1人1人がしっかりしないことには政治が良くなることはないのです。実際に政治を運営して決めていくのは国会議員であり、その中から選ばれた内閣のメンバーということになりますが、その国会議員を選んだのは私たち国民です。選挙での投票というのは主権者としての権利でもありますが、主権者としての責任も求められているのです。個々人がその責任を果たすためには、それぞれの人が政治は自分に直接関わることと自覚し自分で調べ自分で考え自分で決めて投票行動として示すほかないのですが……自分では調べず他人の主張を鵜呑みにしたり、自分では考えずに声のデカい人の後ろに隠れて「そうだそうだ」と騒ぐだけだったり、自分で決めることなく全部他人のせいにしてみたり、そもそも責任を放棄して棄権することを「当然の権利だ」と言い切ってみたり、特にここ10年ほどの間にそんな人が多くなってしまった気がします。せっかくネットで選挙期間中に情報がより多く発信されるようになっても自分で調べない人ばかりでは意味がないし、自分で考え自分で決めないのであればそんな有権者の態度につられて無責任な政治家ばかりが増えていくのも当然の話ですわ。それもあって、私は公示期間中にネットで政治について自由に語れるようになった今回も、他の人の自由な判断にあまり影響が出ないようになるべく発言を避け、Twitter上で「これはいくらなんでも、なぁ」ということに関する最低限の批判をする程度に留めておいたのですが……どうしたら「政治とは自分に直接関わることだ」と自覚してもらえるんですかね。どうやったら、投票もせずに後で文句だけはたらたら言うだけの無責任な態度が改まるのかな。まぁ、無理矢理にでも改めようとすると強制になってしまうし、選挙で負ける度に自分の意見が通らないからって「この愚民どもが!」って言ってる自己中なだけの連中(※ああいう人の主張って、過激すぎ&酷すぎ&理不尽だから誰も付いてこないだけなのだけど、必ず他人のせいにしますね。自分は常に絶対に正しいのでしょうな、そんなことありえないのに)と同類になってしまいそうなので、あまり強く言いたくはないのですがね。解決策としては、中学校あたりできちんと「民主主義とは何なのか?」を教育しておく他ないような気がするけど、生徒の方は反抗期で学ぼうとしないのが多いだろうし、教えるのが日教組のメンバーでは本当に中立的立場で教えられるか疑問も残る。高校だとその世代の全員を教育することができないし、大学だともっと減ってしまうし……はぁ。「水は低きに向かって流れるだけ、止めようがない」のかなぁ。

 何はともあれ、参議院議員選挙は終わり、このままいけば3年後にまた行われる参議院議員選挙のあたりまで国政選挙は行われない可能性が高くなりました。年内にも出されそうな議員定数に関する最高裁判所の判決内容次第では、近く衆議院の解散総選挙があるかもしれないのですが……それは何とも言えませんし。
 第2次安倍内閣+与党は、今のまま堅実に山積する政治課題を処理していくことに徹していただきたい。“アベノミクス”も道半ばで、本当に物価上昇(インフレターゲット)を実現するのであればこれからの進め方の方がよほど大変です。消費税増税を本当にするか否かの判断も簡単ではありません。たった3%の税率アップでその“アベノミクス”が完全に折れてしまう可能性もあるのですから。石破茂幹事長が続投するみたいだし、抜かりなくやってくれそうな気はするけど……児童ポルノ禁止法改正案を含む過度の表現内容規制は公約にもなってなかったし今回の選挙で争点化すらしていなかったのだから国民は何も判断しておらず信任も追認もしていませんからね。憲法改正の議論も進めたいのであれば、とにかく余計なことはしないで下さい。
 野党は、とにかく「完敗」したことを肝に銘じていただきたい。あなたたちは民主党に限らず全員が国民から愛想を尽かされている。だから、山本太郎のような民主主義を否定する=あなたたちの存在意義すら破壊する候補が議席を取ってしまったのです。維新のような関心を引くためだけのパフォーマンスも、もう飽きられていて通用しないとわかったはず。心の底から反省し、本来の議員活動にしっかり取り組んでいただきたい。議員活動というのは、立法府のメンバーとしてあくまでも国民のためより良き法律を一つでも多く作ることです。国民のためになる法案であれば与党と協力してその法案をより良くする一方、国民のためにならない悪法案は成立を許さず、政府の予算案条約案の矛盾はしっかり指摘し修正していく。それだけで良い。今のままでは自民党がコケたとき、本当に日本は倒れてしまう。選ばれて国会議員やってるのなら、せめて“バックアップ”となれるだけの人材であって下さいよ。本当にお願いしますよ。
 あとは、私たちですな。政治は他人事ではなく日本という民主主義国家の行く末は私たち自身にかかっている、だから自分でしっかり見て自分でしっかり考えて1つ1つ責任を持って自分で判断していかなければならないということを自覚していきましょう。

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2013年7月22日 (月)

Bleumer的投票行動 ~2013参院選

 第23回参議院議員通常選挙が、昨日投開票日でした。この選挙について私Bleumerがどういう投票をしたのか、ここに書いておきたいと思います。

 昨年末の衆院選で民主党中心の野田内閣から自公連立の第2次安倍内閣に政権が替わって初の国政選挙となった今回の参院選でしたが……大きな“争点”がなく、野党の存在感も希薄でメディアは選挙前も選挙中も「与党圧勝」を予想する、何とも盛り上がらない選挙戦となりました。
 私の公示前時点での政治観は先に記事を書いたとおりですが<こちら>、第2次安倍内閣については高く評価しており、「今回も投票先は自民党にしとくか」と簡単に考えてたりもしたのですが……公示後は、比例にどうしても落選させたい候補者が現われたことから、どう投票するか悩みに悩むこととなりました。考えてるうちにイヤになって棄権したくなったりもしましたが、投票しなかったら「組織票」の存在が大きくなって腐りきった政治圧力団体がさらに政治を牛耳ることになってしまうし、かといって政策面で自民党以外に選びうる政党はなく、今回は困り果てましたよ。でも、きちんと投票はしましたわ。期日前投票で。
○選挙区
 うちの選挙区は、自民党と民主党と共産党と幸福実現党の公認候補4人が立候補していました。
 選挙区の自民党候補者は、特に問題無さそうな人だったので、その候補者にすんなり投票しました。
 残りの候補者を消去したのは以下の理由。
 幸福実現党は「幸福の科学」そのものであり、私の信条として宗教政党を認めるつもりはないので、その候補者も消去。百歩譲って政策を見ても、“保守的”といえば聞こえはいいかもしれないけど、吹けば飛ぶようなあまりに軽い言葉の羅列。こんな低レベルで「国政やります」だなんて、冗談じゃない。こんな程度なら、そこらの進学校の高校生たちにでも任せた方がずっとマシかと。
 共産党は、以前から書いている通り“社会主義幻想”に取り憑かれた彼らの候補を国政に送り出すわけにはいきませんから消去。
 民主党は、3年半の政権運営の経験を活かすこともなく、結局「与党に反対するだけ」の野党に戻ってしまいました。自民党は(一応)よくやってはいますが、実際はおかしなところや修正すべき点は幾つもあるのですから、建設的な意見だっていくらでも出せたはず。なのにそれをしない政党に、「もう一度チャンスを」なんて言われたところで支持するなんて不可能。せめて、すべきをなしてから言って下さい。それに、この民主党の候補者は日本維新の会の候補者が辞退した途端、出馬要請を受け入れた人で……維新候補と民主候補(もちろん別人)で“入れ替わり”が成立するってことは、支持基盤に何らかの共通点があると考えられます。維新は「私たちには“しがらみ”がない」と公然と言っている以上、“しがらみ”そのものの民主党最大の支持母体たる労働組合とは違う支持基盤なのでしょう。それって、どこのどなた達ですかね?そんなことを考え合わせると、とてもとても票を投ずる気にはなりませんでしたわ。消去。
 消去法でいっても、まともなのは自民党候補だけ。他に選びうる選択肢さえもなく、その点では今回も残念な選挙でした。
○比例代表区
 自由民主党の比例代表名簿に「渡邉美樹」(前ワタミ株式会社取締役会長)の名前が載った、この1点で今回の投票先は散々悩むこととなりました。
 私は渡邉美樹という人間が大嫌いです。「最近ネットで騒いでいるから」とか「週刊文春がキャンペーンを張って叩いているから」という刹那的な理由ではありません。私は第1次安倍内閣で教育再生会議の委員を務めたあのあたりから既に「何だこの人は?」と疑念を抱いていました。その後、NHKの番組でこの人は部下に会議で「そこの窓から飛び降りろ」と命令する人だと知って、存在自体が許されない人と強く印象づけられました。部下を厳しく叱り飛ばすことはあっても良いけど、「窓から飛び降りろ」というのは“パワハラ”とか何とかを通り過ぎて自殺教唆や強要にもなりかねない行為です。それを平気ででき、自分からカメラにへらへらとしゃべる神経というのは、私には到底理解できません。「人を人とも思わぬ態度」ってやつを、私は許せないのですよ。ネットではワタミ株式会社があいまいな“ブラック企業”に指定されていることを逆手にとって「ワタミは“ブラック企業”などではない=渡邊さんも悪い人ではない!」みたいな擁護意見を書く人もいますが、ワタミという会社がどんな会社だろうと私には関係ありませんし、ワタミという会社の中で創業者として好き勝手するのは構わないのです(※もちろん良いことではないけど、部外者の私にはどうこうする権限はない)。しかし、そんな渡邉美樹という人間がワタミという部分社会から世間一般にしゃしゃり出てきて、日本の国政に関わるのは許せない。しかも国会議員になるなんて、冗談ではない。どうしてこんな人間に、歳費という名の税金と議員特権までくれてやらねばならないのか……ならば、主権者の1人として阻止するしかない。そのため、今回の選挙は「渡邉美樹という人間を、参議院議員にしてはならない」ということが最優先になってしまい、とにかく「渡邉美樹を落選させるには、私はどう投票したらいいのか」を考えました。
 この点、参院選での比例代表制というのは衆院選とは異なり「非拘束名簿式」という方式が採用されておりまして、投票用紙には政党名と候補者名どちらかを記入できますが、候補者名が書かれた票はその者が所属する政党の得票とし政党名が書かれた票と合算して、まずは政党ごとの当選者数(枠)が決められます。そして、その決まった当選枠を、候補者名での得票が多い者から順に獲得することになります。
 とすると、私が仮に「自由民主党(自民党)」と書くと、単純に自民党の当選枠を増やすだけのこととなり、ひいては渡邉美樹が当選する率を高めることとなるため「してはならない」ことになります。また、自民党の比例名簿の他の候補者の名前を書くと、自民党の当選枠を増やす+書いた候補の順位が上がって結果的には自民党内での渡邉美樹の順位を下げる、ということにもなるのですが……自民党の票と勘定されることから自民党の当選枠を増やすことには変わりなく、結局渡邉美樹が当選する率を高めていることに他なりません。そうなると、純粋に「渡邉美樹を落とす」という投票行動をとるためには、「自民党以外の党に票を投じるしかない」ということになります。
 で、「自民党以外の党に票を投じる」ことにしたのですが……ここからの選択が、実に大変でした。今回の選挙において、私が政策面で支持できる政党は自民党以外存在せず、それどころか多少妥協することで選択しうる政党すら1つもなかったからです。
 与党である公明党は、その実体は母体・創価学会そのものであり、宗教政党を認めないのが私の信条ですから、その時点で消去。
 民主党/共産党/幸福実現党は、選挙区のところで書いた通りです。消去。
 日本維新の会は、衆院選では“野合”と揶揄されましたが、今回は橋下徹共同代表が相次ぐ自らの舌禍によって自滅した上に石原慎太郎代表の過激発言が空回りし愛想を尽かされたことが重なって「トップ2人の個人人気依存」の党でしかないことが白日の下にさらされてしまいました。もともと政党としては民主党以上のド素人集団なので当然の話なのですが、橋下&石原両名のイメージ人気が失速したら彼らに残るものなど何もないのです。いや、本当はどす黒いものが残っているはずなのですけど(特に大阪維新の会)、黒すぎてメディアは一切報じませんものね。こんな連中に、誰が票など入れるものか。消去。
 社民党/生活の党/みどりの風……先の通常国会で、参議院に安倍首相に対する問責決議案を提出した3党ですな。彼らは自ら「反原発」を掲げる政党でありながら、自らの手で電気事業法改正を阻止した政党です。自分たちは電気を好き放題貪っておいて、責任だけは政府と東電に転嫁し、自らの責任は自ら放棄。こんな人間に、何ができますか?自分以外の他者をひたすら非難し続け自らは責任転嫁を繰り返すだけの人間が、歳費(税金)を得て国政に関与するなど何の冗談か。国政の場から一刻も早く消えてなくならねばならない存在に、誰が手をさしのべているのでしょうね?他のよくわからない政党を含めて国政を任せる投票などできるはずもない。論外。
 残る、みんなの党は……元自民党の議員もいて、政策的には“保守”寄りではあるのですが、いかんせん「霞ヶ関(官僚)叩き」が度を過ぎており、「原発ゼロ」とか現実から目を背けて空虚な言葉に走りがちなところがまったく評価できない政党です。しかし、野党第一党の民主党には票を投ずることができず、他の政党はすべて“拒絶”したい現状で、しかも白票なんて投じたところでただの無効票ですから棄権同様圧勝予想の自民党に手を貸すのも同じで、つまりは渡邉美樹の当選を後押しするようなものですし……「どこかに有効票を投ずるしかない以上、ここにするしかないのか」と考え、比例名簿掲載者を1人1人チェックしてみました。「禁原発」とか寝言ほざいてるのもいてイヤな気分にもなりましたが……結構真面目に実効的な政策を語っている候補者もいて、感心もしました。その人の専門分野について目標を決め実際の政治に反映させていく、みたいないわば“特化型”の代議士さんって私は好きでして、山口かずゆき候補とかがいいかな?とも思ったのですが……今回の私の票は、山本こうじ候補に投じました。理由は、基本政策として「表現規制に反対! 表現、言論は規制されるべきでなく、想像力の産物は拡大解釈の余地が大きい法で規制するべきと思いません。」と明記されていたから。東大文Ⅲからプロボウラーになったって経歴はどうなの?とか「脱原発」もやっぱり主張していますし、ツッコミどころも多そうな人ですけど、「表現規制反対」と明記している候補者って私が見た限りでは他にいなかったんですよ。みんなの党には同じ参議院に山田太郎議員もいますし、「この人が議員になれば、児童ポルノ禁止法改正案にも反対の立場から強力に活動してくれるのではないか」という期待も持ちました。まぁ、期待だけなんですけど……他の候補は公言していない以上期待すらできないので、そこ1点に賭けてみました。

 今回の参院選での私の投票行動は選挙区:与党候補/比例代表区:野党候補への投票となり、統一性を欠くものとなりました。今回の参院選の注目点の1つに「“ねじれ”解消が実現するか」ということもありましたが、私は「“ねじれ”維持」の投票行動をしたということにもなりますか……「特定候補を落とすこと」が最優先課題になってしまった結果ではあるのですが、それでも統一性を欠いているからといって「おかしい」とまでは言えないと思っています。たしかに第2次安倍内閣は今のところ優秀な現実処理型運営に徹していて好感を持っているのですが、だからといって「自民党が決めた法案は何でも通る」となったら自民党政権といえどもどのような法案を提出してくるかわからないし、実際に児童ポルノ禁止法改正案を簡単に提出してきたことからも、全面的には信用できないのです。今後もずっと現実処理型運営を続けてくれるとも限らないですし。そのため、衆参でねじれていることにより参議院が“歯止め”になることもそれなりに意味のあることではないかと考えました。そのあたりも含めて、一応、今回「投票行動として示せたかなぁ」、と。
 結果としては、自民党が圧勝して“ねじれ”は解消し、私が選挙区で投票した候補も勝利する一方、渡邉美樹も議席を得てしまい、山本こうじ候補は落選したので私の目論見は見事に「失敗」となりましたけど。ま、それはそれで仕方ないですね。国民の投票による結果ですから。

 こんなところかな。で、今回の参院選の選挙総括については、後日改めて書くことにします。

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2013年7月 3日 (水)

Bleumer的政治観 ~2013年7月3日版

 明日7月4日、参議院議員通常選挙が公示されます。
 今回は参議院でもともと衆議院に比べると注目度が低めな上に、明確な争点もないため、投票率はまた下がりそうな雰囲気ですが……それでも重要な国政選挙であることに変わりはありません。また、公職選挙法の改正により、今回の選挙から公示日後のネット上での選挙活動(いわゆる“ネット選挙”)が解禁となります。というわけで公示日後に書いても良かったのですが、政治問題を考えるには時間が必要ですし、今回も主に争点とされている点についての私Bleumerの個人的見解を予め公示日前に書いておこうと思います。投票先決定の判断材料の一助となれば、幸いです。
(※あくまで選挙公示前時点での無党派野郎の個人的見解ですので、あしからず)

 昨年末に発足し今年になってから本格始動した第2次安倍内閣の下では初の国政選挙ですので、今回の選挙は「第2次安倍内閣を信任するか否か」が第一義となります。が、まだ始動して半年ちょっとですし、第1次安倍内閣やそれ以降連続した短命政権への反省からか第2次安倍内閣は今回の参院選に向けて“安全運転”に徹していた感もあります。おかげで失点は極めて少なかった一方、舵取りにおける特色もほとんど出ませんでした。「政権の評価のしようがない」とも言えますな。他方、今年に入ってからの政治的な失点は野党の方にばかり出ました。特に酷かったのが日本維新の会。敢えて話題を作り出して世間の関心を引こうとするいわゆる“橋下流”がことごとく逆回転し、衆院選で自民党に次ぐ票を集めた維新の勢いはかなり削がれたように思えます。また、政権奪還を目指すべき民主党は「反対」を唱えるだけで相変わらずの体たらくだし、他の少数政党も何も変わらず終い。特に大きな争点も見当たらず、政権与党が現実的対応をして野党は非現実的な主張を繰り返すだけの現状では野党への票が伸びるはずもなく、どこのメディアも「与党圧勝」シナリオしか考えていない始末です。第2次安倍内閣信任は、ほぼ確実でしょうね。
 それでも、いくつか争点はあるといえばあるので、個別に個人的見解を書いておくことにします。先の衆院選の時と共通するところもあり、それらについては昨年12月3日版のBleumer的政治観の記事に書いてあったりしますので、必要があればそちらも参照して下さい。
○アベノミクス
 安倍首相が提唱する経済政策を「アベノミクス」と呼んでおり、デフレ脱却を目標に、「三本の矢」になぞらえて個別の政策も発表されました。
 とはいえ、個別の政策といっても具体策には乏しく、現実に実行されたことといえば日銀が4月に行った大規模な金融緩和ぐらいなものだったりします。この“異次元”とも言われた金融緩和策に市場は大きく反応し、一気に円安株高が進行しましたけど……それをもって「アベノミクスは成功だ!」とするのは早計に過ぎます。2%のインフレ目標などは達成していないし、デフレ脱却にも至っていないし、ドバッと金融緩和されたからといってそのお金が世間に出回るのにも時間がかかるのですから。また、5月22日に5年ぶりとなる高値(日経平均15267円)を記録した後、翌日には逆に1000円を超えて急落、先月には12000円台まで下落した東証株価をもって「アベノミクスは失敗だ!」と断ずるのもまた早計です。株価は、たしかに実体経済も反映しますが、その値段を決めているのは“市場の原理”です。相場参加者の期待感次第でドバーっと上がったり急落したりするのです。期待感とはあくまで「気分」であり、裏付けはさほどありません。その期待感の主体たる相場参加者というのも東京市場ながら日本人より外国人の方が多く、外国人といってもアメリカ中心のためアメリカの金融政策には大きく左右されます。先月乱高下したのは、アメリカFRBの金融引き締め策への警戒感からと言われているくらいですし。もっと言えば、彼らは利益を上げるために毎日開かれる相場に参加しているのですから利益さえ出ればよいのであって、先物主導で空売りし放題の株価やFXによる投機対象となっている為替などある意味利益のための道具でしかない数値で経済全体を計ろうという行為はそもそも間違いです。
 私個人としては、アベノミクスに反対ではありません。事実、異常な円高は解消されたし、それに伴って企業業績も若干ながら上向いてきたようですし。たしかにバラマキが過ぎれば経済破綻を招く危険性もあるようですが、上向きになることすらなかった民主党政権の経済運営に比べれば明らかにマシですし、他の政党に任せたとして「アベノミクス」以上の経済運営ができるだなんてとても思えませんから。ただし、あまり期待もしていません。物価上昇(インフレ目標)を実現しても、それに見合うだけの賃金上昇がなければ一般国民の生活が苦しくなってデフレスパイラルに戻るだけというのは前も書きましたが、賃金上昇の具体策はありませんし、実際手取りが増えるのは経営者やせいぜい大企業の従業員とかに限られそうな感じです。給与がある程度保障される正社員よりも派遣労働者の賃金を政府がある程度コントロールできる方向に法整備するとか(※強権的にすぎるけど、やむを得ない)、何かしら実効力のある対策も併用しないことにはね、カネを市場に供給し物価高を引き起こしただけで景気も本当に良くなるなんてことは信じられませんよ。
 足りないところを補う建設的な批判だって野党は主張していい、いや、むしろすべきなのに、「反対」「反対」と言ってさえいれば通ると思えるあの腐った根性……どうにかならないですかねぇ。ま、そんなのをわざわざ議員に選ぶ私たちも悪いのですが。
○TPP
 “安全運転”に徹していた第2次安倍政権が、唯一と言ってもいいくらいに反発を恐れず強くでたのが3月のTPP交渉参加の決定でした。当然ながら農協(JA)が強く反発しているようですが……自分たちが日本の交渉参加方針を決めた民主党はTPPに反対できるはずもないし、維新はTPP賛成派だし、ほかの少数政党は頼りになりません。結局、TPP参加交渉についても争点として盛り上がりませんね。
 今月あたりから日本もいよいよ具体的交渉に参加するようですが、やはり年内の交渉妥結は無理との観測が出ています。また、アメリカが中国にTPP参加を求めたという報道もありました。もし、中国もTPP交渉に参加してくるとなれば、議題は大幅に増えるでしょうから交渉期間は更に延び、日本も交渉において自らの主張への理解を求める機会が大きく増えることでしょう。日本にとっては願ったり叶ったりの状況になりつつあります。
 民主党や維新はこのへんの状況を踏まえた上で建設的な主張をすればいいのに、しない。「反対」を唱えるだけの他の野党は、ひたすら「反対」と言うだけ。これでは、自民党以外に票を入れても意味がないですな。
○憲法改正と安全保障
 以前書いた通り自民党は憲法改正に積極的な政党なのですが<記事>、第1次安倍内閣で国民投票法を成立させるなど安倍首相も憲法改正積極派の1人です。そして、憲法改正を実現すべく、憲法改正について定めた現行憲法96条の発議要件を緩和しようという「96条先行改正論」なるものが台頭してきました。発議するには総議員の3分の2の同意が必要とされるところを総議員の過半数の同意で足りることにしようというのです。
 個人的には、96条先行改正という考え方には否定的です。発議要件が厳しすぎるのも確かなのですが、だからといって議員の過半数が同意しただけで改正案を国民投票にかけるというのはどうも……やはり改憲となれば変えたいのは9条でしょう?他の条文ならともかく、国民の関心が特に強い9条を変えるのであれば、厳しい発議要件を敢えてクリアして初めて改正の是非を国民に問えるし、そこまでして改正した新しい条文に説得力も生まれるというものではないですか?だいたい「9条を簡単に変えたいだけなんだろうが、見え見えなんだよ」と改正反対派(特に“9条教”の連中)に言われて、恥ずかしくないのかな。改憲をどうしても実現したいのであれば、私は正々堂々と9条の改正手続を最初にやるべきと考えます。別に憲法改正手続に一事不再議の原則とかはありませんし。「一度失敗してしまったら、二度と憲法改正なんてできなくなっちゃうよ」って程度のショボい覚悟しかないのなら、最初から改正など望まぬことです。憲法の条文を書き換える程度の大義すらないから、国民の多くを説得できないってだけでしょう。だからって、96条なんかを持ち出してきてコソコソするなよ、みっともない。
 ま、安倍首相は「今、国民投票にかけても過半数の支持は得られない」と考えているようですし、自民党としても冷静な現状把握ができているのならそれはそれで良いんじゃないですか。どういう形であれ最後は国民投票が必要な以上、焦ってできることではないですから。
 ここで焦ってるのが、また維新なんですよねぇ。この点では橋下市長でなく石原代表が醜態を晒して、ますます改憲の機運を潰してしまって……彼らは一体何をしたいのでしょうな。
 安全保障政策に関しては、安倍政権はよくやってると思います。ここでも野党の存在感は皆無。維新は、この点共同代表が口先だけで話を大きくこじらせてくれたので大マイナスですね。地方選挙を通ったといっても、特定地域の住民に特定地域の政治を任されたにすぎないのです。そんな市長や知事ごときが、国家の専権たる国防政策に口出しするなっての。ましてや、これまた国家の専権たる外交上の問題になる在日米軍司令官に対して無礼な発言とかね、言語道断ですよ。私たちは主権者として、このような無責任の度が過ぎる行動に対してはきちんと抗議しなければなりません。票を投じない、という形で。
○原発再稼働
 原子力規制委員会が今月にも施行するとされる新たな規制基準に基づき、第2次安倍内閣は年内の原発再稼働に向けた準備を進めていると言われています。他方、野党は日本の原発を時間的差異こそあれ、いずれも「全廃すべき」と主張しています。これは与党である公明党も同じです。
 とは言うものの……本当に「再稼働するかしないか」って争点なんですかね?「何が何でも再稼働反対」って言ってる人、周りにたくさんいますか?いたとして、電力が足りなくなっても停電しても構わないから原発再稼働は阻止、本気でそこまで考えていますか?先の衆院選での投票傾向ではっきりわかったはずですよ、そんな人はいるにしても極めて少数だと。その少数のヒステリックな核アレルギーの人々に媚びて有効な代替エネルギー論もなく「原発反対」を唱える政党ばかりだというのならね、前にも書きましたが自民党以外の政党で結束し「脱原発法」でも作ってさっさと日本の原発全部やめさせたら良いんじゃないですか。当然、原発廃止による国益減少、経済への影響、それらに対する責任は取ってもらいますけどね、賛成したセンセイ方に。どれほどの責任になるのか、私には想像もつきませんけど。
 ああ、そういえば、あれほど主張していた「発送電分離」の法制化、先の通常国会会期末に生活/社民/みどりの風/民主党/みんなの党/維新の6党で自ら潰しちゃったんでしたっけね。何の効力もない参議院の内閣総理大臣に対する問責決議(いや、本当は生活保護の現状維持か?)の方が日本国のエネルギー政策より大事、そんな連中の言う原発廃止後の日本ってどんな国家なのですかね?何の計画もなく行き当たりばったりで、それこそ現維新の小沢鋭仁(元民主党)のように「韓国や中国と海底ケーブルで結べばいいんだ!」とか言い出しそうに思えてならないですが。
 私は、そんな連中に国政運営なんて、とても任せられませんわ。
○表現内容規制に「健全な青少年」
 メディアではなぜかほとんど報じられていませんが、一般的に“保守”と呼ばれる政治家というのは表現規制に積極的でして、先月まで開かれていた通常国会に自民/公明/維新の3党は児童ポルノ禁止法改正案を衆議院に共同提出していました。結局、この改正案は会期中一度も審議されなかったそうで、廃案とはならず継続審議となりました。この改正案についての問題点は、先に記事を書きましたので、そちらを読んでみて下さい。
 この点に関しては、反対する活動を積極的に行っている野党の議員さんがおられ(みんなの党の山田太郎議員・@yamadataro43など)、「野党に存在感がある」と言いたいところですけど……党として強く反対しているということではないようで、「存在感のある議員も中にはいる」って程度に留まってしまっているのは残念です。
 自民党の与党としての活動の評価において私的に最も大きな失点が、この表現内容規制に積極的なところ。児童ポルノ規制を強化できたら、次は殺人表現に規制をかけるとか息巻いているそうですな。実際、ホラーとか行き過ぎた表現が世に蔓延っているのも事実ですがね、「見たくないものは規制すればいい」って政治権力を握った者が言い出すと実害の方が大きくなるから憲法21条で国民に表現の自由が強く保障されているのです。それにね、児童ポルノ規制は欧米こそ本場だから何も言ってきませんけど、殺人表現規制なんてかけようものならハリウッド=アメリカ合衆国政府が黙っちゃいません。アメリカ政府に圧力かけられて何度もヘタレたのが自民党だってことを知らないか忘れてるんでしょうなぁ、規制派の議員って。元警察官僚とかも自民党の議員には多いから、そういう人らが息巻いてたりするのでしょうが、外圧に顔はたかれただけで一発KOなんて醜態晒す前に自分の言ってることがどういうことなのか知っておいた方が身のためですよ?それにね、そもそも特定支持層のためでなく全国民の代表として働くのが国会議員です。その国会議員が、国民の重要な権利に重大な制限を課すことを喜んでどうするの?いい加減にしてもらいたいですな。
 あと、こういう表現規制をしたがるのは公明党の母体・創価学会の一部とか、自民党の選挙組織の内部にいる人権団体とか女性団体とか宗教団体あたりですかね。そういう人たちは“組織票”を投じているので、今の政治システム上強い発言権を持つのも当然と言えば当然なのですが……いいのですか、税金をむしり取られている私たち一般国民の思いよりも税金払っているのかどうかもわからない連中の身勝手な意見ばかりが通る世の中になっても?投票率が下がれば下がるほど、このような“組織票”が選挙の勝敗を決することになります。つまり、一般国民が投票を棄権すればするほど、身勝手なごく一部の論理だけがまかり通り、世の中がどんどん息苦しくなっていくことにもなるのです。「投票に行く」というのは、世のため人のためだけでなく、自らの権利を守るためでもあるのですよ。
 それと、今回の自民党の選挙公約には「青少年健全育成基本法を制定し」という一文があったりします。基本法とやらの具体的な法文は不明なので評価もできないのですが……東京都といい、“保守”ってこういうの大好きですよね。こんなの作ったところで、困るのはむしろ普通に生活している学生の方で、刑法犯罪をも繰り返すような「どう見ても不健全極まりない不良少年不良少女」には何の効果もないように思いますけど。青少年関係で必要な法改正とは、少年法の改正とか、売春防止法の拡充(いわゆる“援助交際”への適用)とかだと、私は思います。

 今回の参院選は、とにかく盛り上がりに欠けます。改選議員の中では有名どころの舛添要一議員が引退を表明するなど、著名候補もあまりおらず(※橋本聖子議員とか、いることはいるけど)、自民党の比例名簿の新人候補としてワタミの元社長・渡邉美樹氏(ネットで出馬への批判が強いですが、私も間違ってもこの人の名前は書きませんよ。人を雑巾のように扱う人間が議員だなんて、冗談ではない。あと、この人とか佐竹雅昭とかへの一票となりかねないことから比例代表では「自由民主党(自民党)」と書けなくなった)が挙がっていたりすることが大きく取り上げられたりする程度です。その比例名簿に載りそうな候補が各党揃って低レベルな人選というのも毎度のことですし(どうしてああいう人選になるのですかねぇ?)……参議院は解散がないから6年間も高額な歳費を受け取ってのうのうと議員を続けられる、いわば“特権階級”を選ぶ選挙だというのに、どうしてこう盛り上がらないのでしょうね?本当に、困ったものです。
 ネット上での選挙活動も今回からようやく解禁されますが、それもたいして盛り上がらないんじゃないかな。解禁前から2ちゃんねるやTwitterでは勝手に選挙運動ずっとやってたけど、そういうのって大抵が罵詈雑言の類で(最悪な場合は、デマ拡散)……結局怪文書やら泡沫新聞やらが飛び交うリアルの選挙戦と同じでしかなく、ネガティブキャンペーンをネットを通してより多く目にするようになるだけなように私は思ってます。それでも、無党派層の関心を引いて、投票率向上につながれば大いに結構ですが……どうですかね。罵り合いばかりが目について、逆に投票所を遠ざける結果にならなければいいけど。

 私は、基本的には安倍政権信任の方向で票を投じるつもりです。ただ、先日行われた東京都議選のように「自民党全勝」なんて結果になってしまうと、自民党が調子に乗りすぎるのではないかという懸念も持っています。自民党は外国人参政権は認めない意思を明確にしていますが、一方で、かつて人権擁護法案を国会に提出したのは自民党であり、こちらは未だ否定していないし、ほいほい児童ポルノ禁止法改正案を出してくるあたり甘く見ることはできませんからね。普通の日本国民の1人として「せっかく人権侵害救済法案が消えたと思ったのに、悪夢再来」という結果を招くのは御免です。というか、そんなことはあってはならないし、させてもならない。
 そのため、今回どのような投票行動をとるか、かなり迷ってます。とにかく野党には「しっかりしろよ!」と声を大にして言いたいです。せめて投票先の選択肢の1つくらいにはなってもらわないと、有権者は本当に困るのですから。ま、政策面で全面的に支持できる政党はない以上、最後は候補者個人個人の人となりで見極めるしかないのでしょうな。

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2013年6月26日 (水)

第183回通常国会閉会

 第183回通常国会が会期末を迎え、報道されていた通り会期延長もされなかったため、今日で閉会となりました。
 衆議院では通常通り審議が行われてストーカー規制法やドメスティックバイオレンス防止法の改正案が衆院本会議で可決成立したようですが、一方の参議院では生活/社民/みどりの風の3党が提出した安倍首相に対する問責決議案が民主党/みんなの党/日本維新の会も賛成に回ったことから可決され、以後の審議は空転。生活困窮者自立支援法案や海賊襲撃対処のため日本船籍の貨物船に銃で武装した警備員の同乗を認める法案、それに電力システム改革(発送電分離など)を進める電気事業法改正案や、生活保護の不正受給対策を強化する生活保護法改正案などの重要法案が本会議で採決できずに廃案となってしまいました。
 まぁね、これにて閉会して来月行われる参議院議員通常選挙の選挙戦に突入するわけですから、改選される参議院議員サマたち、特に支持率が下がる一方の野党議員サマは“地元”に何かお土産を持ち帰らないといけないわけです。特定層を票田にしている政党所属議員サマなどは「ワタクシは自民党による生活保護法改悪を阻止してきました!」と言えば、拍手喝采されるかもしれませんよね。この点、民主党は問責決議案に賛成するか否かギリギリまで悩んだようなのですが、結局賛成したってことは支持母体の1つである電力総連とかのことも考えたのかもしれませんな。
 しかし、国民の皆様はよくよく考えていただきたい。今回の問責決議案を提出した生活/社民/みどりの風の3党は、いずれも「反原発」を掲げる政党です。また、日本維新の会の態度はさっぱりわかりませんが大阪維新の会は原発再稼働反対を強硬に唱えていましたし、民主党もみんなの党も「脱原発」を主張する政党です。彼らの言い分には必ず電力会社の独占供給体制への非難が含まれており、特に「発送電分離」は彼らの(アヤシゲな)新エネルギー論の根幹をなす主張であったはず。にもかかわらず、彼らは「発送電分離」を実現する法案を自らの手で棄てたのです。問責決議をすべき理由はいろいろあるようですが、参議院の問責決議など法的効力は一切ないのですからとどのつまり“政局”です。小賢しい“政局”のためなら棄てられる、「発送電分離」とは彼らにとってその程度のものだったということですよね?日本の原発を動かさないのであれば、今までとは違う新しいエネルギー供給体制を構築せねば話にならないのに、その前提となる法案が残り1つの手続き(=参議院本会議での採決)さえあれば成立するというのに、自ら破棄した……彼らの言う「反原発」「脱原発」の主張とは、いかにいい加減なものか、今回のことでまた1つ分かった(バレた)のではありませんかね。
 他方、今国会では審議時間が足りなかったことから、国家安全保障会議(いわゆる日本版NSC)創設のための法案や、海外で緊急事態が起きた際に自衛隊が日本人を陸上輸送できるようにする自衛隊法の改正案など8つの法案が衆議院で継続審議になりました。この8つの法案には、先に問題を指摘する記事を書いた児童ポルノ禁止法改正案も含まれていまして……やはり与党は廃案にせず継続審議にしてきましたね。秋に開かれるであろう臨時国会でどうなるか、ですな。先日発表された自民党の参院選での公約集には児童ポルノ禁止法についての記述はなかったのですが、「青少年健全育成基本法を制定」という極めて怪しげな法律を作ってやるぜって宣言文が書いてあったりします。共同提出した公明党は や日本維新の会も、児童とか青少年とかに関して何かしら公約として書いてくるんじゃないかな(6/27追記:日本維新の会は27日発表のマニフェストには何も書いてきませんでした。ここで訂正しておきます)。野党が野党なら、与党も与党です。安倍政権は非常に良くやっていると思っていますが、だからといって全面委任できるほど私は今の自民党を信用できませんな。調子づかせると本当に何を言い出すか、わかったもんじゃない。

 何はともあれ、今日で通常国会は閉会し、選挙戦に入ります。
 例の定数「0増5減」の関連法案が衆院の再可決にかけられたりして時間がかかったため、衆参同日選挙は今回できないこととなり、次の衆院選がいつになるのか全く読めなくなってしまったので……最悪、「今回の参院選が終わったら、3年後まで国政選挙はない」ってことにもなりかねないんですよね。なので、今回の参院選も「投票先は、しっかり考えておかないといけないな」と思ってます。
 また、公示日までに私なりに書くべきことはここに書いておきますよ。

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2013年5月29日 (水)

児童ポルノ禁止法改正案、衆議院に提出される

 与党の自民党と公明党、それと日本維新の会の3党が今日、児童ポルノ禁止法改正案を衆議院に共同提出したようですね。
 今回の改正案の目玉は、「児童ポルノ」を所持すること及び保管することをも禁止すること、すなわち単純所持禁止にあります。そして、「自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するものとすること。同様の目的で、これに係る電磁的記録を保管した者も、同様とする」と罰則も科すとしています。現在は「児童ポルノ」を製造したり、提供したり、提供する目的で所持していることが罰則(三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金)適用の要件なのですが、改正案が成立すればさらに1歩踏み込むことになります。
 また、附則ではあるのですが、今回の改正案には「政府は、漫画、アニメーション、コンピュータを利用して作成された映像、外見上児童の姿態であると認められる児童以外の者の姿態を描写した写真等であって児童ポルノに類するものと児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するとともに、インターネットを利用した児童ポルノに係る情報の閲覧等を制限するための措置に関する技術の開発の促進について十分な配慮をするものとする。」という一文が書き加えられています(附則第二条第一項)。現在「児童ポルノ」にはマンガ・アニメなどの2次元創作物は含まれていませんが、今回の改正案がそのまま成立した場合、「これを含めて規制できるよう、政府は頑張るべし」と国会が政府に明文をもって宣言することとなります。
 この改正案に関しての問題点については、私の稚拙な文章よりも弁護士ドットコムの記事やITmedia ニュースの記事の方が説得力があるでしょうから、そちらを読んでみてください。

 その上で、この記事にて私が主張したいのは、そもそも法律で禁止されている「児童ポルノ」とは何なのか皆さんキチンと知っていますか?ということです。「子供と性表現」の話になると、東京都条例のときもそうでしたがいわゆる“ロリコン”排除の話にすり替わって「私は関係ないし」「オタク連中が困るだけ」とか方向性がどんどんずれていってしまうのですけど、「そもそも児童ポルノとは何なのか」という“そもそも論”が完全に抜け落ちているように感じられてならないのです。メディア記事にもあまり出てきませんから、各論ばかりになって余計に議論がおかしくなっているように思います。そこで、ここにその“そもそも論”を書いておきます。
 「児童ポルノ」と言われてオッサンな私が直感的に想像するのは、「ちっちゃい女の子(=児童)が、なんかいやらしいことされてる映像(=ポルノ)」です。より具体的に書くと「10歳以下とかの幼い女の子が、直接の性行為を含む性的な行為をされている状態を映像なり写真なりに収めた表現物」とでもなるでしょうか。いかに表現作品であったとしても、「そんなものは規制すべきだ!」と考えることは「表現の自由も大事だけど、もっともなことだ」と思いますし、実際「規制すべき」と私は思っています。
 しかし、今、この国で定められている法律上の「児童ポルノ」とは、上記のような表現物も当然に該当しているのですが、そういういかがわしいものに留まらないのです。ご存じですか?
 俗に「児童ポルノ禁止法」と呼ばれている法律は、正確には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」と言いまして、「児童ポルノ」に関しては第二条にて規定されています。本当は自分で検索するなりして調べていただきたいのですが、法文をそのまま書き記しますので、一度しっかりと一言一句読んでみてください。

第二条
1  この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
2  この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一  児童
二  児童に対する性交等の周旋をした者
三  児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
3  この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

 「法文なんて、どう読めばいいのかわかんねーよ」と言う人のために説明しますと、
 「児童」とは、18歳未満の者、すなわち17歳以下の男女です。女性に限りません。小学生とか中学生にも限りません。一般的な高校生のほとんどが含まれます。
 「ポルノ」とは、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という特別な要件が課されているので、ざっくり言うと「いやらしいことを描写した表現物」になるとも考えられますが、直接的な性交や性交類似行為(口腔性交など)や性器等を触っている行為の「いかにもポルノ」な表現物のみならず、衣服の全部を着けていないヌード写真・映像、さらには衣服の一部を着けていないというだけで該当してしまいます。現行法の解釈上「水着は、それだけで完全なる衣服である」とされているので、水着グラビアは「ポルノ」には該当しないと判断され、露出度が高いにもかかわらず商業誌に掲載されていてもTVに映し出されていても何のお咎めもないのですが……仮にその一部でも破けていたりすると児童の性器等(性器、肛門、乳首)が写っていなくても「児童ポルノ」に該当しかねません。それどころか、露出度の高さに関係なく、制服とか普段着などのほんの一部が破けているだけでも「一部を着けない児童の姿態」に該当すると判断されかねず、それが「性欲を興奮させ又は刺激する」表現であると判定されれば「児童ポルノ」とされます。
 ちょっと前に「児童ポルノか?」と騒動になった例のAKBの「乳首手隠し」グラビアは、3項2号の「児童が他人の性器等(=乳首)を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」に該当するとされたために問題になりました。あの件では関係者の事情聴取に留まり、誰も起訴には至りませんでしたが、ああいうファッション誌的なグラビアでさえ捜査当局には「『性欲を興奮させ又は刺激する』表現である」と判断されるということがはっきりしました。私的には「性欲を興奮させ又は刺激するもの」の特別要件は「あって無きが如し、だな」と思いましたね。
 つまり、たとえば「男子高校2年生がケンカをして、制服の胸の部分が破けて、たまたま男子高校生の乳首が写った映像」ってのはおそらく「児童ポルノ」になるということです。高校2年生の男子は普通16~17歳なので「児童」であり、制服が破れた状態は「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」であり、男子高校生がイケメンであれば女性は「キャー」と喜ぶので「性欲を興奮させ又は刺激するもの」であり、男子であっても乳首が見えたとなればもう確定でしょう。先の「ちっちゃい女の子が、なんかいやらしいことされてる映像」のような多くの人が罰すべきものと考えそうな表現物とは全くかけ離れた映像であっても、今の日本では「児童ポルノ」に該当しうるのです。
 「児童ポルノ」というものが、いかに広く、巷に広がる表現物の多くが該当しかねない概念か、おわかりいただけましたでしょうか?高校生以下の人間を描いた表現物は、最近の「児童ポルノ」対策を徹底したものを除き、表現者の意図とは関係なく多くの場合法文上の「児童ポルノ」に該当してしまうのではないかと私は思っています。実務での児童ポルノ禁止法適用に関しては今のところ厳格解釈で運用されており、そう簡単に「児童ポルノ」と判断したりはしていなかったりもするのですが……法文上該当しうる以上、世間の処罰感情が高まれば(=マスコミが先の騒動のように「児童ポルノだ!」と騒いだら)、案外簡単に捜査当局に摘発され、起訴され、国家によって罰せられてしまう危険があるということは議論の前提として知っておいていただきたいところです。
 その上、今回の改正案が成立して「児童ポルノ」の単純所持も罰せられるとしたら、警察が(捜索差押令状をとって)家宅捜索した場合、薬物など誰でも分かる違法な物なんて何も持っていなくても、90年代以前に撮影され「児童ポルノ」対策など全く意識されていなかった実写映画とかTVドラマとかを録画したビデオやDVDなどを所持してさえすれば「児童ポルノ禁止法違反」を理由に簡単に逮捕できることにもなりかねないという懸念も、わかっていただけるのではないでしょうか。さらに「児童ポルノ」が、マンガ・アニメなどの2次元創作物まで拡大してしまったら……ま、日本の過去のマンガ・アニメ作品が描いてきた年齢層に鑑みれば、ほぼマンガの単行本/アニメのDVDやBDを持っているだけで逮捕でき罰することができるということになるでしょうね。

 「児童ポルノを見るような輩は罰すべし」とはいえ、本当にここまで罰するべきですか?
 私は、性の観念がしっかりしていない年齢の子供が大人の勝手で性的に傷つけられることは当然防がなければならないと思っています。表現の自由が憲法上保障されているからといって「表現行為であれば、ポルノでも何でも許すべき」とは言いませんし、考えてもいません。
 しかし、現行法上の「児童ポルノ」は、対象も、行為も、あまりにも広すぎます。これを「一様に、とにかく罰すべし!」という声は理不尽に過ぎるのではないでしょうか。
 この点、低年齢者の性に関する法律規定は他にもありまして、たとえば性交を前提とする婚姻の最低年齢は男子は18歳ですが女子は16歳と定められています(民法731条)。また、性的自由を保護法益とする強制わいせつ罪(刑法176条)及び女性の性的自由のみを保護法益とする強姦罪(刑法177条)では被害者が13歳以上か否かで区別されており、13歳以上であれば本人の性行為に対する同意権が認められています(本人が13歳以上で同意していた場合は罪とならない/本人が12歳以下の場合は仮に同意があっても同意はなかったことになるため罪となる)。にも関わらず、18歳未満の者を一律に「児童」とし、彼らを対象にする表現に対して一律に厳しい制約及び罰則を科すというのは、これらの法律規定と整合性を欠いています。
 したがって、私は「児童ポルノ」に対する制約も、適用要件を現在の規定より具体的かつ詳細なものにした上で、さらに表現対象が13歳未満/13歳以上16歳未満/16歳以上18歳未満の年齢に応じた三段階に分けて考えるべきではないかと思います。
○13歳未満の子供については性的知識に乏しいことから刑法同様強く保護することとし、今の規定より厳しく該当する子供の性的表現を禁止する。表現物の単純所持も禁止し、違反者に対する罰則もより重くする。ただし、厳しく制約される分、要件は更に厳格に。
○13歳以上16歳未満の子供については、本人にある程度の性的知識がある一方で保護する必要性もなお高いことから、現状の性的表現制約を課す。
○16歳以上18歳未満の子供については、女子については婚姻も認められており性的知識は十分にある上で合意していることを考慮し、ある程度制約を緩和する。
○18歳以上に関しては、現状通りアダルトビデオだろうが何だろうが本人の自由だから勝手にすればよい。
これぐらいのメリハリは制度上つけても構わないのではないでしょうか。いや、現行法制上、「ポルノ」規制であっても制約にメリハリをつけるべきではないでしょうか。日本の他の法制度では明文で区別されているのですから。国際的に問題になる?各国で「児童ポルノ」の規制対象年齢は異なっているというのに、何が問題になるのでしょうね?「児童ポルノ」問題に限らないのですけど、最近の一方的な極論ばかりが社会でもてはやされる風潮は常軌を逸してますよ。表現の自由という近代立憲国家における最重要の権利に関することですし、せっかく改正するというのであれば、「児童の権利を擁護することを目的とする」という制度趣旨(第一条)を諸外国に合わせるというよりも日本の法体系下で徹底する観点から見直し、精緻なシステムを改めて組む方向にすべきではないでしょうか。
 もし「そんな“メリハリ”など許されない!」「何が何でも児童ポルノは一律禁止!」と強硬に主張するのであれば、「一律禁止」の観点から法制度の整合性をとるべく、民法731条と刑法176/177条の年齢の文言をすべて「十八歳」と改正し、日本国民の性に関しては18歳で一律に区分するべきだと思いますね。そうしたら、「18歳からは結婚もできるし、性行為も、性的表現でお金を儲けることも、全部自己責任でできるようになる」とわかりやすくなるでしょう。「青少年は健全であるべき!」って言ってる人たちも「青少年は性的なこと何でも禁止」になるから大満足なのでは?ただし、一方で「18歳未満の子供に対しては性的なことは何もしてはいけない」ということになり、事実上「子供は18歳にならないことには何もしてはいけない」ことになります。18歳未満の「児童」とは性別問わず結婚できなくなるのはいいとしても、18歳未満の「児童」に対してわいせつな行為(※お尻触るとかだけではなく、キスも含まれます)をすれば同意があっても必ず「強制わいせつ」/18歳未満の女子と性行為をすれば同意があろうと常に「強姦」となるので、老若男女関係なく「18歳未満の子供とキス以上のことやったら誰であれ刑務所or少年院行き」でして……いやはや、「児童ポルノ」を作らせない持たせないどころではなく、「児童」は性行為から完全に切り離されてとっても“健全”な世の中になるでしょうよ。そう主張したらいかがでしょうか?「規制しろ」「規制しろ」と言う人たち(主に人権団体所属の女性)は強く叫んでおきながら、なぜにそうは言わないのですかね?「児童にだって性的自由はある」?「児童」に性的自由があるのなら、「ポルノ」に参加するのだって本人の自由では?一方の自由は全否定しといて他方の自由は過分に保護、そんな都合の良い「自由論」なんてね、成立しないと思いますよ。
 人を罰する以上は恣意的運用のなされない合理的かつ明快な制度にしてもらいたい、私は法治国家として当たり前のことを主張したいのです。あせらず、極端な感情論や煽り合いに陥ることなく、落ち着いた議論をしていただきたい。

 最後に、“そもそも論”から今回の改正案の話に戻りますが……与党は「今国会での成立を目指す」としているようですけど、今国会は通常国会なので会期は150日、しかも今夏は参議院議員選挙があることから、延長はせず会期は来月26日までと言われています。つまり、今日衆議院に提出したということは審議時間が1ヶ月もないということでして、こんな重大な法案なのにこんな時期に提出して委員会審議を経て衆参両院本会議での採決までする気があるのか、私には疑問です。結局のところ、“キレイゴト大好き”な公明党支持者すなわち創価学会員への公明党指導部の「私たちはちゃんとやってますよ?」アピールのためだけのパフォーマンスなのではないか、という気もしています。自民党にとっても公明党と連立を組んでいる以上は創価学会員は重要な“票田”ですし、共同提出した野党が日本維新の会だってこともね……大阪維新の会は公明と協力関係にありますし。だいたい本気で通したいのだったら、もっと早くに(今年度予算通ったら即、とか)提出しているのではないでしょうか?もちろん、継続審議にして「参議院選で勝ったら、国民の承認は得たとして次の国会で通す」ってハラかもしれないので、今国会では通らなかったとしても油断はできないのですが。
 ま、政局的な話はともかくとして、私は今回の児童ポルノ禁止法改正案についてははっきり「反対」です。今の安倍政権(自公連立政権)については非常に高く評価している(というか、現時点では「最高評価」と言っても過言ではない)のですけれども、こんなごく一部の極論だけに基づいて重大な表現内容規制となる法改正を十分な国会審議もなく成立させ、国民の自由を法制度でたやすく奪うというのであれば、次の参議院選で自民党(もちろん公明と維新、あと改正案に賛成する政党は全て)に票を投じることはできなくなりますな。憲法改正も議論されているこの時期に、表現物の単純所持規制(違法化)ということはね、国会議員として簡単に考えてもらっては困るのですよ。「やっぱり私たちの権利を奪う気か!」と国民に猛反発されることは覚悟していただかないとね。

 日本国民の皆さん、今回の改正案については「ポルノ」という刺激的な文言だけにとらわれることなく、「18歳未満の人を対象とした表現行為全般に関する問題」としてよくよく考えてみて下さい。政府の提出した改正案は、国民の権利を必要以上に制約する、本当に恐ろしい法案なのですから。

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2013年3月11日 (月)

大地震発生から2年を経て

 東北地方太平洋沖地震発生から、今日で2年ですか。
 2年前のあの日、映像を通してではありますが、津波の恐ろしさと原子力発電の危険を実感を伴って学びました。あの時の極度の不安感は今でも忘れていません。
 被災地の「復旧」はこの1年でさらに進んだようですが、やはり「復興」となると報道を見る限りまだまだのようですね。津波による被害を受けた地域における「復興」の計画も具体化されず、また福島第一原子力発電所事故の被災地域もまだまだのようです。プランニングさえ決まってしまえば後は早いと思うのですが……地元住民あってこその「復興」ですし、住民の合意形成がなかなかできなくて遅れていってしまうというのは阪神大震災でもありましたし、難しい問題ですね。もう、「政府が強権で決めてしまえば良い」って段階は過ぎ去ってしまったでしょうし(強権発動するなら1年内にしてしまうべきだったが……ま、当時の菅政権はできるわけないな)。ただ、昨年末の衆院選で政権が自民党中心の政権に変わりましたし、公共投資も民主党政権時代よりはしやすくなったでしょうから、住民合意が早期になされ「復興」の気運も高まることを期待します。私には、そのくらいしかできませんので。
 あとは……被災に便乗する形で騒ぐごく一部の人間の無責任な行動をいいかげん終息させなければ、と思います。“核”がとにかく嫌いというだけでフクシマフクシマと連呼し被災者そっちのけでデタラメな主義主張だけを騒ぎ立てる、“反原発”の名を借りた反核運動。それをデマでさらに煽り、自らの反政府運動に利用する反体制活動家(革命主義者)。沖縄基地問題に無理やりこじつけ、勝手に被災者を被差別者と定義してわざわざ“差別”を作り出そうとする人権屋たち……日本は自由主義国家であり国民の活動の自由は保障されるべきですが、奴らの反社会的活動はそれこそ人と人との“絆”を破壊する行為に他なりませんし、「被災」をダシにし自分の都合のみに行動しているだけで「復興」など何一つ考えていません。それどころか、奴らは「復興」の足を引っ張ることをむしろ喜んでいると言っても過言ではないのです。私たち普通の日本国民は、被災地のことを思うのであれば、怒りをもって奴らの身勝手無責任に立ち向かうべきです。「立ち向かう」といっても、暴力をもって弾圧とか物騒なマネをする必要はまったくありません(むしろ、してはいけない。彼らは弾圧を待っています。「弾圧されるのは、私たちこそが正義だからだ!」と扇動できるから)。ひたすら無視すればそれで足ります。あいつらにとっては誰からも相手にされないことが最も困ることなので、騒いでたらスルーしてあげましょう。全員からスルーされれば、あんな理なき愚かな行動は自然と消えていくと思います。

 改めて、強く願っています。被災地域の方々の生活に、震災前と変わらぬありふれた日常が戻ることを。

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