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2010年12月22日 (水)

天空の城ラピュタ Blu-ray Disc版

 以前、「宮崎作品最高峰「天空の城ラピュタ」のBD版を出してほしいなぁ。出たらまた予約買いしますよ!」と書いた以上は、予約買いですよ。「天空の城ラピュタ Blu-ray Disc版」。

Bd
 BD版「ナウシカ」<記事はこちら>に続いての宮崎作品BD化は「ラピュタ」でしたね。いやぁ、「ラピュタこそが宮崎作品最高峰である」と断じている私としては、これ以上ない“クリスマスプレゼント”ですわ。
 “宮崎駿作品”といえば「風の谷のナウシカ」(1984年)か「となりのトトロ」(1988年)あたりが一般的な感じですけど、その中間・1986年の作品であるこの「天空の城ラピュタ」こそ代表作だって意見は、アニメファン……つーか、いわゆる“オタク”な方面で強いですな(コアなファンだと最初の長編作品「ルパン三世 カリオストロの城」って意見もありそうですが、まぁ、それは置いといてw)。私も、その“アニメオタク”の部類なので……ってわけでもないんですが、宮崎作品といえばやっぱり「ラピュタ」です。
 たしかに、「ラピュタ」は映画的な評価が他の作品と比べると低く、実際映像的に見るものが少なく、内容的にも子供っぽくて感動するわけでも泣ける話でもないし、「映画としてはねぇ(嘲笑)」とかいう評論家さんの声も聞こえてきそうですけどね、そんなこたぁどーでもいいんすよ。というよりも、そのようないかにもアニメ的な絵で、いかにも子供向けでひねりのない夢物語を、完全なる直球で2時間の作品として仕上げてあるところが最高なんです。目の前に突然かわいい女の子(しかも姫君で、実に健気で性格まで理想的……男の子的には、ですが)が現れて、その女の子を守るべく、地の底を這いずり回り、空を駆け抜け、力の限りを尽くす……心の中になんとなくある男の子の夢が、この2時間の映像の中に結実しているんですよ。それも、純結晶としてね。ここまでストレートに結晶化している映像作品を、私は他に知りません。そういう「子供の心」がテーマの作品ってのは数知れずあるけど、なんかしら大人目線でひねってあったりするし、必ず都合のいい大人ってのが出てきて助けてくれたりします。が、このラピュタに出てくる大人は基本的に全員敵です。守ってくれる親はおらず、ムスカや軍人達は悪い大人そのもの。世話になってる“親方”も上役以上の存在としてはほぼ描かれておらず(ドーラ一味から助けてくれはするけど、結局自分の力自慢になってたりして、あまり良くない大人なんですよね。その後パズーは自分から縁を切ってしまうし)、ドーラおばさんなんて悪党でその力を借りるだけ(ドーラの方もほぼ利用してるだけ。やはり最後には別れてしまうし)……年頃の男の子の「世の中は全部敵で、好きな女の子だけがすべて」って心情を、シチュエーションからストーリーまで少年目線でこうも徹底して表現していて、かつ作品として完成しているってのは、凄すぎますよ。悪い言葉かもしれませんけど、“男の子の妄想”として完璧なんです、これは。一分のスキもない。そして、こんなのは実写ではおそらく絶対に作れない(トトロ以降って作りが実写的になってて、実写化不可能じゃないような気もするんですよね。しても駄作以前のものにしかならないでしょうが、できそうな可能性は残る。一方ラピュタは、パズーもシータも現実の子役を当てようとした時点で崩壊すると思う。他のキャラはともかく、パズーとシータは人ができるものではない)。さらに、アニメといっても宮崎駿の芯の通った柔らかい絵だからこそ、性的ないやらしさも一切なく成立している(ナウシカはちょっといやらしさがあります。BD版のコメンタリー参照)……つまりは、この「ラピュタ」は宮崎アニメだからこそ作り得た奇跡的作品であり、かつ宮崎作品の中でも孤高の存在なんですよ。これを宮崎作品の最高峰と言わずして何と言えばいいというのか、ってところですな。

 というわけで、その“最高峰”ってやつを改めてブルーレイで観てみました。
 画質ですけど、「ナウシカ」のと同じ傾向ですな。高精細でフィルム映画の質感まで再現するって方向です。ホコリはないけど、フィルムならではの粒状感はあるってのも同じ。ただ、背景画には粒状感があるんだけど、人物の絵の粒状感は極力取り除かれている(特に肌。ほぼノイズレス)ので、普通に見ているだけなら人物に目が集中しちゃうからノイジーだとは感じないんじゃないですかね。「ナウシカ」より粒状感は全体的に弱くしてあるなと思いましたし。そのかわりなのか、全体的に精細感も弱くなってる気もしますが……「背景が絵である」って感じは「ナウシカ」よりよく出てたかなぁ。「パトレイバー 劇場版」で感じた「背景って水彩画そのものなんだな」ってのは「ナウシカ」より強く意識しましたね。そうそう、ラピュタに上陸する兵隊さんたちとかラピュタ崩壊のシーンとかは細かいところまで鮮明で、「さすがブルーレイ」って感じましたねぇ。あんな細かく描き込んでいたとは……「ジブリすげぇ」と感心しましたよ。
 あと、DVD版より音質が明らかにいいですな。音的にはセリフ聞いてるだけみたいな作品ですけど、パズーとシータの声の鮮度が2段くらい上がった気がします。特にシータ役の横沢啓子さんの声の響きが最高にイイ。個人的には、BD版の価値はこのシータの声にありますねw
 でも、今回のBD版「ラピュタ」は特典が弱いです。「ナウシカ」はオーディオコメンタリーが素晴らしかったのですが、今回音声特典そのものがないし、映像特典は北米版本編といわれましても見ないですからねぇ……復刻ミニ本が入ってるわけでもないし(あっても小さすぎて読めないから必要ないっていえばないけど)、この内容でBD版「ナウシカ」と同じ値段というのはちょっと納得いかない気もします。“最高峰”ですから私は1万円だろうが買ってたでしょうが、そうじゃない人からしたら割高感は拭えないでしょうな。同じ値段にするなら、もうちょっと特典らしい特典をつけてほしかったと思います。

 BD版見て思いましたけど、「ラピュタ」はやっぱりいいですねぇ。「ナウシカ」みたいに見終わった後にジーンときたりはしないんですけど、見始めたら2時間きっちりと見てしまいますから。最新作「ポニョ」なんて2時間かからないのに途中で眠ってしまいそうになりましたが、そんなことは一切ない。正座して見ても苦にならないくらい観賞に集中できますからねぇ、本当に素晴らしい作品ですよ。
 次のBD版は順番的にも「となりのトトロ」ですかね。同じく評価の高い「千と千尋の神隠し」かな?でも、私はどちらもそれほど好きじゃない(どっちのDVD版も買っていない)しなぁ……「紅の豚」か「もののけ姫」がBD化されたら買ってみようかと思っています。

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