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2011年4月10日 (日)

統一地方選2011前半戦 投票日

 今日は統一地方選前半戦の投票日でした。
 ちゃんと投票しましたよ。投じる先もそれなりに考えましたし。けどね、正直、選挙どころの気分じゃなかったです。被災したわけでも何でもない関西在住の私でさえこんな気分だったわけで……被災地は特例法で延期になったけど、被災と言うほどでなくとも余震の続く東日本でまともな選挙ができたと言えるのか、何とも後味の悪い選挙だったように思えます。原則として地方自治も間接民主制である以上、一般市民にとって地方政治と繋がる機会は選挙の時しかないわけで……投票率はいうほど悪くないみたいですけど、こういう形で今後何年(だいたいは4年)かの体制が決まってしまうというのは投票する側にとってもされる側にとっても不幸だったんじゃないかと思いました。特に、千葉県浦安市とかね……あれは市の判断が正しいと思いましたよ。特例法を決める際に、「一部の自治体だけでなく全部の自治体を延期にすべき」としたみんなの党の主張の方が正しかったかもしれませんな(「こんな時だからこそやった方が良い」という考え方も間違ってはいないと思うので、断言はできないんですけど)。
 こんな中で「(国政で)政権交代しろ」とか言ってる一部の連中の気がしれないですよ。民主党に政権から降りてほしいのはやまやまだけど、衆院の過半数の議席を持っているのは民主党です(選んだのは我々日本国民)。それを覆すための国政選挙を今やるなんて冗談じゃないし、それこそ被災地の惨状を無視した考え方ですよ。被災地のために何でも自粛せよとか言う一方で、こんな暴論には反対しない……よくわからないです、私には。

 今回の私の投票行動については、ここでは具体的に書かないこととします。国政と違って、事情が同じ地域の住民にしかわからないですから……ま、国政批判の意味も込めて民主党公認候補には投じなかったってことは書いておくかな。地方選挙での外国人参政権容認の党なんかに、その地方選挙で票を投じるわけにいかないですしね。

 あと、今回の選挙戦で気になったのは、選挙戦後半あたりから原発の是非を争点にする候補者が出たことですかね。私の住む地域でも言ってた候補者がいたし、今回の選挙戦で最大の注目を集める東京都知事選でも争点になってたみたいですな。私なんぞは「福島第一原発がある程度落ち着いたら、これか」って思いましたがねぇ(本当に大変な時は、黙ってるくせに)。で、争点にする候補者さんが必ず口にするのが「自然エネルギーへの転換」って言葉です。いい響きですよね、「自然エネルギー」って。私も心引かれます。
 そこで、調べてみましたよ。その「自然エネルギー」ってやつの、現時点でその方式では国内最大と思われる各発電所の発電出力を。
・堺太陽光発電所                     10000kW(全竣工時)  現在2850kW
・郡山布引高原風力発電所        65980kW
・八丁原地熱発電所                110000kW
・奥只見水力発電所                560000kW
だそうです。これに対して国際問題にまでなってしまっている“汚染源”福島第一原子力発電所はというと、
・1号機                                 460000kW
・2・3・4・5号機             各784000kW
・6号機                                1100000kW
合計                  4696000kW(※定期点検などで全力稼働することはないと思われる)
参考:東新潟火力発電所        4600000kW
です。この数字をどう捉えるかは、個人の自由です。私は「水力って結構凄いな」と思いましたが、「自然エネルギーへの転換」を叫ぶような人ほど「脱ダム」と言ってたことを忘れてはならないでしょう。ダムを造ると言うことは実際、問題が多いのです。それに、この「出力」ってのはその発電システムが最大限働いたときの数字です。太陽光はお日様が照ってるときだけ、風力は一定の風量で風車を回せるときだけ回して発電しています。そんな休み休みでしか使えないシステムにして、頑張っても日本ではこれしか出力できないのです(※海外では気象条件が異なるので発電効率は変わってきます。海外における成功例をやたら引き合いに出す人がいますが、都合の良いデータに惑わされないよう注意が必要)。地熱はたしかに安定して出力できるけど、突き詰めれば元はマグマの熱エネルギーなわけで、そんな活火山のごとき制御できないものを「都合よく利用できる」と考えるのは原子力とあまり変わらない感じもします(※他に波力発電というのもあるのですが、まだ日本には発電所と呼べるものが存在しないのでここでは割愛しました。バイオマスは火力発電の燃料の話なので、これも割愛)。
 一方、原子力ってのは動き始めたらずーっと熱を出し、水を沸かして発電し続けます。今回のことでよく分かったんじゃありませんか(代わりに、止めたいときに止まってくれなかったりすることも分かったかと思いますが)。エネルギーを論じるならば、原子力発電所は安定してこれだけ(200万kW以上)の電力を供給できるシステムなんだということもしっかり理解しておく必要があると思います。その上で全面廃止を選択するのなら、それはそれで間違ったことではないのですが、廃止するならば現状では火力発電所に置き換える他ありませんな。その火力発電だって、つい先日までは地球温暖化対策上「悪」とされてたんですからねぇ(それを言ってたのもまた「自然エネルギーへの転換」を叫ぶような人たちです)。
 今回の大惨事を引き起こしている原子力発電というものに対して危機感を抱くのは当然ですし、私もなくせるものならなくした方が良いとは思います。しかし、「自然エネルギーへの転換」なんてものは、上記の数字を見る限り現時点では絵空事でしかありません。不可能ではないでしょうが、現実的でないこともまた事実です。政治家は時に夢を語ることも必要ですけど、現実を直視することなく夢を語る人間の言うことなど信じるに値しません。妙な危機意識で煽られて間違った選択をした挙げ句「騙された」と言う愚かさを、先の民主党のマニフェストで我々は学習したのではありませんか?煽られるってのは単に煽る人間に利用されるだけだってことに、いい加減気付くべきですよ。原子力発電に対する我々の危機感を煽って自分への票に変えようとする人間に、本当に票を投じてよいのでしょうか?その主張の本質は何なのか、よく考え、見極める必要があります。
 エネルギー政策っていうのは、一筋縄ではいきません。が、にも書いた通り、このような事態になってしまった以上、国民1人1人が考えなければいけないところにきてしまいました。いずれこの問題は国政選挙で争点になるでしょう。その際は、聞こえだけの良い主張に惑わされることなく、現実を踏まえた上で皆さんが考え、自分の意見を持って臨んでほしいと切に願いますよ。

 今回の選挙にもいろいろ考えさせられましたが……ま、「政治はとにかくしっかりしてくれ」、その一言ですかね。こんな時くらい、本当にしっかりしてくれるといいんだけど。

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