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2011年11月28日 (月)

大阪秋の陣

大阪市長選
橋下徹     750813
平松邦夫   522641
大阪府知事選
松井一郎 2006195
倉田薫    1201034
梅田章二    357159
 (他4名)

 「江 ~姫たちの戦国~」で大坂冬/夏の陣が取り上げられたこともあり、「大阪秋の陣」として注目された大阪市長選+府知事選(ダブル選挙)の投開票が昨日行われ、いずれも大阪維新の会に所属する橋下徹候補と松井一郎候補が当選となりました。しかも、予想以上の圧勝でして……投票締め切りの20時ちょうどに速報テロップで当確情報が流れるという“瞬殺”ぶり。一騎打ちとなった市長選/倉田前池田市長という強力な対立候補が出た府知事選だったので、それなりに接戦になるのではと思ってたんですが読みが甘かったですわ。あまりのあっけない決着にガッカリして、昨晩は選挙特番を見るのを早々にやめたくらいでした。
 また、投票率ですが大阪市長選60.92%/大阪府知事選52.88%で、どちらも前回よりは大幅にアップしました。が、市長選はなんとか合格点って感じですけど、府知事選は「かろうじて過半数」に留まってしまってて落第点ですな。橋下前府知事がダブル選挙を仕掛けてさんざん煽り、これだけ全国から注目され、大都市・大阪の行く末が大きく左右されるであろう選挙だったにも関わらず、この程度……「日本の民主主義って何なんだろう?」と思いますよ。いかに自由投票とはいえ、これだけ注目される選挙なんですから、せめて67%(有権者の3人に2人は投票)、できれば75%(4人に3人は投票)くらいはあってほしいものです。
 今回の選挙は、本当に「異様」な選挙でした。知事が市長に鞍替え立候補、それに対抗して二大政党のみならず共産党までもが現市長に結集して支援/地域政党の無名候補が知事選出馬、府内の現役市長が市長連合を組んでこれに対抗し二大政党も支援……国政での“ねじれ”なんてかわいいもので、もうぐっちゃぐちゃ。それでいて、現役で実績もあり政党の支援も受けている候補が揃って落選し、地域政党が圧勝してしまったわけですからね。「現役(笑)」「実績(笑)」「政党(笑)」「“独裁”批判(笑)」と、何もかも笑い飛ばされたってところでしょうか。平松前市長は「頑張った」とも言えますが、倉田前池田市長がこうも負けるとは……政見放送を見たんですけど、どう見ても倉田候補が松井候補を圧倒してたんですよ(倉田さんは具体的に政策を提言していて、まっすぐ見据えてて良かった。一方の松井候補は言葉が要領を得ず、おどおどした風に見えた)。それなのにこのダブルスコアに近い結果というのは、正直信じられないです。「候補の人柄(笑)」ってのも加わってそうです、今回は。
 ただ、今までの「選挙の常識」をいろいろ笑い飛ばした選挙であると同時に、今まで同様「政策論争のほとんどない選挙」でもあったと言っていいと思います。橋下徹前知事の“独裁”発言から他候補は反“独裁”を旗印にしていたんですけど、「私はこういう政策をします」という提言は乏しかったです。政見放送でも倉田さんがあれこれ言っていたし、平松前市長ももちろん政策を言ってはいたんですが、前者は維新の会との違いがあまりはっきりせず、後者は選挙前に言ってはみたものの反発も出て腰砕けみたいになってしまったりして……結局、維新の会と政策面で真っ向から対峙できているとは言えないように感じました。しかし、維新の会も維新の会でして、政策を有権者に訴えかけることは極めて弱く、「大阪を良くしたい」とか抽象的表現ばかりで、政策で勝負したのかというと決してそうではないと思いますね。つまり、例の「大阪都構想」で勝てたのかというと違うわけで橋下新市長自身が「(都構想の)信任は不十分」とそれを認めていますし、選挙の間「独裁断固反対」「独裁反対しか言うことないのか」の言い争いだけだったですよ、実際。その上、選挙前は個人攻撃に終始したマスメディアが投票終了後になって突然「都構想」実現へのプロセスが極めて難しいこと、原発依存率日本最高の関西において過激な“脱原発”方針を掲げていたことなど具体的政策への注釈を一斉に報じる始末でして……大阪の有権者のうち維新の政策内容を仔細にわかっていて投票した人間がどれだけいたのか、極めて怪しいですわ。もちろん、それらの“不都合な事実”を追及するどころか指摘すらできず「反“独裁”」に固執した対立候補が揃いも揃って愚かだったのも事実ですけど。結果的には「政策論争(笑)」でもあったようで……「どっちもどっち」で嫌気がさした人も多かったんじゃないかと(実際、府知事選の4人の“泡沫候補”さんたちの得票数が全員20000台と異常に多いんですよ、今回。これらの票は選挙自体への批判票が含まれていると思います)。先に書いた低い投票率のことも考え合わせると、この国で本当に選挙って必要なのか、民主的プロセス自体不要なんじゃないのかとさえ思えましたね。「“独裁”だろうと優れた人がやってくれるなら別に構わない、俺関係ねーし」とか考えている人、多いんじゃないかな、実際。真剣に考えないと痛い目見るのは私たち庶民なのに、こと政治については考えることを放棄している人が少なくないですから。そのことを証明した選挙だったと言えるかもしれません。
 ま、何にせよ、結果は出ました。橋下新大阪市長と松井新大阪府知事が、大都市・大阪を今後何年か仕切ることになりました。それも、多数の民意によってです。次に選挙が行われる時(通常は4年後)まで、彼らが思ったように大阪を動かすことを、主権者たる住民が選んだのです。権利がありながら投票に行かなかった人はたとえ大阪府大阪市の行政サービスが一切打ち切られても市民税府民税が税率MAXまで上げられたとしても文句を言える立場にありませんし、彼らに投票した人も同じ。一票の重みとはそういうものですし、責任は取ってもらわないとね。大阪の有権者だけの判断で関西全体の電力供給が決められてしまうのは許されないのですが、関西電力の筆頭株主たる大阪市の長に橋下徹という人が選ばれてしまった以上急激な“脱原発”路線もある程度仕方ないことかもしれません。急速に“脱原発”を進められるわけもないのに急速に進めよと言うのでしょうから、今後10年ほど関西での大規模工場の通常稼働は絶望的ですな。だとすれば電力供給が足りる分で“縮小均衡”するしかないでしょうし、大規模工場はどんどん閉鎖するのが合理的ですかな。それが「民意」ってもんなんでしょうし、雇用問題なんて関係ないでしょう、自分たちがその道を選んだ以上。「合わないな」と思った大企業は関西から撤退していくでしょうね。仕方ないですよ、選んだんだし。何かと“悪者扱い”される以上、大阪市職員なども退職せざるをえなくなる人が出るでしょうし、いろいろ変わるでしょうな、大阪は。良くも悪くも(それでも「都」にはなれないんですけどね。国が動かない限り)。
 私は、実現可能性がほぼない「都構想」なんてどうでもいいんで、とりあえずはあまりに「生活保護天国」過ぎる大阪市を「改革」してもらいたいです。大阪には“特権中の特権”を行使し続けている連中が多すぎるので……橋下新市長にはそこへ大ナタを振るってもらいたい。ネットでは「日の丸・君が代」だけで「維新の会は“親日”」とか言っちゃってる単細胞が多すぎて困るんですけど(そもそも中央集権体制を破壊しようとしている集団を“右”の人間が“親日”判定って、わけがわからない。それに「日の丸・君が代」の真の抵抗勢力が本場・大阪で未だに黙っているのはなぜか、とか考えないんですね。ある意味「さすが」というか何というか……それに彼らの言う既得権益の中に「日本国民のみの権利」が含まれていてもおかしくないんですよ?「既得権益打破」って言ってるだけで拍手喝采してる大阪と関係ない人たちも、少しは考えたらどうですかね)、本当に彼らが「“反日”の対抗勢力」だというのなら、生活保護の本当の問題点にも手をつけることができるはず。それに手をつけることができたなら、それだけでも橋下新市長になった意味はあると思えますわ。たとえ関西の経済が一時沈没したとしても、本当に切り崩すことができたら長い目で見れば悪くないと思いますし。ま、あくまで「できたら」の話なんですけど。本当にできるんでしょうかね?あの人に。新府知事さんは、“傀儡”として永遠におとなしくしててくれればいいです(そのうち馬脚を露わにし始めるでしょうが)。
 ちょっとだけ期待しながら、彼ら維新の会が本当に大阪を盛り立てていけるのか、見ていきたいと思います。

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