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2017年12月28日 (木)

来季のF1を見たいと思わない

 何年かぶりに、フジテレビのF1総集編を見ました。昔は年末になると当たり前に地上波で見ることができたF1総集編も、あるときから有料限定コンテンツになってしまい、初めてCS契約した昨年は11月でフジNEXTの契約を切ってしまったので見ることはできず、今年が有料化後初の総集編視聴となったわけですが……見ていてあまり面白くなかったです。特に“夏休み”明けのベルギー→イタリア→シンガポール→マレーシア→日本でのフェラーリの体たらくを連続で見た気分の悪さと言ったら、もう……「赤い跳ね馬も地に墜ちたな」とでも吐き捨てたくなるほどイヤな気持ちになりました。
 一方、過去のF1中継を振り返るF1 LEGENDSも見ました。2000年のベルギーGP(終盤にミカ・ハッキネンとミハエル・シューマッハがリカルド・ゾンタを挟んで3台横並びになったグランプリ)を放送していたのですが、こちらは面白かったですね。ま、過去の面白いグランプリを選んで放送している番組ですから、当然見ていても楽しいんですけど……3リッター自然吸気V10エンジンの甲高くて限界域まで当たり前に回すからむせび泣くようなエンジン音、今から見ると若干野暮ったいけど流麗で美しいデザインのマシン、カッコいいカラーリング、コース外は昔ながらの芝生やらグラベルやらでちょっとでも飛び出せば命に関わりかねない危険と隣り合わせの中での激しいドライビング……「昔って、こうだったよなー」と感慨にふけってしまいました。それに比べて、昨今のF1ときたら……そして、来シーズンのF1は……

 正直なところ、「来季のF1を見たいと思わない」んです。「見よう」という気にまるでなれない、こんなことは初めてなのですが、なんとなくではなく、かなり強い気持ちです。「見たくない」のです。
 来シーズンのF1は、今年の車体みたいな大きなレギュレーション変更はなされないのですが、いくらかは変わります。小変更ではありますが、競技の本質にかかわるという点では大きい変更だったりします。
●HALO義務化
 FIAは2018年からF1マシンにコクピット保護デバイス“HALO(ハロ)”の搭載を義務付けることを既に発表しており、部分的ながらマシンの外観が変わります。コクピットの周囲に下駄の鼻緒みたいなバーをくっつけることで長らくむき出しになっているドライバーの頭部を保護するもので、天使の輪っかという意味合いで“HALO(ハロ)”と呼ばれているのですが……マシンの中心にあるドライバーのヘルメットの上に無粋でゴツいバーがつけられるわけで、はっきり言って「極めて不格好」です。気にならない人には気にならないようですけど、長年F1を見続けてきた私からすれば「かつてないレベルで邪魔で不細工で美しくないパーツ」であり、「オープンシーターマシンにとってはありえない変更、あってはならない変更」に他なりません。もちろん、ドライバーの頭部保護の必要性は認めます。ですが、どうしてもドライバーを保護したいのならWECのLMP1のような頑強クローズドコクピットにするべきであって、オープンシーターであることを捨てるべきではないのでしょうか?(というか、危険を完全に回避するにはレース自体をやめるしかないのだが)。なのに、あんなとってつけただけのバーで「ないよりはマシ」程度の防護のために、ありえない変更を加えてしまうとは……信じられません。
 で、クリスチャン・ホーナーが言うには、FIAが導入をやたら急ぐのは「訴訟リスクの回避のため」のようです。ということは、実態はドライバーの安全のためでも何でもなく、FIAのジジイどもの単なる「保身」ってことですよね(それも金銭面だけの)。本当に情けないったらありゃしませんよ。そんなに訴えられたくないのならレースなんてもう止めたら?って言いたいです。
 ちなみに、“HALO(ハロ)”余計なパーツ、それも人を保護するデバイスなので、重いです。一説にはパーツとそれを支える構造物で14kgとかになるらしいですな。超軽量であることこそがF1マシンの長所なのですが、重いバッテリーを積んだりなんだりで近年ずっと肥大化し続けています。この上、さらに重くしてどうするんですかねぇ?F1って何なのでしょうか。
●PU基数制限
 今シーズンは全20戦だったため、PU基数制限は年間4基までとなっていました。これをクリアできずにルノーPUやホンダPUを搭載したクルマが今年もたくさんグリッドペナルティくらっていろいろ批判されましたよね。で、来季からはその制限がより厳しくなり、ICE(内燃機関)/TC(ターボチャージャー)/MGU-Hは3基まで、ES(エナジーストア=バッテリー)/CE(コントロールエレクトロニクス)/MGU-Kは2基までに減らされます(違反すれば、やっぱりグリッドペナルティ)。来シーズンのF1は全21戦が予定されているので、少なくともPU1基につき7グランプリ分は走らないとダメということになります。当然、7グランプリもたせないといけないということは、5グランプリもたせれば良かった今シーズンよりもPUの寿命を縮めるような全開走行は極めて限定的にしか行えないということであり、経済的負担の大きいカスタマーユーザーは大事に大事にPUを使っていくしかありません。ワークスチームのトップドライバーも全開アタックできる機会が限られるでしょうけど、カスタマーチーム(いわゆる中団勢)はとにかくパワーセーブですから今以上にワークスチームとの差は大きくなるでしょうね。
 ちなみに、この基数制限、2019年までにさらに厳しくなって、グランプリ数にかかわらずドライバー1人につき年間2台までしかPUが使えないことになる、とか言われています。F1って、壊れないように労って労って走る耐久性テストが目的でしたっけ?省エネ走法の競争でしたっけ?「いい加減にしろ」と言いたい。

 F1とは、そもそも何でしょうか?オープンシーターオープンホイールの世界最高峰フォーミュラカーに乗って世界一速く走ることができるドライバーを決める競技、ではないのでしょうか?
 にもかかわらず、重くて不格好でショボい音しか出ないマシンが世界最高峰のフォーミュラカーといえるのか、PUを労って労って全開とはほど遠い状態でのろのろと走ることが世界一速い人間を決める競技といえるのか。せっかく今年のレギュレーション変更でワイド&ローの車体に戻って速さを取り戻したというのに、またオープンシーターの潔さを捨ててまでカッコ悪くして重くして、その上、エンジン全開で走ってはダメってなんなんですかね?そんな本質まで見失った競技を、わざわざ視聴契約した上でお金払ってまで見るべきものと言えるのでしょうか?F1を今まで30年近く見てきましたけど、速さも美しさも闘いも激しさも何もかも失い続けるF1にもうホントにウンザリなんです。来シーズンのF1は、もはや速いドライバー決定戦でもないし、競技とすらもいえない、世界中のサーキットで派手なクルマ走らせるだけサーカスですよ。
 したがって、私は現状では「来季のF1を見たいと思わない」のです。ま、来季はホンダがトロロッソホンダとして再起動するし、ポールリカールでのフランスGP復活というイベントもあったりするので、本当に見るのをやめるかどうかは来年のプレシーズンテストがどんな状態なのかをチェックしてからにしようとは思っていますけど……ね。例年通りシーズン通しでF1を全戦きっちり見ることは、たぶんないでしょう。現行のコンコルド協定が切れてリバティメディアによる競技自体の改革が実を結ぶ(かもしれない)2021年シーズンあたりまで、まったく見なくなってしまうかもしれませんな。

 プロスポーツというのは、観客がお金払ってでも「見たい」と思って初めて成り立つものです。その上でプロスポーツである「F1」とはそもそも何なのか、運営側にはその本質をもう一度しっかり確認してもらいたいです。
 プロスポーツとしてあるべき形をF1が取り戻したなら、私もまた全戦「見よう」と思うでしょう。その時まで、残念ですけど暫しのお別れ、ですかね……ホント、残念ですよ。

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