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2011年7月12日 (火)

どうしてあの人たちは騒がないのか

 福島県南相馬市の畜産農家が出荷した和牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、その原因が畜産農家が危険と知りつつ原発事故後も田んぼに放置していた稲わらを牛に与えていたことにあったと判明しました。当初問題とされた牛の肉は市場に流れていなかったものの、その農家から以前出荷された分は市場に流れ、消費されてしまったのではと言われています。
 政府の方針が基本的に「なんでも出荷」なので牛肉もいずれこんなことになるだろうとは思っていましたけど、やはり放射性物質に汚染されたものを私たちは食べることになるんですね。汚染されていない作物を出荷しようと懸命に頑張っておられる農家の方も多いのだと信じたいのですが、こうやって放射性物質に汚染されていると「わかっていながら」出荷してくる農家もいるわけです。そういう食品を食べたとしても、例の如く「直ちに健康に影響はない」と政府は言うし、私も「おそらくはそうなのだろう」と思いますけど、食べた人が体内被曝するのは間違いありません。それがもし子供であれば、大人より影響が大きいでしょう。食べた後どうなるかわからない以上、不安に思うのは当然だし、そういうものが出荷されている産地のものは食べたくないし買いたくないというのも当然のことと思います(マスコミは未だに特定地域の作物が売れなくなることを「風評被害」と言ってますが、違うと思います。原因がはっきりしている以上、“風評”ではありません)。頑張っておられる他の農家の方々の苦労を根底から破壊するという意味でも、一部の農家のこういう行為は犯罪的ではないでしょうか。もし報道されている通りわかっていながら出荷したのなら、故意によるものであり、犯罪だと私は思いますよ(4月には千葉で自粛要請を無視して野菜を出荷した農家がいましたが、彼らもです。なぜか罰せられることもなく、マスコミもうやむやな報道に終始していましたけどね)
 ただ、こういう農家も「仕方なしにやってしまった」という面があることは理解します。刑法的には傷害罪に該当するようにも思えますけど、「緊急避難」とまでは言えないが、「期待可能性がない」と言える場合かもしれません。だから、「何が何でも刑事罰に処せ」とまでは私は言うつもりはありませんが、何らかのペナルティはあってしかるべきというか、ないのは明らかにおかしいですよ(特に、こういう農家が東電の賠償金を受け取るなんてことはあってはならないことです)。こういう農家はたとえ原発事故の被害者ではあっても、自らの意思で敢えて加害者になったのですから。1人の大人として、その社会的責任はとってもらわないと。

 しかし、むしろ私がこういう事例で問題と感じるのは、このような悪質な“ルール破り”が発覚しても何もしようとしない政府と、普段「放射能が、放射能が」と叫び「被爆する」「被爆させられる」と過剰に騒いでいる人たちがこういう事例に関して何の文句も言わないことです(※故意による放射性物質汚染作物の流通って、わかっているだけでも3度目ですからね?今回が初めてではないのです)。
 政府は、あの「無能で何もしない内閣」と「“政治主導”に愛想を尽かした官庁」なので何もしないでしょうね。やるにしたって「責任逃れ」だけですか。政府は放射性物質汚染地域からの作物出荷を全停止するという根本的対策だってできるはずなのに(私は以前書いたように<こちら>、「調査地域」を設定の上で作物を国が買い取るべきと考えています)、しませんから……ま、「国民は黙って、放射性物質汚染作物を食え」ってことなのでしょうな。だから、誰かが汚染作物を出荷しようが一切お咎めなしと(咎めたら、無策な自分たちに責任が返ってくるもの。できないですよねぇ、菅首相)。ここのところ政府は批判すらもされなくなったように感じますけど、野党のみならず国民も諦めたんですかね?
 最もおかしいのは、放射性物質汚染を過剰に騒いでいる人たちの態度です。「子供たちの未来はどうする!」「放射能汚染!」って叫んでいながら、その最たる体内被曝を故意にさせようとする人間が現れたのに何も言わないってあまりにも不可解ではないですか?国が一応、「外に出してあったものを飼料とするな」ってルールを作ったのにそれを知りつつ無視して食べさせ、体内被曝した牛の肉を私たちに食べさせようとしたんです。あなたの子供を体内被曝させようとしたんです。故意犯ですよ?絶対許されないことじゃないですか。なぜ怒らない?いわば過失犯である国や東京電力、はては原発を動かすべきと考えているだけの人に対してまでも執拗に攻撃するように、なぜ責任を追及しようとしないのでしょうか?筋が通らないですよ。いつものように大きな声で怒鳴ればいいじゃないですか。デモとかもやったらどうですか。
 って、まぁ、しないというかできないんでしょうな、彼らには。なぜなら、騒いでいる人たちの多くは「反対のための反対」だから。一農家の行為には「反対」できませんものね。結局、彼らは国家権力とか大資本とか“壁”となるようなものがないと存在すらしえないから、できないのでしょう。でも、「子を持つ親として」という理由から原発に反対して騒いでいる人なら追及できるはずだししなければならないはずなんですけど、それもないってのはすごく不思議です。「親の立場」ってのすらも、不純な動機のカモフラージュにすぎないのでしょうか……だとしたら、悲しいなぁ。子供の存在をダシにするなんてなぁ。はぁ。

 そういう過激で大きな声にだけ反応して悦に入るこの国の首相、首相の「解散」の脅しに屈する与党議員、ごく一部の大きな声にびびりまくっている野党の議員たち。そういう連中の元でガマンを強いられてもただただ黙っている国民……私には、とても不幸な連鎖に思えるのですがね。
 ごく一部の大きな声にだけ従って、誰も泥をかぶらず見た目だけキレイな政治なんてしているようでは、国はほどなく滅びるんじゃないかなぁ。いい加減、なんとかしませんか?

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