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2011年5月12日 (木)

人権侵害救済法案など絶対に許せない

 「人権侵害救済法案提出へ、メディア規制なし」「人権侵害救済法案、次期国会での成立目指す」……YOMIURI ONLINEに、こんなタイトルの記事が載っていました(※現在は公開されていません)。
 いやはや、東日本大震災復旧・復興のための特別立法に時間がかかりすぎると思ったら、こういうことですか。ただでさえ足りないであろう民主党の党内リソースを、こんなことのために割いていたとは。
 今、この国は大変なんですよ。東北や関東のみならず長野や静岡も大地震に伴う被害を受けて、復旧・復興しなければならない状態なんです。そのために、公務員も自衛隊員も民間も、みんなで日々の生活を立て直そうと必死に頑張っているわけですよ。
 そんな中で、政治家センセイのしていることはこれですか。
 どうせ、「福島の住民の人権が侵害されている」とでも言ってその正当性を取り繕うつもりなんでしょうけどね、違いますよ。これは、普通の日本人の人権を侵害から救済するためのものではなく、むしろ普通の日本人の平穏な生活を侵害するための法律です。

 もちろん、その是非の判断は正確な法案内容が公表されるまで本当はできないんですけど、上記の記事に「人権擁護法案の対案として民主党が05年に作成した法案をベース」とありました。これは正式には「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」といいまして、検索すればこれについては原文が手に入りますから、法案内容の予測はできます。05年分の内容を簡単に書くと、不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為を「人権侵害」とし(1条)、国民に人権擁護に関する施策に協力する義務を課し(6条)、中央人権委員会/地方人権委員会が設置され(7条/22条)、人権委員会は人権救済手続として独自の調査権限を有し、出頭要請/人権侵害が行われた疑いのある場所への立ち入りや検査などの処分権限が認められ(47条)、この処分に理由なく従わなければ30万円以下の過料に処される(78条)といったところでしょうか。
 問題は、この独立した人権委員会の委員となる者が何者だか怪しいこと。委員は「人格が高潔で人権に関して高い識見を有するものであって、法律または社会に関する学識経験のあるもの」でなければならず、国会/地方議会の同意が必要なのですが(11条/24条)……たしかに国籍要件は書いてないんですよね。また、差別に対応する人なのに「高潔」とか「高い識見」とか随分と差別的な要件が課されているというのもおかしな気がするし、どうとでも判断できますね、これは。「人権団体の代表」なんて社会経験豊富で、委員にうってつけな気がします。国会/議会の同意以外、特に制約としての意味はないですな。そんな人たちが、「人権侵害」であると判断しさえすれば、裁判所を通さずに関係者に出頭を要請したり立ち入りや検査したりという処分権限が与えられるというのは行政手続として酷すぎると思います。「差別だ!」と誰かに言われれば、調査され、呼び出され、尋問され、場合によってはPCとか所有物を持ってかれちゃったりするわけですよ。司法警察ではない、人権委員会というよくわからない行政組織にです。
 誰のための仕組みなんですかね?「差別」「差別」と騒ぐ人って、普通の日本人として生活していて出会いますか?少なくとも私の周りにはいませんよ、そんな人は(日本国籍じゃない人だって、「差別」「差別」なんて言いません)。そんなごく一部の人が、これ見よがしに利用して公権力によって相手を痛めつける手続きになるだけじゃないですか、こんなの。普通の日本人の人権を侵害から救済するものじゃないというのは、そういうことです。今現在の日本の公権力はそんなことできないのに、わざわざ法律でそういうシステムを作るという話ですよ?本当に必要ですか、それも今。

 今の日本で救済されるべきは、普通の人々の普通の暮らしです。家があって、仕事で収入を得て、食べていける日々の暮らしです。家を津波で流されたり原発事故で帰れなくなった人、仕事を失って収入のなくなった人が万単位でおられるんですよ。そういう被災した人々を救うことが今、政治に求められていることでしょう?なのに、仮設住宅だってまだまだ整備されず、雇用は原発を無理に止めて促進どころかむしろ減らし、そもそも復興方針ですら策定できない。そんな中で、こんな特定の人の「人権」のみを特別に救済してあげる法律だけはすぐにでも作ろうとする政府って何なんですか?一部の人にだけ媚びて日本国民一般を見捨てるような政府が「人権救済」だ?一般国民に対する人権侵害以外の何ものでもないですよ、こんなものは。ふざけるのもたいがいにしとけ。
 日本国の立場を考えて「菅政権を維持すべき」と言ってきましたが、浜岡原発を停止させてトヨタの工場海外移転を促進するようなことをした挙げ句、こんなことまで考えているのなら、「私が間違っていた」と言わざるを得ません。総選挙は現状ではさすがにできないので残念ながらあと1年は根本から変えることができないでしょうが、首相を替えることは今すぐにでも可能です。もう、反対しませんよ。いや、菅政権など倒してしまうべきです。 国民の意思で。

 本当に人権侵害救済法案を次の臨時国会で提出するというのなら、私はそんな国を絶対に許せません。政権、民主党、法案に賛成する全ての国会議員に対して、一主権者として全力で立ち向かうしかない。私に何ができるのか、真剣に考えますよ。

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