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2014年11月25日 (火)

F1 2014 アブダビGP

 今年のF1最終戦・アブダビGP決勝が一昨日行われました。
 F1史上初めて最終戦のみポイントが倍となる「ダブルポイント」が適用された今年のアブダビGPは、ドライバーズタイトルがかかった一戦となったため「ダブルポイント故の“番狂わせ”が起こってしまうのでは?」と悪い方の意味で注目されたりもしていましたが、そんな予想ともまた違う思いがけない結末となりました。
 予選。マルシャは結局参加できなかったものの、破綻状態から何とか復活した(らしい)ケータハムの2台が参加したことにより、Q1/Q2で5台ずつ脱落する特別ルールで開催されましたが……そのケータハムは、可夢偉21番手(3秒遅れ)/チームからさっさと離脱したエリクソンの代役・スティーブンスが22番手(4秒遅れ)でQ1敗退(ま、当然か)。Q3にはフリー走行で好調だったクビアト(トロ・ロッソ)が進出し、代わりにマグヌッセン(マクラーレン)がQ2落ち。注目のメルセデスAMG対決は、ハミルトンがイマイチだったこともあって、ロズベルグに軍配が上がりました。PPはロズベルグで、2番手ハミルトン。3番手ボッタス/4番手マッサのウィリアムズ勢で、続いて5番手リカルド/6番手ベッテルのレッドブル勢(※予選後フロントウィングの規定違反をとられたため、レッドブル勢2台は決勝ピットスタートになった)。クビアトが7番手に入り、8番手バトン(マクラーレン)。9番手ライコネン/10番手アロンソと、フェラーリ勢は今回も元気なし。
 決勝。ハミルトンが「キャリアの中で一番いいスタート」と自画自賛したほどのロケットスタートを決め、ロズベルグを難なくかわしてトップに。一方のロズベルグは2位をキープしていたのですが、ERSにトラブルが発生したらしく24周目にコースアウト。大きくタイムロスし、その後はペースも落ちてしまって、27周目にはマッサにかわされ……終盤はなんとかコース上に留まっているだけとなり、チームはピットに入ってリタイアすることを指示しましたが、ロズベルグはそれを拒否。そしてファイナルラップ直前の54周目には、ハミルトンがロズベルグをパスして周回遅れにするという衝撃の展開になり、チャンピオン決定戦・アブダビGPは終わりました。優勝はハミルトンで、2位はマッサ。3位はスタートの出遅れを挽回したボッタス。4位は最後尾から追い上げまくったリカルドで、5位バトン。6位ヒュルケンベルグ(フォースインディア)、7位ペレス(フォースインディア)、8位ベッテル、9位アロンソ、10位ライコネン。ロズベルグは結局14位まで落ちましたが、完走。クビアトはリタイアし、小林可夢偉もリタイア。

 これにて、2014年のF1も終了しました。
 ドライバーズタイトルは、最終戦ボーナスの50ポイントも追加して384ポイントを稼いだハミルトンが獲得。3戦リタイアノーポイントがあったものの、残りは全て表彰台で19戦中11勝。圧勝でした。しかも、前回チャンピオンとなった2008年とは異なり、最高度のプレッシャーがかかった最終戦に優勝してチャンピオンを決めたというのも立派。ダブルポイントの弊害も出ませんでしたし、正真正銘実力でもぎ取ったタイトルでしたね。おめでとう、ハミルトン!ランキング2位は317ポイントを獲得したロズベルグ。圧倒的なマシンを持ちながら5勝に留まったのが痛かったですけど、あらゆる場面でマシントラブルが多かった割に2位10回。爽やかそうな顔して結構粘るんですよね。ロシアGPでの「ミディアムでほぼ完走」なんてこともありましたし。ハミルトンとシーズン中はゴタゴタしてたようですが、アブダビGP終了後に自ら出向いてハミルトンを祝福したとか。決戦をマシントラブルで周回遅れにまでされ失意のどん底だろうに、こちらも一人のスポーツマンとして立派でしたな。ランキング3位は238ポイントのリカルド。レッドブルでのデビューイヤーにもかかわらず、メルセデスAMG勢以外では唯一の優勝を成し遂げ、しかも3勝。いかにレッドブルのマシンといえども今年の非力すぎるルノーPU(Power Unit)での3勝は、本当に価値あるものだと思います。来季も優勝を重ねることができたら、正真正銘“トップドライバー”と言える存在になっていくでしょうね。ランキング4位はボッタスで、彼も“トップドライバー”の1人になりつつありますな。5連覇がかかっていたディフェンディングチャンピオンのベッテルは167ポイントで5位。6位アロンソで、マッサが7位。復帰した小林可夢偉は、残念ながら0ポイントでランキング上は22位となりました。
 コンストラクターズタイトルは、701ポイントのメルセデスAMGが獲得し、完全に他を圧倒。2位は、405ポイントのレッドブル。3位はウィリアムズで、320ポイント獲得。ここ数年の酷い成績からすれば大躍進ですが、メルセデスPUを搭載し直線最速でも結局優勝はできなかったですな。4位はフェラーリで216ポイント。ライコネン不調が痛すぎましたが、ドメニカリにモンテゼーモロにマティアッチまでもが更迭されるなど、フェラーリ本体があまりにゴタゴタしすぎで、結果アロンソまで出て行く始末。これじゃ、どうにもならんですわな。来季ホンダと組むマクラーレンは今年も5位でしたが……後半戦はそれなりの速さを見せ始め、現行レギュレーション下でもなんとかまともに走るマシンになりつつあるという印象は残りました。あとはホンダのPUがメルセデスPUに劣らないものであれば、ってところですかね。期待したいと思います。

 何回か書きましたけど、今季のF1は見ててとにかく面白くなかったです。不細工極まりないマシン、ERSなど謎だらけのPUでメルセデス1強&他が弱すぎ、復帰した小林可夢偉の絶望に次ぐ絶望な境遇、そして“ペイドライバー”頼みも限界を超えて現実化してしまったチーム破綻……うまくいってないのはケータハム/マルシャのような“弱小”だけではなく、中堅のザウバーやロータス、それどころか“F1の顔”なフェラーリさえもドメニカリにモンテゼーモロに昨日はマティアッチまでが解任と今年は首脳が次々と更迭されてゴタゴタ続きでした。レッドブルも、あのニューウェイが「やる気なくした」と設計の最前線から退いてしまいましたし……なーんか、来季も“1強”メルセデスを崩すことができるチームはなさそう、いや「あり得ない」レベルな空気が漂ってたりします。この上、ザウバーとかが来季参戦しない(できない)などと発表するようなことになったら、F1の存続自体が怪しくなってきますな。いよいよ「HONDA」がF1に帰ってくるというのに、しかも、どうやら本当にアロンソがドライブしてくれそうだというのに……来季にまるで希望がもてないというのが、なんとも憂鬱ですわ。
 あと、小林可夢偉は今年、結果こそ何も残せなかったんですけど、絶望的な状況の中で、真摯に、懸命に、自らの仕事を全うしたと思います。カネカネカネな今のF1界にあって、カネとはほぼ関係なくやれる限りのことをやった可夢偉の仕事ぶりは賞賛されるべきだと思うし、こんなときだからこそ、よりしっかりとプロドライバーとして評価されるべきだと思いましたよ。しかし、名伯楽がいた昔ならいざしらず、今のカツカツなF1では評価して敢えて雇ってくれるなんて義理人情はなさそうですし、再びWECにでも活動の場を移した方がプロドライバーとしても幸せかもしれませんな。けれども……頑張ったドライバーを評価せず雑巾のように使い捨てにしていくだけって、F1ってこんなことで本当にいいんですかね。たしかにリカルドやボッタスみたいな「期待の新星」も現れましたが、職人的なドライバーってのは今やバトンくらいしかいなくなってますし、人気と実力を兼ね備えたライコネンとかアロンソとかだって引退の2文字がちらつく年齢になっています。彼らがいなくなった後、ハミルトンやベッテルだけでF1の人気を引っ張っていくなんてのは私には到底ムリだと思えてならないのですがねぇ……化け物マシンを卓越した技術でもって操ってこそF1であり、そんな超人的なドライバーに人間的な魅力があってこそのF1ですよ。カネ持ちのパトロンがいるってだけの若造が不細工なマシンを操ってもね、人の気持ちは動かんのです。むしろ、見てて腹立つだけでしょうよ。私のようなただの1ファンに何もできることはありませんが、本当にF1はこんな状態のままでいいのでしょうかね?

 上にも書きましたが、来季はホンダがエンジンサプライヤーとして復帰します。しかも、セナ&プロストで伝説を作った「マクラーレン・ホンダ」としてF1に帰ってきます。復帰1年目からバシバシ勝てるようになるとはとても思えませんけど(特に第3期のホンダを見てきた人間としては、ねぇ……)、マクラーレン・ホンダが上位争いを普通にできるようになれば、日本のF1ファンとして少しは希望を持ってシーズンを見ることができるかもしれません。そうなってくれることを祈りつつ、来シーズンの開幕を待つことにしたいと思います。

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