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2012年5月14日 (月)

F1 2012 スペインGP

 F1第5戦・スペインGP決勝が昨日行われました。
 “ヨーロッパラウンド”の開幕戦は長いF1シーズン中の“第2の開幕戦”とされているわけですが、今年は前戦バーレーンGPとの間にムジェロでの3日間のテストが設定されたため、より「再スタート」の意味合いが強い一戦となりました。
 予選。ハミルトン(マクラーレン)がQ1でただ1人1分22秒台を出すなど好調で、Q3でも1分21秒707と他を圧倒するタイムを叩き出しましたが……予選終了後、燃料不足でコース上にて停止、 義務づけられている燃料検査ができなかった 「不可抗力の場合を除き、セッション後マシンは自力で走行してパルクフェルメに戻ってこなければならず、車両からは1リッターの燃料サンプルを抽出できる状態でなければならない」という規則に違反したことから予選の記録全てを抹消という重い処分が科されました(追記:停止したハミルトンのマシンから残っていた1.3リッターの燃料が採取されたそうです。ただ、ルールとはいえ、記録抹消されるのはQ3のみにして10番手スタートでも良いのではと思いました。Q3でトップタイムを出したドライバーより、Q3を一切走らないドライバーの方が有利になるってのはどうも、ねぇ)。そのため、ハミルトンは最後尾スタートとなり、Q3で2番手タイムを出した者がPPとなったわけですけど……その2番手タイム(1分22秒285)を出したのは、なんとウィリアムズのマルドナード!ベネズエラ人として初のPP、そしてチームとしてもこの日に開かれた代表フランク・ウィリアムズ(70歳)の誕生パーティに花を添える形となりました(ウィリアムズとしては一昨年のブラジルGP以来のPP獲得)。2番手にはアロンソ(フェラーリ)が入り、これまたびっくり。3番手にグロージャン、4番手にライコネンのロータス勢。5番手にはペレスが入り、小林可夢偉もQ3に進出するなどザウバー勢も好調でしたが、可夢偉はマシントラブルでQ3に出走できず9番手スタート。6番手ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)、7番手ベッテル(レッドブル)、8番手ミハエルさん(メルセデスAMG)で、Q2敗退したバトン(マクラーレン)が10番手、ウェバー(レッドブル)が11番手、マッサ(フェラーリ)は16番手に沈みました。
 決勝。タイヤは今回ハードとソフトが持ち込まれており、スタートは全車ソフトを選択していたのですが……このソフトが10周とちょっとぐらいしかもたず、多くのマシンが3ストップ作戦をとることとなりました。そして、やはり今回も「タイヤとの戦い」となりまして、アロンソが先頭に立っていたものの、“アンダーカット”の積極的ピット戦略でマルドナードがトップに返り咲き、そのまま逃げ切りました。2位となったアロンソも3位となったライコネンも、手堅いピット戦略がアダとなって前に出ることができず終了。4位はグロージャン、タイヤ戦略が見事にはまってバトンやロズベルグをコーナーでオーバーテイクした小林可夢偉が5位に入りました。6位ベッテル、7位ロズベルグ、8位にハミルトン、9位バトンで、ウェバーは11位。マッサは15位で、ペレスとミハエルさんにセナ(ウィリアムズ)はリタイアでした。
 いやぁ、今回はマルドナードがとにかく素晴らしかったですね。昨年のF1デビュー時からずっとスポンサー資金でシートを買う“ペイドライバー”と揶揄され続けてましたが、初のPP獲得から初優勝ですよ。それも、去年はさんざんだったウィリアムズのマシンで優勝ですか。まさにミラクルですな。「名門」と言われ、かつては無敵だった時代もありましたが、ウィリアムズチームの優勝は2004年第18戦ブラジルGPのファン・パブロ・モントーヤ以来で実に7年半ぶりとか。本当によかったですね……と思ってたら、レース終了後にセナのマシンが爆発したとかなんとかで負傷者が出る/機材が全部壊れるなど大変なことになっているみたいです。なんでまたこういうことになるんだか、「名門」復活に水を差すようなことにならなければ良いのですが。
 あと、小林可夢偉も今GPはとても良かったですね。本人曰く「予選の不運がなければ表彰台も可能だった気がする」そうですが、マルドナードが勝ち、またマクラーレンやレッドブルが不調だったことから、もっと上位からスタートしていたら事実表彰台に立てていたかもしれませんな。ただ、川井ちゃんがコメントしていたようにザウバーC31はストレートスピードが相当遅いようなので……安定して速いロータス勢の前に出るのは難しかったかも?しかし、次は最低速のモナコですから、期待して良いかもしれません。モナコはドライバーズサーキットですし、ここでうまくやったら、もしかしてもしかするかも?

 第1戦がマクラーレンのバトン、第2戦がフェラーリのアロンソ、第3戦がメルセデスAMGのロズベルグ、第4戦がレッドブルのベッテル。そして、今回の第5戦がウィリアムズのマルドナードとなり、開幕5戦の勝利チーム/勝者が全て違うという結果となりました。開幕5戦で勝利チーム/勝者が全て違うというのは1983年シーズン(第1戦:ブラバムのネルソン・ピケ/第2戦:マクラーレンのジョン・フォード/第3戦:ルノーのアラン・プロスト/第4戦:フェラーリのパトリック・タンベイ/第5戦ウィリアムズのケケ・ロズベルグ)以来29年ぶりのことだそうです。
 ハミルトンの降格という不運もありましたがバトンの不調を見るとマクラーレンも盤石ではないですし、「1強復活か」とも言われていたレッドブルもウェバーがノーポイントと状況は未だ深刻。解説で言ってましたが戦っている側は「勝因も敗因もわからん」という暗中模索から抜け出せない状態なのかもしれませんけれども……見ている側としては、こんな面白いシーズンはないですねw。マクラーレンもレッドブルもイマイチで、安定してるのは現状ロータスだけ、当たればメルセデスAMGやフェラーリ(アロンソ)が表彰台に入ってきて、ザウバーも表彰台を狙えそう、ウィリアムズでさえも優勝を狙える、入賞に至ってはどこの誰が入るか全く不明……こんな大混戦は、本当に久しぶりです。
 まぁ、この状況は「ピレリタイヤによってある意味人為的に引き起こされているだけ」というのもわかってはいるのですが、ここまで先が見通せないことによるワクワク感というのはF1では久しくなかったことです。BSアンテナを設置してまで試聴できるようにした甲斐があったってもんですよ。
 次は伝統の一戦、モナコGPですね。楽しみですわ。

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