モータースポーツ

2017年8月 5日 (土)

F1 2017 ハンガリーGP

 F1第11戦・ハンガリーGP決勝が7月30日に行われました。

■F1第11戦 ハンガリーGP
・予選
1位 ベッテル(フェラーリ)
2位 ライコネン(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
8位 アロンソ(マクラーレン)
9位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ベッテル(フェラーリ)
2位 ライコネン(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
6位 アロンソ(マクラーレン)
10位 バンドーン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ライコネン/「Fastest Lap Award」アロンソ/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ

 ハンガリーGPの舞台は、曲がりくねった中低速コースのハンガロリンク。コースレコードは2005年にバリチェロ(フェラーリ)が記録した1:18.436でしたが……金曜日の段階でリカルド(レッドブル)がこれに肉薄するタイムを出し、土曜日のFP3ではベッテル/ライコネン/ボッタスの3名があっけなく17秒台突入。そして、予選Q2でハミルトン(メルセデスAMG)とベッテルが16秒台を記録すると、Q3ではレッドブル勢も含めた“トップ6”全車が16秒台を記録するという「レコード更新合戦」みたいな様相に。PPは1:16.276を叩き出したベッテルが獲得し、2番手にはライコネンが入ってフェラーリ勢がフロントロー独占。3番手はボッタスで、ハミルトンは4位。2人揃ってQ3に進んだマクラーレン勢は、アロンソが1:17.549で8番手/バンドーンも1:17.894で9番手につけました。
 決勝は、「抜けない」コースレイアウトということもあって、レース中盤からステアリング周りにトラブルを抱えてペースが上がらなかったベッテルが逃げ切って優勝。どう見てももっと速く走れたはずのライコネン(※それ故、「Driver of the Day Award」に選出)は“防御壁”になって2位。途中チームオーダーで順位を入れ替えてフェラーリ勢を追いかけたハミルトンは、結局ライコネンに仕掛けることもできずに終わり、ファイナルラップの最終コーナーでオーダー通りに順位を戻して4位。3位はポジションを返してもらったボッタス。レース開始直後にレッドブル勢の“同士討ち”でリカルドがリタイアしたこともあって、アロンソが6位フィニッシュし、バンドーンも10位に入ったため、マクラーレンは今季初のダブル入賞となりました。これにより、獲得ポイントが11ポイントとなったマクラーレンはコンストラクター最下位を脱出。また、アロンソは1:20.182で、ファステストラップも記録。ミハエルさん(フェラーリ 2004年)が持つ決勝ベストラップの1:19.071を上回ることはできませんでしたが、「Fastest Lap Award」として記録されることになりました(表彰式にも舞台の下の方でなんか参加してましたし、アロンソにとって割と「良い1日」だったかも?)。
 また、今回マッサ(ウィリアムズ)がフリープラクティスは走ったものの体調不良を訴えて予選と決勝を欠場することになり、急遽ポール・ディ・レスタが代役で出場することになりました。ディ・レスタは以前はF1のレギュラードライバーでしたがそれも過去の話で、今季ウィリアムズの控えドライバーではありますが現行マシンに乗った経験はなく、PU搭載車でさえ初ドライブとか。しかも、控えドライバーとしてではなくテレビの解説の仕事でハンガロリンクに来ていたのに、突然呼び出され、練習もなしにいきなり予選Q1という“ムチャ振り”にもほどがあることになったのですが……なんと、そのQ1で11周を走り1:19.868を叩き出して19番手となりました。レギュラードライバーのエリクソン(ザウバー)に勝ってしまったのです。決勝では後方に沈んでしまい、最終的にはリタイアに終わりましたが……代役として実に立派でしたし、カッコ良かったですね。もちろん、DTMでは現役のレーシングドライバーなればこそ、ぶっつけ本番でもドライブできたのでしょうけれども、にしても予選決勝とちゃんと運転してマシンを壊さずしっかり走ってピットに戻すところまでキッチリやり遂げましたからね。FP1でジョビナッツィがハースのマシンをドライビングミスでぶっ壊したのとは本当に対照的で、ディ・レスタは素晴らしい仕事ぶりだったと思いました。

 いやぁ、今年のマシンはコーナリングがとんでもなく速いですな。路面が凸凹だった時代とフラットスムースに改修された今と単純に比較はできませんけど、にしてもコースレコードを2秒更新ですからねぇ。速い速い。それに、メルセデスAMG勢だけが更新したのではなく、フェラーリもレッドブルも全車揃って16秒台ってのは素晴らしかったです。その割に決勝ではメルセデスAMG勢もレッドブルのフェルスタッペンもペースが上がらずトップ争いがほとんどなくて、展開的にはちょっと残念でしたが……おかげで最後の最後にハミルトンが無理をしてまでチームメイトに順位を戻すという信じられない極めてレアな光景が見られたので良しとしますかね(チームメイトがロズベルグだったらあり得ないし、強制されたら譲るどころかクルマぶつけにいく率の方が高そうw)。また、タイトル争いも、ハミルトン188pに対してベッテルは202pとなって14pの差がつきましたし、ボッタスも169pとタイトルを狙える位置になりました。コンストラクターズでは、メルセデスAMGが357pでフェラーリが318pと差が縮まりましたので、後半戦が楽しみですな。

 8月の1日2日とハンガロリンクで行われたインシーズンテストも終わり、F1はサマーブレイク(夏休み)に入りました。そのテストでは、マクラーレンは引き続き順調&好調でしたし、ザウバーから松下信治も出走したのですが……来季からザウバーにホンダPUが載る話は解消するとハンガリーGP開幕直前に発表され、来季は型落ちではないフェラーリPUを搭載することがその翌日に発表されました。というわけで、ザウバーに日本人ドライバーを乗せるシートが1つできるかも?という話も消えてしまい、松下君がF2でスーパーライセンス獲得要件を満たしたとしてもF1にステップアップできる保証もなくなってしまいました。厳しいですけど、ビジネスですし、今のホンダの状態では仕方ないとも言えますね。他方、ザウバーに載るはずだったホンダPUはトロロッソに行くというウワサもあり、こちらの交渉は進展しているとかなんとか……マクラーレンとホンダの別れ話も未だにくすぶり続けてますし、トロロッソ・ホンダ成立の暁にはマクラーレン・ルノー誕生か?なんてウワサもあったりします。もう「何でもアリなのか~」って感じもしますけど、F1の外ではWECのLMP1からポルシェ/DTMからメルセデスが撤退してどちらも2019年からフォーミュラEに参入という衝撃的な発表もなされており、今のモータースポーツ界は全体的にこの先なにがどうなるやらわからない状態であると言っても実際過言ではなかったりします(トヨタ、WECどうするんですかねぇ……)。
 で、来季のホンダはどうなるのやらまったくわかりませんけど、休み明けのベルギーでいきなり“スペック4”投入という話もあるようですし、とりあえずは今月末から再開となる今季後半戦を楽しみにしたいと思います。

追記:今年のインディ500で日本人として初の優勝を成し遂げた佐藤琢磨選手に対し、8月4日に官邸で内閣総理大臣顕彰が授与されました。「国民栄誉賞でもいいのでは」とも思いますけど……メディアがこれだけの快挙を伝えなかったこの日本で、モータースポーツにおける功績を政府が正式に讃えたということは歴史的な前進、とも言えますかね。ま、前に進むのは一歩一歩少しずつ、ですね。あと、改めて佐藤琢磨選手、優勝おめでとうございます。

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2017年7月18日 (火)

F1 2017 イギリスGP

 F1第7戦・カナダGP決勝が6月11日/第8戦・アゼルバイジャンGP決勝が6月25日/第9戦・オーストリアGPが7月9日/第10戦・イギリスGPが7月16日に行われました。

■F1第7戦 カナダGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
15位 アロンソ(マクラーレン)
17位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ボッタス(メルセデスAMG)
3位 リカルド(レッドブル)
14位 バンドーン(マクラーレン)
リタイア アロンソ(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ベッテル/「Fastest Lap Award」ハミルトン/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ
■F1第8戦 アゼルバイジャンGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ボッタス(メルセデスAMG)
3位 ライコネン(フェラーリ)
16位 アロンソ(マクラーレン)
19位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 リカルド(レッドブル)
2位 ボッタス(メルセデスAMG)
3位 ストロール(ウィリアムズ)
9位 アロンソ(マクラーレン)
12位 バンドーン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ストロール/「Fastest Lap Award」ベッテル/「Fastest Pit Stop Award」フェラーリ
■F1第9戦 オーストリアGP
・予選
1位 ボッタス(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 ハミルトン(メルセデスAMG)
12位 アロンソ(マクラーレン)
13位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ボッタス(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 リカルド(レッドブル)
12位 バンドーン(マクラーレン)
リタイア アロンソ(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ボッタス/「Fastest Lap Award」ハミルトン/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ
■F1第10戦 イギリスGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ライコネン(フェラーリ)
3位 ベッテル(フェラーリ)
9位 バンドーン(マクラーレン)
13位 アロンソ(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ボッタス(メルセデスAMG)
3位 ライコネン(フェラーリ)
11位 バンドーン(マクラーレン)
リタイア アロンソ(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」リカルド/「Fastest Lap Award」ハミルトン/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ

 カナダGPは、通算65回目のPP獲得でアイルトン・セナに並んだハミルトンに、予選終了後セナがロータス時代に使っていたヘルメットが贈呈されるというサプライズイベント(※後日、ここで渡されたヘルメットはレプリカだったことが判明)が行われまして、これで気をよくしたか決勝もハミルトンが優勝。ベッテルはスタートでフェルスタッペンと接触してフロントウィングを破損、交換したため最後尾まで落ちましたが、挽回して4位フィニッシュ。ライコネンは7位。
 今年からアゼルバイジャンGPとなった1戦は、予選こそ普通に行われたものの、紳士的なレースに終始した昨年の鬱憤をはらす(?)かのように決勝はクラッシュ続出。途中ベッテルがブチ切れたり、赤旗中断まであってその際にハミルトン車のヘッドレストが固定されておらず緊急ピットインで後退させられたりと大荒れ展開。結果、序盤に最後方まで落ちたリカルドが優勝、周回遅れにもなっていたボッタスが2位、“ペイドライバー”との批判が強い新人ストロールが3位で初の表彰台というとんでもないレースになりました。ブチ切れ行為で10秒ペナルティをくらったベッテルは4位、チームのミスでみすみす優勝を逃したハミルトンは5位、ライコネンはマシンのフロアを破損しながら赤旗で奇跡の復活を果たしたものの14位完走扱いに終わりました。
 オーストリアGPは、ボッタスがPP獲得。決勝はスタートで混乱があったものの基本的にはガチンコ勝負となり、ボッタスがポールトゥウィンを飾りました。2位ベッテルで、3位にリカルド。ハミルトンはギアボックス交換で5グリッド降格ペナルティを受け8番グリッドからのスタートとなったことが響いて4位。ライコネンは5位。
 イギリスGPでは、ウェット路面で始まった予選のQ3でハミルトンが1:26.600という驚異的なタイムでPPを獲得し、イギリスGPでのPP回数5回目でジム・クラークと並び歴代トップに。また、決勝も危なげなくトップを快走して優勝(グランドスラム)。母国GPで4連覇を達成し、イギリスGP通算5勝はジム・クラーク/アラン・プロストと同じ歴代1位になりました。ボッタスはリバースストラテジーが功を奏して2位となり、メルセデスAMG勢がワンツーフィニッシュ。フェラーリ勢は最終盤に2人ともタイヤがバーストしたため、ライコネンはなんとか3位/スタートで出遅れた後挽回していたベッテルは7位フィニッシュとなりました。Driver of the Dayに選ばれたリカルドは、19番手スタートから挽回して4位フェルスタッペンに続く5位フィニッシュ。

 記事が書けなくて、4戦もまとめて書くことになってしまいましたが……この4戦も、なかなか面白い戦いになったんじゃないですかね。特に、大荒れのアゼルバイジャンGPは本当に見ていて面白かったですわ。完全ドライであそこまで荒れるレースってのは数年に一度でしょうし、最後の最後まで「“あの”ストロールが2位なの?マジで2位表彰台立っちゃうの?あー、ボッタスに抜かれた~。うわぁ」って、ねぇ。ホントの「出血大サービス」みたいでショーとしては実に実に素晴らしかったですし、「Liveで見られて良かった」と心底思いましたわw
 ただ、日本のF1ファンとしては、ホンダが、なぁ……“スペック3”なる最新型のPUがオーストリアから本格投入されたもののドカーンと大幅パワーアップするわけではなくて、結局はポイント獲得という結果ともならず、第10戦が終わった今なおアロンソがアゼルバイジャンでスペック2で獲得した2ポイントのみでマクラーレンはずっと最下位だったりします。出てくる話題と言えば、「マクラーレンとホンダ決別」「アロンソがチーム離脱」ばかりか「ザウバーとも決裂」とかで……まぁ、あくまでウワサで現実的ではないとわかってはいても、「ちょっとでもいいから期待できそうな話はないのか?」と言いたくもなる惨状がずっと続いています。次戦のハンガロリンクはマシン特性が合っているっぽいですけど……どうですかねぇ。うまく噛み合えば良いのですが。
 あと、シーズンを面白くするとみられていたフェラーリが、「不調」とまでは言えないものの、ここしばらく勝てていないですなぁ。モナコでのワンツーフィニッシュ以来ですか、勝ってないのは。というか、表彰台にさえもあまり立てていないんですよね。メルセデスAMG勢が安定した速さを取り戻しつつある中、フェラーリ勢は川井さんの言ってるように「(メルセデスAMGに対する)アドバンテージがない」状態に陥っているように思えます。それでも速いことは速いので決勝ではいい勝負してたりもするのですが、運がなかったりでポイントも必要以上に落としてますし……で、ポイントランキングは、ドライバーが1位ベッテル(177p)2位ハミルトン(176p)/コンストラクターは1位メルセデスAMG(330p)2位フェラーリ(275p)と、1ポイント差のドライバーの方はともかくコンストラクターは差が開いてしまいました。このまま差がズルズルさらに開いていってしまうと“1強”時代に逆戻りしてしまうので、跳ね馬さんには是が非でもマシン開発を進めて勢いを取り戻していただきたいところです。

 F1の次戦はハンガリーGPです。中低速の曲がりくねったコースなれど、今年のえげつないコーナリングスピードを誇るマシンで走るとどうなるんですかね。タイムの大幅更新はなるのでしょうか。

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2017年6月 7日 (水)

F1 2017 モナコGP & インディ500

 “ヨーロッパラウンド”開幕戦となるF1第5戦・スペインGP決勝が5月14日/伝統の第6戦・モナコGP決勝と第101回インディアナポリス500マイルレース決勝が5月28日に行われました。

■F1第5戦 スペインGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
7位 アロンソ(マクラーレン)
19位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 リカルド(レッドブル)
12位 アロンソ(マクラーレン)
リタイア バンドーン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ベッテル/「Fastest Lap Award」ハミルトン/「Fastest Pit Stop Award」メルセデスAMG
■F1第6戦 モナコGP
・予選
1位 ライコネン(フェラーリ)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
9位 バトン(マクラーレン)
10位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ベッテル(フェラーリ)
2位 ライコネン(フェラーリ)
3位 リカルド(レッドブル)
リタイア バンドーン(マクラーレン)
リタイア バトン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ベッテル/「Fastest Lap Award」ペレス/「Fastest Pit Stop Award」レッドブル

 舞台が各チームのファクトリーが近いヨーロッパになり、かつ、テストで走り回ってどこよりもデータ豊富なスペイン・カタルーニャサーキットでの開催なので「第2の開幕戦」ともいわれるスペインGP。レッドブルなどの大幅アップデートが予想されていましたが……実際に大幅に変更してきたのはレッドブルではなく、メルセデスAMG。ノーズがさらに細くなるなどかなり大がかりな変更で、まったくの予想外だったことからFP1から目が点になりました。ただ、大がかりだった割に、速さに繋がったかというとそうでもなかったようで、金曜日は他を引き離したものの、予選ではハミルトンがPPを獲得したもののフェラーリ勢と差をつけることができず、決勝ではスタートでベッテルに前に出られてしまう始末。タイヤ交換したベッテルにボッタスを“壁”として使うことで差を詰め、ソフトタイヤで最後まで走りきる戦略でベッテルをかわしたハミルトンが優勝することができたものの、メルセデスAMGはフェラーリに対し明らかな差というものをつけることはできませんでした(ライコネンはスタート直後のボッタスとの接触でリタイア/ボッタスも交換した使い古しPUが壊れてリタイア)。
 で、そんな現状がはっきり出てしまったのが、伝統の一戦・モナコGP。木曜日はメルセデスAMG勢も好調でしたが、セッティングを大きく変えたとかで土曜日は特にハミルトンが失速。ウルトラソフトタイヤをうまく使えない傾向も相俟って、ハミルトンはQ2で思ったようなタイムを残せず、バンドーンのクラッシュでラストアタックも帳消しになってしまい万事休す。なんと14番手でQ2落ちとなってしまいました。そんな中、ライコネンがPPを獲得。ライコネンはロシアGPでもでてきた2008年のフランスGP(PP:ライコネン/2位:マッサ)以来のPP獲得となりました。決勝は、35周目にピットに入ったライコネンに対し、驚異的なペースで40周目のオーバーカットに成功したベッテルが優勝。2005年以来のモナコ優勝を目指したライコネンは2位に終わりました。ピット戦略でリカルドに前に行かれたボッタスは4位、ハミルトンは7位でレースを終えました。
 マクラーレンは、アロンソの母国・スペインGPでアロンソがQ3進出の上、なんと7位につけました。PPからは2秒近くも離されているとはいえ、Q3で出した1:21.048はメルセデスAMG/フェラーリ/レッドブルを除けば最速タイムでして、このタイムを中継で見たときはマジで驚愕しましたし、「アロンソは神か!?」とさえ思いましたね。本当に凄かったです。が、決勝ではスタート直後にマッサ(ウィリアムズ)と接触しコースアウトしたこともあって大きく後退し、今季初めてチェッカーフラッグを見ることができたものの、結果は12位でポイント獲得もならず。で、そのアロンソがインディ500に行ってしまったモナコGPでは、代役のバトンとバンドーンが揃ってQ3進出を果たしたものの……降格ペナルティもあって決勝は2人とも低迷の上、揃ってリタイアとなってしまいました。

 フェラーリ、好調ですな。SF70Hは相当デキがいいクルマってことなんでしょうか。モンテカルロをガンガン攻めまくるライコネンなんて見るのはいつ以来のことなのか……どこでも速い「万能型シャシー」なんですかね。スペインではアロンソの神懸かり的タイムアタック、モナコではライコネンの全力タイムアタックと、見ててワクワクしましたわ。あと、スペインGP決勝でライコネンが即リタイアしてしまったことに泣いていた男の子をフェラーリのパドックに呼んでライコネンと直に面会させ、表彰式の特等席にも招待してたのはファンサービスとしてなかなか良かったですなぁ。それに、予選後のトップ3選手へのインタビューをメインスタンド前でやるようになったのも悪くないファンサービスだと思いました。リバティメディアによるアメリカ流運営が少しずつ形になってきているってことなんでしょうけど、できるところから実際に変えていく姿勢というのは良いことなんじゃないですかね。

 そして、モナコGP終了後の同日28日にスタートした第101回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)では、McLaren-Honda-Andrettiチームのルーキードライバーとしてアロンソが出場。Andrettiチームが今年絶好調なこともあって、なんとアロンソはインディカー・シリーズ初出場にもかかわらずトップ争いを繰り広げたようで、28周ものリードラップを記録したとか。結果的にはエンジンブローで179周でリタイアとなってしまったようですけど……インディアナポリスのコースはアメリカGPとして走った経験も一応あるので「全くの未経験」というわけでもないのですが、F1マシンとインディカーとでは全く違うし、ロードコースとオーバルコースでは全く違うし、そんな中でインディカーシリーズ歴戦の強者連中を抑えてトップを周回って、ねぇ。やはり凄いドライバーですなぁ、フェルナンド・アロンソという男は。
 さらに、今回のインディ500では、アロンソのリタイア後の終盤に、今年からAndretti Autosportに移籍した佐藤琢磨がトップに浮上。エリオ・カストロネベス(Team Penske)を振り切って優勝を果たしました。もちろん、佐藤琢磨はインディ500初制覇。というより、日本人がインディ500で勝つことなんて史上初めて(過去最高位は2003年の高木虎之助の5位)。かつてヒロ松下選手がCARTシリーズにフル参戦したことがとてつもないことだった時代を見てきた人間としては、「日本人によるインディ500制覇」なんてことは「夢のまた夢」であって、「ありえないこと」とさえ思っていましたが……佐藤琢磨はやってしまいました。「世界三大レース(モナコGP/インディ500/ルマン24時間)の1つを制したというのは本当に凄いことですし、本当に素晴らしいことだし、「偉業」というにふさわしい歴史的な快挙だと思います。
おめでとう、佐藤琢磨!
 と、そんな凄いことを成し遂げた日本人が現れたわけなんですが……当日のメディアの「佐藤琢磨優勝」の扱いは非常に、どころか異常なまでに小さく、彼が2013年4月にロングビーチでインディカーシリーズ初勝利したときよりも小さな扱いにされてしまいました。あれは一体なんだったんですかねぇ?その日行われたどっかのミサイル実験を絶対的に優先しなければならない事情でも日本のメディアにはあるのですかねぇ??まぁ、関谷正徳さんが1995年のルマンで日本人初制覇したときも扱いは大きくなかったし、2004年のチーム郷&荒聖治選手によるルマン制覇のときはさらに小さかったので、日本のメディアにとっての「世界三大レース」とはその程度のものなのかもしれませんけど(※1991年にチャージ・マツダ787Bがルマンを制したときは結構大きく報道された)……あの日は心の底から「日本のメディアって、自国の栄誉も喜べない、情けない連中なんだな」と思いましたね。本当に情けないですよ(ああ、NHKスペシャルで特集組んでくれることは期待していますので、そちらはどうかよろしくお願いいたします)。
 日本人による「世界三大レース」制覇、残るはF1のモナコGPですな。エンジンサプライヤーとしてはホンダが1987~1992年/無限が1996年に制しているのですが……チームやドライバーでは小林可夢偉(ザウバー)が2011年に5位入賞したってのが最高ですかね。いつの日か、日本人ドライバーがモナコGPも制覇したら嬉しいなぁ。うーん……まずは、表彰台に立つこと、ですかね。
 いつの日か、モンテカルロに日の丸と君が代を!

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2017年5月 8日 (月)

F1 2017 ロシアGP

 F1第3戦・バーレーンGP決勝が4月16日/第4戦・ロシアGP決勝が4月30日に行われました。

■F1第3戦 バーレーンGP
・予選
1位 ボッタス(メルセデスAMG)
2位 ハミルトン(メルセデスAMG)
3位 ベッテル(フェラーリ)
15位 アロンソ(マクラーレン)
17位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ベッテル(フェラーリ)
2位 ハミルトン(メルセデスAMG)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
14位 アロンソ(マクラーレン)
未出走 バンドーン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ベッテル/「Fastest Lap Award」ハミルトン/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ
■F1第4戦 ロシアGP
・予選
1位 ベッテル(フェラーリ)
2位 ライコネン(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
15位 アロンソ(マクラーレン)
17位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ボッタス(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 ライコネン(フェラーリ)
14位 バンドーン(マクラーレン)
未出走 アロンソ(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ボッタス/「Fastest Lap Award」ライコネン/「Fastest Pit Stop Award」レッドブル

 砂漠のバーレーン、観光地のロシア・ソチ、ともに全セッション晴天下ドライコンディションで行われました。
 バーレーンでは、ボッタスがF1キャリアで初となるPPを獲得。で、スタートも決めて序盤をトップで周回したものの、11周目に2位ベッテルがアンダーカットを狙って早めにタイヤ交換。が、直後の13周目にストロール(ウィリアムズ)がサインツ(トロロッソ)とのクラッシュでマシンを止めたためセーフティーカー導入となってしまい「フェラーリ万事休す」かと思われましたが……導入タイミングの関係で、タイヤ交換したボッタスがピットアウトするとベッテルがギリギリで前という結果に。その後ボッタスはペースが上げられずに“チームオーダー”的なことを言われたようで、27周目にハミルトンを先行させ、3位でレースを終えました。ベッテルが今季2勝目。フェラーリがバーレーンで優勝するのは2010年にアロンソが優勝して以来で、7年ぶり。
 ロシアでは、メルセデスAMG勢有利の予想の中、なんと予選でフェラーリ勢がフロントローを独占。フェラーリが予選1位2位になるのは2008年のフランスGP(PP:ライコネン/2位:マッサ)以来ということで、実に9年ぶりとのこと。これは見てて本当に嬉しかったですね(「うおお」って声上げてしまいましたw)。が、決勝では、スタートでライコネンが若干遅れた上に2コーナーまでの長い加速区間でベッテルも3番手スタートのボッタスにまくられてしまってそのまま先行を許し、終盤にベッテルが猛追したものの押し切られてしまいました。ボッタスはF1キャリアで初の優勝。フェラーリ勢はベッテル2位とライコネン3位となり、週末通して調子が上がらなかったハミルトンは4位でした。
 マクラーレンは、バーレーンではMGU-Kによくわからないトラブルが頻発し、バンドーンは決勝に出走すらできず、アロンソも完走扱いにはなったものの残り1周でリタイア。また、ロシアではフォーメーションラップでアロンソがERSの不調を訴え走行しながらリブートを試みたものの失敗して止まってしまい決勝をスタートできず、バンドーンは5基目のMGU-Hとターボチャージャーを投入した(※4レース目にして年間制限基数オーバー)ため15グリッド降格のペナルティをくらったものの、なんとか完走することはできました。

 どちらのレースも「白熱のオーバーテイクシーン」みたいなものはなかったですけど、バーレーンではセーフティーカーラップ中/ロシアでは終盤のベッテルの猛追と見所はあって、見ていて面白かったです。あと、この2戦では、やはりボッタスさんですねー。ロズベルグの突然の引退で急遽トップチーム・メルセデスAMGに移籍し、誰しも「大丈夫かな?」と思っているボッタスさんが、開幕戦では無難に3位表彰台で悪くないスタートを切ったものの中国GPではセーフティーカーラップ中にやらかしてしまって結果は6位。バーレーンでは“汚名返上”と初PPを獲得したものの“チームオーダー”で屈辱の3位、そして、ロシアではベッテルの猛追を振り切ってついに初優勝……いやぁ、ドラマチックでしたなぁ。初めてのポディウムの頂点で、横には同郷かつ因縁あるライコネンがいて、言葉は交わさずシャンパンを合わせて互いに祝福してる姿もカッコ良かったですし。で、ポイントランキングは、ドライバーが1位ベッテル(84p)2位ハミルトン(73p)/コンストラクターは1位メルセデスAMG(136p)2位フェラーリ(135p)と、メルセデスvsフェラーリの僅差対決になってて、昨年までの「メルセデス1強」ではなく今年は「選手権」って感じでイイですね。ここでレッドブルも「選手権」に加わってくれればもっとイイ感じになりそうですが……次戦スペインGPでレッドブルはマシンを大幅にアップデートするみたいなので、それに期待ですかね(PUがちょっと頼りないけどw)。
 あと、勝負の3年目ということでこの「選手権」に加わっているはずのマクラーレンホンダですが……現状は「悲惨」としか言いようがないですね。来年からザウバーにもホンダPUが供給されることが正式に発表されたことは良いニュースですけど(さらに供給先は増えるというウワサ)、その前にエースドライバーのアロンソが今年のモナコGPを欠席してインディ500に挑戦することも発表になりました。前にヒュルケンベルグのルマン挑戦(※ヒュルケンベルグはGPの合間にルマンに参加した。ま、彼の場合、挑戦どころかルマンを制覇しちゃったけどw)とかもありましたし、現役ドライバーが別カテゴリーのレースに参加するのも否定はしませんけど……伝統のモナコGPを「欠席して」ってのが個人的にはひっかかりますねぇ。まぁ、今回はアロンソのわがままというだけでなく、むしろチーム側(というかホンダ)が超積極的(エンジン供給のコネでトップチームのマシンを1台用意)に行け行け言ってるようなものなので外野がとやかく言うべきではないのかもしれませんけど、F1を1年ドライブすることで数十億円ももらってるプロがその仕事のうちの大事な1戦をほったらかしてっていうのは釈然としないですわ。しかも、今年のアロンソの仕事ぶりはあまりにもやる気がなさすぎるように見えますし(※アロンソは今シーズン唯一人チェッカーフラッグを見ていないF1ドライバー。バーレーンGPまでは決勝で誰かに抜かれると途端にレース止めてるようにも思えたし、ロシアGPでは決勝をわざと走らなかったようにも見えた)、素直に「インディ挑戦がんばって!」とは言いたくないですわ。まぁ、3年目になってなおやる気なくすようなクルマしか用意されないのでは、仕方ないかもしれませんけど……ねぇ。ま、参戦が決まった以上はインディ500もしっかり走ってもらって、その後のグランプリでエースとしてしっかり働いてください、ってところですかね。ああ、ホンダはとにかくまともなPUを早く完成させて1戦でも早く実戦投入してください。お願いしますよ、ホントに。

 今月のF1は、“ヨーロッパラウンド開幕戦”となるスペインGPと、伝統のモナコGPですな。
 スペインではレッドブル他いろいろなチームがマシンをアップデートしてくるでしょうから楽しみですし、モナコでは欠席アロンソの代役をバトンが務めるそうで、バトンが今年のマシンでモンテカルロをどう走るのかも楽しみです。

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2017年4月11日 (火)

F1 2017 中国GP

 2017年のF1開幕戦・オーストラリアGP決勝が先月26日/第2戦・中国GPが一昨日9日に行われました。

■F1開幕戦 オーストラリアGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
13位 アロンソ(マクラーレン)
18位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ベッテル(フェラーリ)
2位 ハミルトン(メルセデスAMG)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
13位 バンドーン(マクラーレン)
リタイア アロンソ(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ベッテル/「Fastest Lap Award」ライコネン/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ
■F1第2戦 中国GP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 ボッタス(メルセデスAMG)
13位 アロンソ(マクラーレン)
16位 バンドーン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ベッテル(フェラーリ)
3位 フェルスタッペン(レッドブル)
リタイア アロンソ(マクラーレン)
リタイア バンドーン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」フェルスタッペン/「Fastest Lap Award」ハミルトン/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ

 新レギュレーション下での初の実戦となった開幕戦・オーストラリアGPは、予選でハミルトンが1:22.188を叩き出して2位以下をコンマ3秒近く突き放し「ああ、今年もメルセデス盤石なのか」と思ったのですが……決勝では、トップを走っていたハミルトンが追走するベッテルより先にピットインを行ったところ、後続のフェルスタッペンに引っかかってしまってタイムロス。ここをステイアウトしてタイム差を稼いだベッテルがピットアウト後はトップに立ってそのままゴール。バルセロナテストでの好調さを証明する勝利を飾りました。そのテストが散々だったマクラーレンは、最新スペックのマシンに乗るアロンソが終盤までポイント圏内の10番手で走っていましたが、オコン(フォースインディア)とヒュルケンベルグ(ルノー)の2台に一気に抜かれるとサスペンショントラブルが出て、結局リタイア。以前のスペックのマシンに乗るバンドーンはトラブルに見舞われ続けたものの、2周遅れで完走しました。
 第2戦・中国GPは、金曜日のプラクティス(FP1/FP2)が「ドクターヘリが病院に降りられない」という聞いたことのないトラブルでほとんど行えず、事実上土曜日のFP3だけでセッティングを決めて予選突入ということになりましたが……1:31.678を叩き出したハミルトンが連続してPPを獲得しました(昨年のアメリカGP以来6戦連続PP獲得)。ただ、2位ベッテル/3位ボッタスとの差はコンマ2秒を切り(2位と3位の差は実に1000分の1秒!)、スピード差は前戦より縮まったかに思われたのですが……決勝はウェット路面でのスタートとなり、ストロール(ウィリアムズ)のコースアウトで2周目にVSC(バーチャルセーフティーカー)/VSC解除直後の4周目にジョビナッツィ(ザウバー)のクラッシュでセーフティーカー導入となって、ベッテルはVSC中にタイヤ交換したため後退(※他の上位勢はセーフティーカー導入中に交換)/ボッタスはセーフティーカー導入中にスピンしてしまい大幅後退。結果、速さに欠けるレッドブル勢が2番手3番手になったこともあってハミルトンがペースコントロールする余裕の展開となり、そのまま優勝しました。マクラーレンは、またもアロンソがポイント圏内を走行し、一時は6位を走っていましたが、ドライブシャフトが壊れたとかでリタイア。バンドーンは燃圧が下がってしまい、早々にリタイアしました。

 オーストラリアGPは「跳ね馬勝利!」で沸き立ったんですけど……正直、レースとしてはイマイチ面白みに欠けたかなって感じでした。スタートして早々にハミルトンとベッテルの一騎打ちになっちゃった上に結果はピット戦略で決まってしまいましたし、ボッタスは淡々と3番手を走って3位、ライコネンはメルセデスAMG勢から遅れて4位、フェルスタッペンが続いて5位で、マッサ(ウィリアムズ)が6位で健闘したけどほぼ周回遅れ。以下は全車周回遅れで上位勢と中団グループとの実力差がはっきりしてしまいました。それに母国GPのリカルド(レッドブル)がスタートに間に合わず途中リタイアってのも面白くなかったですな。一方の中国GPは、全車必死に走り回るFP3とか、タイム更新が激しかった予選Q3とか、決勝も最後列スタートのフェルスタッペンがスタートでスルスルと浮上していくところとかリカルドをベッテルがオーバーテイクするところとか見所も多くて、土曜日曜はなかなかドラマチックなレースになりましたね。ただ、そのドラマがトップ争いではなかったところは残念だったかな。
 あと、新レギュレーションによりコーナリングスピードが大幅に増した今年のF1マシンは、コースレコードを大きく更新することが期待されていたのですが……そちらについては、今のところどうやら「それほどでもない」ようです。オーストラリアGPが行われたアルバートパーク・サーキットは、コースレコードが1:23.837(昨年のオーストラリアGP予選 ハミルトン)だったところ、今年1:22.188と、1.6秒以上更新/中国GPが行われた上海インターナショナルサーキットは、コースレコードが1.32.238(2004年 ミハエル・シューマッハ)だったところ、今年1:31.678で、0.6秒ほどの更新でした(ちなみに、昨年のポールタイムはロズベルグの1:35.402)。他方、決勝のファステストラップのタイムでは、オーストラリアGPで昨年1:28.997(リカルド)/今年1:26.538(ライコネン)、中国GPでは昨年1:39.824(ヒュルケンベルグ)/今年1:35.378(ハミルトン)と2秒半から4秒半と結構な更新になっています。間違いなく速くなった今年のF1マシンではありますが、現時点ではレコードを3秒4秒と更新するようなところまでは至っていないみたいですね。ま、まだマシンの熟成どころか現状ではセッティング出しさえも道半ばってところが実際みたいなので、バリバリとタイムを切り刻むようになるにはもう少し時間がかかりますかね。

 F1は、連戦で今週末には第3戦のバーレーンGPが、今月末にはロシアGP、来月は“ヨーロッパラウンド”開幕戦となるスペインGPと伝統のモナコGPと続いていきます。フェラーリがこのまま優勝争いできると見ていて楽しいシーズンになりそうなんですけど……どうなりますかね。
 あと、マクラーレンホンダは、PUとシャシーの開発をとにかく頑張って下さい。お願いしますよ。

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2017年3月12日 (日)

F1 2017 プレシーズンテスト

 2月27日から4日間/3月7日から4日間の計8日間にわたり、F1のプレシーズンテストがスペインGPの舞台・カタルーニャサーキットで開催されました。
 車体のレギュレーションが大幅に変わる今年のF1。その新レギュレーション対応の各チームのニューマシンが登場するので例年以上に注目されていた今回のテストでしたが……正直なところ、ニューマシンのデザインも各チームの序列もあまり驚きはありませんでした。
 まずは、マシン。「ロー&ワイド化でカッコ良くなる!」と言われていましたが……残念ながら、それほどカッコ良くなったとは思えませんね。たしかに、タイヤは見るからに太くなったし、リアウイングは明らかに低く大きくなったので、一昔前(2000年代)あたりのスタイリングに戻ったようにも見えるのですが、ついでにシャークフィンも復活してたり(さらに「Tウイング」なんて付加物も)、ノーズ先端部のブサイクな突起もほとんどのチームで残ってしまいました。おかげで、「美しいマシン」とはとても言えず、せいぜい「昨年型のちょっとマシ版」ってのが多いように感じました。ただ、美しいマシンに仕立てる“王者”メルセデスAMGのマシンはノーズが細くなった今年型もやっぱり美しいマシンでしたし、ジェームス・キーが中心となって仕上げてきたトロロッソのマシンも今年型はメルセデスのそっくりさんながらカラーリングも一新され凄い別嬪さんになりましたので、こちらのデザインラインが今年のトレンドになってくれると嬉しいんですけどね。
 次に、チーム序列。ニューマシンが発表されテストが始まっていきなり速さを見せつけたのは、予想通りのメルセデスAMG。PU(パワーユニット)はレギュレーション変更がトークン制廃止程度なため、今年もメルセデスPUが有利と予想されており、テスト2日目午前中にハミルトン(メルセデスAMG)があっさり1分20秒983を記録。昨年のスペインGP予選Q3でハミルトン自身が記録した1分22秒000どころか、2008年のスペインGPでフェラーリF2008を駆るライコネンが記録したコースレコードの1分21秒670をも上回ってきました(※ただし、テストでのタイムは公式記録ではないので残らない)。このタイムを速報で見て「ああ、今年もメルセデス盤石かよ」と思いましたが……それに「待った」をかけたのはフェラーリ。同じ2日目の午後に、レコードを上回られたライコネンが1分20秒960を叩き出してすぐに最速タイムを奪還して見せました。そして、テスト3日目にはメルセデスAMGに移籍したボッタスが1分19秒705を出して19秒台に突入。そして、テスト後半初日にはウィリアムズに復帰したマッサが1分19秒726/レッドブルのリカルドも1分19秒900を出してきました。その後はタイム的には各チームとも伸び悩みましたが、後半3日目にベッテル(フェラーリ)がウルトラソフトタイヤで1分19秒024を出すと、テスト最終日には再びライコネンが1分18秒634を叩き出し、唯一の18秒台を刻みました。テスト開始前「フェラーリはデザイン的に失敗したのでは?」とのウワサも流れていましたし、実際今年型のSF70Hはエアーインテークが独特なデザインだったため「大丈夫なの?」って感じでしたが……終わってみれば、予想の斜め上をいくスピードを見せつけてくれました(しかも、ライコネンの最速タイムはスーパーソフトタイヤ。本気出せばもっと削れた、かも?)。また、信頼性の面でも、5102kmを走破したメルセデスAMGが今年のテストも他を圧倒しましたが、フェラーリも4450kmを走っており、見事2番手につけました。まぁ、「プレシーズンテストでフェラーリ絶好調」ってのは経験則上イマイチ信用できないので、「今年は跳ね馬の年や!」とはまだ言えないんですけど……開幕戦オーストラリアGPで本当に優勝できたりしたら、今年のフェラーリは期待していいかもしれません。また、最終日にはフェルスタッペン(レッドブル)が1分19秒438/サインツJr.(トロロッソ)が1分19秒837/ルノーワークスに移籍したヒュルケンベルグが1分19秒885と、ルノーPU勢3チームが揃って19秒台に入れてきました。ルノーPUはテスト中トラブル続きで信頼性の面では3チームとも下位に沈んでしまいましたが、スピードはそれなりに出せそうですよね。空力マシン復活ということでレッドブルも復活するのではと予想されていたところ、今回のテストではあまり強そうには見えませんでしたけど……開幕戦には別の空力パッケージになってるかもしれませんし、PUさえしっかり回れば今年も上位陣の一角にはなってるでしょうね。
 で、勝負の3年目を迎えたマクラーレン・ホンダなんですが……テスト期間中のほとんど連日、ホンダPUにトラブルが発生。テスト時間中のPUのせ替えばかりが報道され、後半2日目にはアロンソがブチ切れたとの報道もされました。結果的には、アロンソのベストタイムが1分21秒389(ウルトラソフト)で、新人バンドーンも1分21秒348(ウルトラソフト)とほぼ同じながら、19秒台には遠く及ばず、ブレーキに問題を抱えているといわれるハースのマグヌッセン(1分20秒504)/グロージャン(1分21秒110)よりも遅いタイムしか残せず、信頼性でも1978kmしか走れずにダントツ最下位。どの程度シャシー側のデータが取れたかはわかりませんけど、どう考えても今回のテストが最もうまくいかなかったチームであることは間違いないでしょうな。まぁ、テストは実車での不具合チェックの場であることも事実で、不具合の洗い出しは他よりたくさんできたとみることもできないわけではないですけど、ねぇ。PU供給先が1チームしかないホンダとしてはテスト期間中他チームよりとにかく走り回ってデータを取りまくらないといけなかったのではないでしょうか。にもかかわらず、この結果とは……電源周りのトラブルが多く、本当にPUだけの不具合なのか怪しいとはいえ(※さすがにその程度の不具合なら、さくらでベンチテストやってるうちに対策してるはず。シャシー側から過電流が流れるとかが原因ではないのかと予測)、この結果はあまりに情けないですね。開幕までにせめて電源周りのトラブルだけでも出ないように対策できて常に全力で回せる状態になっていれば、案外「本領発揮」して好成績を残すこともありうるかもしれませんけど……マシンデザインもあまり美しくないし、チームカラーのオレンジを配した新カラーリングもイマイチだしで、どうにも現状では期待できないですなぁ。予想外な方向で活躍してくれることを祈るほかない、ですかねぇ。

 何はともあれ、2週間後には開幕戦・オーストラリアGP決勝です。
 今月からまた「フジテレビNEXT ライブ・プレミアム」の契約をスカパーとしましたし、高速コーナリングマシンになったニューF1による2017シーズンが面白いシーズンになってくれることを願いますわ。

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2017年1月25日 (水)

F1ストーブリーグ16-17&バーニー・エクレストン退任

 F1は現在オフシーズンでして、「新レギュレーションに合わせた新車開発の時間を多く取る」とかいう理由で開幕前テストも今年は非常に遅い時期に設定されているため、各チームのマシン開発状況も今は全く不明だったりします。
 で、そんな時はドライバーの移籍話・通称“ストーブリーグ”の話題になるのですが……昨シーズン終了直後のロズベルグ電撃引退によって生じたメルセデスAMGの空きシートは昨年末ぐらいから報道されていた通りウィリアムズからボッタスが移籍し、空いたウィリアムズのシートにはマッサが復帰するという形になりました(ウィリアムズのもう1人は新人ランス・ストロール)。ベッテルとかアロンソなど他チームのエース級がメルセデスAMGに移籍して連鎖的な大移動勃発、なんてことにはならなかったため、イマイチ面白くない結果になってしまった感もありますけど……当のボッタスは大変ですな。正ドライバーとはいえ、契約は1年。環境が一変する上に、「昨年までのクルマとは別カテゴリーのクルマ」とも言われる新レギュレーションの下でのニューマシンで結果(上位入賞どころか表彰台当たり前、みたいな)を求められ、さらに比較対象はあのハミルトン。「跳ね馬のエース」よりかはマシかもしれないけど、強烈なプレッシャーの中で1年闘うってのは大変そうですね。とはいえ、結果を出せば名実ともにトップドライバーと証明されるわけですし、頑張ってもらいたいものです。また、レッドブルとフェラーリは2人とも残留。フォースインディアにはペレスが残り、新たにマノーからオコンが移籍。マクラーレンは、バトンが引退してバンドーンが加入。トロロッソは2人残留で、ハースはグロージャン残留/ルノーからマグヌッセンが移籍、ルノーはパーマー残留/フォースインディアからヒュルケンベルグが移籍。ザウバーはエリクソンが残留し、マノーからウェーレインが移籍することになりました。
 そして、残るマノーはと言いますと……現在破産手続中で、どうやら風前の灯火状態みたいですね。チームに対する出資者探しの最中らしいですけど、仮に新規出資者が見つかった場合でも時間的に2017年型車を開幕戦までに準備するのは難しいとして、FIAに序盤3レースについては2016年型車での参戦を認めるよう求めたとか……といっても昨年のマシン用のタイヤとか今年はありませんし、もはや八方ふさがりですかねぇ?せっかくハースが入ってきたのに、まーた退場するチームが出るとか……本当にそうなってしまったら、残念としか言いようがありませんわ。

 そんな中、一昨日23日にアメリカのリバティメディアがF1の運営権取得手続きを完了したと発表しました。21世紀フォックス副会長のチェース・キャリーがF1の新しい最高責任者(CEO)となり、今までF1を率いてきたバーニー・エクレストンはCEOを退任して名誉会長に。また、あのロス・ブラウンがモータースポーツ担当取締役、ESPNで販売・マーケティング担当上級副社長を務めたショーン・ブラッチスが商業担当取締役に就任することも発表されました。
 今までなんだかよくわからない運営がヨーロッパでなされていたF1が、これからはアメリカのメディア大手によって運営されていくこととなり、また最近は“老害”を通り越しシスの暗黒卿か何かの如く振る舞っていたバーニー・エクレストンがF1運営に(おそらく)関わらなくなるわけでして、これは「もしかしたら、運営が風通し良くより可視化されて、F1が良くなるのでは!?」と思いたくもなるニュースです。もちろん、F1が世界選手権として世界規模で毎年開催され続けてきたのはバーニー・エクレストンがいたからというのも事実でその功績は非常に大きいのですが、近年「F1は金持ちだけが見ればいいんだ!」みたいなことを発言してみたり、そもそもプロ競技として何を目指すのかって根本的なところから迷走させてしまったりとあれもこれもおかしかったですからねぇ。この点、リバティメディアならメディア戦略はきっちり立てるだろうし(※正しい戦略かどうかは別)、競技運営もロス・ブラウンなら1からしっかりとやってくれるんじゃないかと思います。
 ま、今年は時期も時期だしすぐに変わるとは思いませんが、来年再来年あたりからはF1も現代的なプロスポーツへと変革されるかもしれませんね。あまり多くは望みませんけど、F1がより良き方向へ変わっていくことは期待したいと思います。
 あと、今年は有料でも視聴するつもりですが、できることなら来年からは無料放送を復活してほしいです。F1から離れた客を呼び戻すためには、関心を呼び起こすことから始めるしかないと思うので。そちらの方もよろしくお願いいたします。

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2016年12月 3日 (土)

F1 2016 アブダビGP

 F1最終戦・アブダビGP決勝が先月27日に行われました。
 私の調子が結局良くならないので、第20戦・ブラジルGPと合わせた記事とします。

■F1第20戦 ブラジルGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 ライコネン(フェラーリ)
10位 アロンソ(マクラーレン)
17位 バトン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 フェルスタッペン(レッドブル)
10位 アロンソ(マクラーレン)
16位 バトン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」フェルスタッペン/「Fastest Lap Award」フェルスタッペン/「Fastest Pit Stop Award」ルノー
■F1第21戦 アブダビGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 リカルド(レッドブル)
9位 アロンソ(マクラーレン)
12位 バトン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 ベッテル(フェラーリ)
10位 アロンソ(マクラーレン)
リタイア バトン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ベッテル/「Fastest Lap Award」ベッテル/「Fastest Pit Stop Award」レッドブル

 第20戦のブラジルGPは、予選はなんとかドライコンディションでやれたものの、決勝が雨雨雨でセーフティーカー→クラッシュ→赤旗中断ループの酷く荒れたレースに。ロズベルグが優勝すればチャンピオン決定でしたがそれどころではなくなり、元々ウェットがそれほど得意でないロズベルグはひたすらリスク回避で、雨でも速いハミルトンが優勝しロズベルグは今回も2位を死守。また、スピンしたりウェット/インターミディエイトのギャンブルに失敗したりと散々だったフェルスタッペンが、最後のセッションで他車を抜いて抜いて抜きまくって3位表彰台をゲットしました。こわいもの知らずというかなんというか……ただ、見ている側としては水を得た魚のようにスイスイと抜きまくるあのドライビングは実に素晴らしかったです。
 そして、チャンピオン争いが12ポイント差で迎えた最終21戦・アブダビGP。ロズベルグは3位までに入れば=表彰台に立ちさえすればハミルトンの結果がどうであれチャンピオンという状況で最終戦を迎えましたが……Q3でコースレコードに迫る1分38秒台を叩き出すなど、今回もハミルトンが先行。「スタートか1コーナーで何かあればあるいは」とも思いましたが、ハミルトンもロズベルグもきっちりスタートを決めて1コーナーもすんなりパス。その後、1回目のピットインで2人とも後から入ってきたフェラーリを待たされることになりましたが両者待たされたので差はほとんどつかず、アクシデントはこれだけ。ハミルトンは策略(?)からかスローペースの走行を続けたため、最後はハミルトンとロズベルグ、2回目のピットでスーパーソフトを選択し最終盤に3番手へ浮上したベッテル、それに1ストップ作戦で4番手のフェルスタッペンまでが連なる形になったものの、ベッテルも無理はしなかったためにこの隊列のままチェッカーフラッグが振られ、ロズベルグは2位となって表彰台に立ちワールドチャンピオンとなりました。アロンソは10位入賞で1ポイント獲得。このレースでF1を引退すると表明したバトンは、序盤にサスペンションが折れるトラブルが出てしまい、残念ながらリタイア。一方、マッサ(ウィリアムズ)は9位入賞で15年間のF1キャリアを締めくくりました。

 これにて、2016年のF1も終了しました。
 ドライバーズタイトルは、385ポイントを稼いだロズベルグが獲得。リタイアノーポイントは“同士討ち”になったスペインの1回だけながら、モナコ他4回表彰台を逃し、シーズン勝利数も21戦中9勝で10勝したハミルトンに及ばなかったりしましたが、最終的に5ポイント差でハミルトンの猛追を凌ぎきりました。ロズベルグはF1デビューから11年目にして初の戴冠。また、父ケケ・ロズベルグもF1チャンピオンであり(1982年。1勝のみでチャンピオンを獲得した)、親子でF1チャンピオンになったのはグラハム・ヒル(1962&68)/デイモン・ヒル(1996)親子に次いで2組目。ロズベルグ、おめでとうございます。ランキング2位は380ポイントを獲得したハミルトン。21戦中10勝/スペインを除くと表彰台を逃したのは3回と安定した成績を残しましたが……やはりマレーシアのリタイアノーポイントが痛恨でしたね。ただ、ハミルトンは3位が4回(ロズベルグは2回)あったりしますし、「ロズベルグよりもポイントを取りこぼした」というのも事実かと。F1が総ポイント数を争う競技である以上、負けは負けですな。ランキング3位は256ポイントのリカルド。マレーシアでの1勝とロシア以外の20戦でポイントを獲得。レッドブルの復調を証明する立派な3位だと思います。ランキング4位は212ポイントのベッテルで、5位は204ポイントのフェルスタッペン。今季0勝に終わった不振のフェラーリながら、最終戦でフェルスタッペンをブチ抜いてランキング4位を死守したあたりは“跳ね馬のエース”の意地、でしょうか。ただ、ベッテルとチームに生じた溝は端から見てるともう埋めがたいレベルにも思えますが……どうなりますかね。一方、その攻撃的なドライビングで批判されまくりのフェルスタッペン君ですが、シーズン途中にチーム変わっていきなり優勝(スペイン)した上、その後も表彰台6回登って、終わってみれば200ポイント超え達成……とんでもない若者であることは間違いないでしょうし、その才能は認めざるを得ないでしょうな。良くも悪くも今年最も目立ったF1ドライバーだったと思います。ただ、来年はもう少し大人のドライバーになってもらえると……いや、何でもないです。ランキング6位は186ポイントのライコネン。表彰台は4回に留まり、表彰台に立っている印象よりもフェルスタッペンとレース後にやり合ってる印象の方が強かったような気がします。7位には101ポイントを稼いだペレスが入りました。荒っぽいドライバーの1人だった彼も、今や中堅どころの筆頭格みたいになりましたね。タイヤの使い方では職人的だったりしますし、表彰台にも2回立ったし、立派です。8位ボッタス、9位ヒュルケンベルグで、アロンソが54ポイントでランキング10位に。11位マッサ、12位サインツ、13位グロージャン、14位クビアト、15位に21ポイントのバトンが入りました。
 コンストラクターズタイトルは、765ポイントのメルセデスAMGが獲得。21戦19勝、今年も完全に他を圧倒。2位は、468ポイントのレッドブル。3位はフェラーリで、398ポイント獲得。4位は173ポイントのフォースインディアで、5位は138ポイントのウィリアムズ。終盤まで争っていましたが、終わってみれば結構差がついてしまいましたね。6位は76ポイントを稼いだマクラーレン。昨年27ポイントしか取れず9位だったことを思えば「躍進した」とも言えますけど……目指す場所はこんな位置ではないはずなので、来季はしっかり表彰台争いをするチームになっていてもらいたいです。7位トロロッソで、新加入のハースが8位。これは立派。9位は新生ルノーで、10位はブラジルでナスルが獲得した2ポイントによりザウバー。オーストリアでウェーレインが1ポイントを獲得したマノーは残念ながら最下位でした。

 今季のF1は、見ててとにかく面白くなかった2014年よりさらに面白くなかった2015年と同じく、メルセデス1強&マクラーレン・ホンダがまだまだ弱い、見ていて楽しくないシーズンだったと言えますかね。ただ、オープニングラップで“1強”の2台だけがいきなり消えたスペインGPとか、リカルドが奮戦したモナコGPとか、ドラマチックだったマレーシアGPとか、川合さんがボヤくほど長かった雨のブラジルGPとか、チャンピオンシップが懸かって最後の最後までわからなくてドキドキした最終戦とか、楽しめたレースもあるにはありましたね。トップチームのマシンを駆って暴れ回るフェルスタッペン、初戴冠に向けて突っ走ることができずに耐えるロズベルグ、吹っ切れてひたすら押しまくるハミルトン……ドライバー同士の人間模様も今年は垣間見えたので、昨年よりは多少は良かったかもしれません。今年からは無料視聴枠が日本から消えてしまい、初めてお金(1万円弱ぐらい?)払ってF1の中継映像を見てきたわけですが、少なくとも「カネ返せ!」って気分ではないので、まぁ面白くはなかったが有料でも満足はできた、って感じですかね。
 で、来季は……とか考えていたら、昨晩遅くに突然「ロズベルグ引退」の報道がなされまして、驚愕しました。「チャンピオン獲った途端引退かよ」と思ったのと同時に、「後釜どうすんの?」って。今年はストーブリーグが早くに終わってまして、残ったシートは既に「ザウバーの1つとマノーだけ」って言われてましたが、ロズベルグが引退するとなると一番良い(と思われる)席が1つ空くわけで……何が起こるか全くわからなくなってしまいました。テストドライバーでもあるウェーレインが昇格すれば特段問題なさそうですけど、仮にベッテル(ドイツ人)とか他チームのエース級が移籍なんてことになると大変なことになります。「エース級なんてのは契約で拘束されているんだよ!」とか言われそうですけど、なぜか非常事態には契約が簡単に破棄されたりするのがF1界だったりするので、予断を許しません。トト・ウォルフが「メルセデスのコクピットはどのドライバーにも自由に開かれている」「必要なだけ時間を取るつもり」とか言ってるのも、「エース級さんの移籍、待ってまーす」と言っているようにも聞こえますしねぇ(ウェーレインなら支配下なので即決のはず)。どうなることやら。
 一方、マシンの方はレギュレーションが大きく変わりますので、一新されます。タイヤの幅がかつてのようなワイドタイヤになるのに合わせて、ワイドトレッド・ワイドウイングになって削られ続けたダウンフォースも今回は増します。PUのレギュレーションはほぼ変更ないようですが、開発制限は撤廃されるのでシーズン途中で新設計のPUにスイッチし劇的にパワーアップすることも不可能ではなくなりました。というわけで、来季の勢力図はどうなるのか、現時点では全くわかりません。今のまま“メルセデス盤石”が続くのかもしれませんし、エイドリアン・ニューウェイがとんでも空力マシンを作り上げてレッドブル1強時代に戻るかもしれませんし、2009年のブラウンGPの例がありますから黄色(ルノーワークス)無双とかインド無双なんてこともあるかもしれない。もちろん、古参のフェラーリやマクラーレンやウィリアムズが1強に返り咲くことだってあり得ます。レギュレーションが大きく変わった年は何が起こるか予測不可能なんです。ま、できれば1強ではなく3強か4強ぐらいになってくれた方が見ていて楽しくなりそうなんですが……どうなるんでしょうかね。外観的にどのくらい変わるのか実際どのくらい速くなるのか、来季の新マシンはカッコ良くなるらしいし、とても楽しみですわ。

 来年は、マシンと共にF1という競技自体が大きく面白く変わった1年となればいいですね。

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2016年11月 3日 (木)

F1 2016 メキシコGP

 F1第19戦・メキシコGP決勝が先月30日に行われました。
 私の調子が未だよろしくないので、今回も連続開催された第18戦・アメリカGPと合わせた短縮版の記事とします。

■F1第18戦 アメリカGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 リカルド(レッドブル)
12位 アロンソ(マクラーレン)
19位 バトン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 リカルド(レッドブル)
5位 アロンソ(マクラーレン)
9位 バトン(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」フェルスタッペン/「Fastest Lap Award」ベッテル/「Fastest Pit Stop Award」レッドブル
■F1第19戦 メキシコGP
・予選
1位 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 フェルスタッペン(レッドブル)
11位 アロンソ(マクラーレン)
13位 バトン(マクラーレン)
・決勝
優勝 ハミルトン(メルセデスAMG)
2位 ロズベルグ(メルセデスAMG)
3位 リカルド(レッドブル) ※3着はフェルスタッペン/表彰台にはベッテルが上ったが、レース後の裁定で繰り上がった
12位 バトン(マクラーレン)
13位 アロンソ(マクラーレン)
「Driver of the Day Award」ベッテル/「Fastest Lap Award」リカルド/「Fastest Pit Stop Award」ウィリアムズ

 昨年はハリケーンの余波で大変なことになってしまい以降の開催が危ぶまれたアメリカGPも、今年はキレイに晴れ渡りお客さんもいっぱい入って興業としてはイイ感じそうでしたが……決勝はイマイチ面白くない展開でした。スタート直後の1コーナーでリカルドが2番手に上がり、中盤でヒュルケンベルグ(フォースインディア)とボッタス(ウィリアムズ)が接触/フェルスタッペンが27周目に突然ピットに入ってきてピットクルー大慌て→直後の29周目にスローダウンの後、コース上でストップし、VSC(バーチャルセーフティーカー)/37周目に念のためのピットストップを敢行したライコネンのマシンにホイールナットの締め忘れが発生→リタイアとなってしまいライコネン激怒、とトラブルはいくつか発生しましたが、ハミルトンは終始首位をクルージング/ロズベルグもVSCの間にピットインしてまんまとリカルドを抜いて“ノルマ”の2位ゲット、と結局は「メルセデス盤石」でした。一方、上記のトラブルがすべて良い方向に働いたマクラーレンは、アロンソが5位をゲット/バトンも9位に入ってダブル入賞。惨敗した日本GPがウソのように12ポイントも荒稼ぎしました。
 で、昨年復活して大観衆が押し寄せたメキシコGPは、さらに多くの観衆が押し寄せたようで、興行的には大成功だったみたいですけど……ことらも展開はイマイチ。FP1:7番手/FP2:3番手/FP3:4番手/Q1:6番手/Q2:5番手とロズベルグが週末通して不調で、面白くなるかなとも思いましたが、Q3に2番手タイムを叩き出してしまい……決勝もリスクを廃した危なげない進行で、やっぱり「盤石」。またも首位をクルージングしたハミルトンが優勝し、通算51勝目。通算勝利数でアラン・プロストに並び、歴代2位となりました。ロズベルグも“ノルマ”の2位を死守。また、今回2回ストップが予想されていたところ、ベッテル(フェラーリ)が1回ストップ作戦を敢行したことで、上位陣に「1ストップ縛り」のような状況が発生。最後の最後にフェルスタッペン/ベッテル/リカルドの間での3位争いが激烈になってそこは結構見ていて面白かったのですが……フェルスタッペンがコーナーをショートカットしてベッテルを抜き返し順位を維持したのにベッテルに順位を譲らず、そのままレースは進行。レース終了直後フェルスタッペンに5秒加算ペナルティが科され、表彰式控え室に入っていたフェルスタッペンは退去させられてベッテルが表彰台に/さらに決勝後、ベッテルがリカルドの追い抜きに対しブレーキング中の進路変更を取られ10秒加算ペナルティが科されると発表。最終的にはリカルドが3位で、フェルスタッペン4位、ベッテルは5位ということになりました。これはね……対象が人気のフェルスタッペンだからレース中に順位を譲るよう裁定を出さなかったのか、またメキシコで人気のあるフェラーリのドライバーだからベッテルを表彰台に上げておいてレース後に降格したのか、って「恣意的な判断がなされたのでは」と勘ぐりたくなるくらいにアンフェアで後味の悪い措置だなと感じましたよ。F1もプロスポーツである以上は、結果(表彰台)を左右するような裁定については厳密で公正な判断を的確にしてもらいたいものです。一方、マクラーレンは下位に沈んだまま何もできずに終わりました。今度はアメリカでの好結果がウソのように鈴鹿と同じパターンでノーポイント……「ロン・デニスが更迭されるのでは」とも言われてるみたいですけど、好不調の“波”が激しすぎるというか、最近のマクラーレンって一体どうなってんですかねぇ?
 チャンピオンシップは、ハミルトンが連勝して50ポイント/ロズベルグが連続2位で36ポイントを獲得し、ポイント差は19に縮まりました。が、残り2戦となったので、ハミルトンがさらに連勝したとしても、ロズベルグは残り2戦を2位と3位でもチャンピオンとなります。逆に、次戦ブラジルGPでロズベルグが優勝すると、ハミルトンは2位になっても最終戦で逆転不可能となるのでチャンピオンが決定してしまいます。ロズベルグがアメリカ2連戦を共に2位で乗り切ったのは、かなり大きいんじゃないですかね。個人的には、今年はロズベルグにチャンピオンになってもらいたいんですけど、どうなるのでしょうな。

 F1ではないのですが、先週アウディの今年限りでのWEC撤退が発表され、昨日はVWがWRCから撤退することも発表されました。WRCには来年から入れ替わりにトヨタが復帰するのでさほど痛手にはならなそうですけど、WECのLMP1ハイブリッドクラスはどうなるんでしょうか……アウディは今年新車を投入してきていたので、撤退の報を聞いたときは驚きましたわ。ヨーストと組んでどっかのメーカーが新たに参入すれば面白いんですけどね(日産とかマツダとかジャガーとかメルセデスとかプジョーとか)。
 ここ10年ほどモータースポーツには厳しい環境が続いていますけど、これからも持続して発展し続けていけるよう世界的になんとか盛り立てていかないといけませんなぁ。

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2016年10月11日 (火)

F1 2016 日本GP

 F1第17戦・日本GP決勝が一昨日行われました。
 日本、言わずと知れた本田技研工業の母国であります。鈴鹿サーキット、言わずと知れた本田技研工業傘下のパーマネントサーキットであります。そんなホンダが、F1でのマクラーレン・ホンダとしての復帰2年目、「トップ3に次ぐチーム」として母国に凱旋……とは、今年もいきませんでした。

 予選。雨天が予想されていたものの雨は午前中のみで、曇天ながら路面はドライ。となれば、荒れる要素はなくなり(前戦のハミルトン車のトラブルが深刻なエンジントラブルだったようで、メルセデスがPUユーザー全員にパワーセーブを言い渡したようですが……言うほど影響は大きくなかった)、予想通りメルセデスAMG勢のトップ争いということになってしまいました。他方、期待のマクラーレン・ホンダはQ1からまさかの大苦戦。アロンソは15番手でぎりぎりQ1突破/バトンは16番手でQ1落ちを喫しました。また、Q2もアロンソはふるわず、結局予選は15番手で終わりました。PPはロズベルグ(メルセデスAMG)が獲得し、3年連続。2番手ハミルトン(メルセデスAMG)。3番手ライコネン/4番手ベッテルとフェラーリ勢が続き、5番手フェルスタッペン/6番手リカルドとレッドブル勢は今回フェラーリに先行を許しました。7番手ペレス/9番手にヒュルケンベルグとフォースインディア勢が入り、8番手にグロージャン/10番手にグティエレスとハース勢が今回トップ10入りしてきました。ハースは初の鈴鹿にして初の揃ってQ3進出を達成。次戦が母国GPだからかどうかわかりませんけど、調子上げてきましたかね(新興ハースが結果を出したのに、名門マクラーレンときたら……)。
 決勝。また午前中に雨が降ったようですが、午後は曇天で路面はドライ。ライコネンがギヤボックス交換で5グリッド/ベッテルが前戦の接触が原因の3グリッド降格処分でそれぞれ8番手/6番手スタート、さらにバトンがエンジン交換ペナルティで最後尾スタートに。荒れる要素がまたまた取り払われメルセデスAMG勢独走かと思いましたが、スタートでハミルトンが出遅れ8位に落ちるアクシデントが発生。3周目にはベッテルがペレスをかわして3位に浮上、1位ロズベルグ/2位フェルスタッペン/3位ベッテルとなって「フェラーリが追撃する面白い展開か」とも思ったのですが……結局追撃できたのはハミルトンだけ。おそらくはパワーセーブの関係で2位フェルスタッペンを抜くことまではできなかったものの、3位まで戻して表彰台に乗ることには成功しました。優勝はロズベルグで、フェラーリ勢はベッテル4位/ライコネン5位。前戦優勝のリカルドは6位で、7位ペレス/8位にヒュルケンベルグのフォースインディア勢。9位に今季限りで引退するため鈴鹿ラストランとなったマッサ(ウィリアムズ)が入り、10位はボッタス(ウィリアムズ)。全車完走の上、セーフティーカーもバーチャルセーフティーカーさえもない展開では何もできずに下位に沈んだままとなってしまったマクラーレン勢はともに周回遅れとなりアロンソ16位/バトン18位に終わりました。「Driver of the Day Award」はフェルスタッペン/「Fastest Lap Award」はベッテル/「Fastest Pit Stop Award」はウィリアムズが獲得。

 抜きにくいコースレイアウトもあって、決勝は予想通りというかほとんど面白みのない展開になってしまいましたが……マクラーレン・ホンダにとっては「それ以前」のレースでしたな。昨年の日本GPの記事での感想も同じ書きだしで、「来季はMP4/4みたいな“無敵マシン”とまではいかなくとも、勝負ができるPUとシャシーをホンダとマクラーレンとで必ず用意してもらいたいものです。本当に。」で締めたのですが、その昨年以下の成績になってしまうとはねぇ(昨年はアロンソ11位/バトン16位)。「セパンでダブル入賞なら、今年はいける」と私も楽観視してましたが甘過ぎでした。蓋を開けてみれば、ルノーの2台(パーマー12位/マグヌッセン14位)にもザウバーのエリクソン(15位)にも負ける「惨敗」ですよ。しかも、ドライの鈴鹿(特殊要因なし)での敗北ってことは、MP4-31のF1マシンとしての実力がこんなもんってことであって言い訳できませんし。それに、フォースインディアとウィリアムズは4台揃ってきっちりポイント獲りましたから(しかも、両チームとも使い古しのPUな上にパワーセーブ中。ホンダPUは新品)……追いついたと思っていた2チームが、またはるか彼方へ遠のいた感じです。今年のマクラーレン・ホンダには本当にガッカリしましたわ。もうシーズン終盤ですし、シャシーのレギュレーションが大幅に変わる来年に期待するしかないですけど……どうなんですかねぇ。
 他方チャンピオンシップでは、ロズベルグがハミルトンをさらに引き離すことに成功。ポイント差は33に広がりました。残りは4レースなので、仮にハミルトンが残り全勝したとしてもロズベルグは2位を3回+3位が1回でもチャンピオンということになりました。また、今回でもってメルセデスAMGチームのコンストラクターズタイトル獲得が確定して究極“同士討ち”をも狙える状態にもなったので、「自分だけノーポイント」を避ければ良くなり、優位に立ちましたね。こうなると、ハミルトンはとにかく再逆転を信じて勝つしかないわけですが……まぁ、焦ってる感じは見受けられないし、とりあえず次の連戦(アメリカGP/メキシコGP)ですな。

 今年の日本GP来場数は過去最低だったみたいですけど、これも仕方ないでしょうな。レース終了後にBSフジで無料視聴できる特番(これまでの2016シーズン16戦ダイジェストと日本GPの1時間版)をやってましたが、普段は有料放送のみで地上波では「F1自体今は開催されていない」に等しい状態ですからねぇ(実際フジのニュースでさえスルーしてたし)……世間一般からは完全に切り離されてしまっている以上、関心がある人以外は来場しないのも当然です。そんな中で決勝日72000人/3日間合計145000人も鈴鹿に集めたなら、むしろ凄いことだと私は思いますわ。「何とかしたい」というのなら、世間に存在自体をアピールし直すところからやり直さないといかんでしょうな。F1の経営権がアメリカの企業に移ると先月発表になったので、そのあたりの方針もこれまでとは変わってくれればあるいは、とも思いますけど……F1自体も今後どうなっていくんでしょうかね。

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